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BMCソフトウェア (BMC) は、新しいランブック自動化製品を発表するとともに、日本において2008年度上半期のライセンス収入を137%増加させたことを公表した (前年同期比)。同社は、ユーザーとの戦略的な関係構築をベースに新しいテクノロジの展開を進めることで、日本市場でのビジネス拡大を目指している。 概要 2007年12月14日、BMCは、新しいランブック自動化製品の発表と併せて、日本における2008年度上半期 (2007年4〜9月期) の成果について明らかにした。2007年1月に同社日本法人の社長としてIBM出身の生駒 芳樹氏が着任してからほぼ1年が経過し、パートナーとの協業体制や顧客関係についての基礎を固め、着実にビジネス成果を積み上げようとしている。 なお、BMCは、IT運用に向けたツールを提供するベンダーとしては、いわゆる世界の「ビッグ4」の一角を占める存在である。その強みは特にサービスデスク製品にあり、日本においては、ビジネス視点でITサービスを管理する点に注目し、ビジネス・サービス管理 (BSM) 市場を確立し、そのリーダーとなることを目指している。 主な公表内容は以下のとおりである。
なお同社の「BSM推進顧客」とは、BMCのテクノロジの意義や方向性に賛同し、BMCやパートナーとともに今後ITオペレーションを効率化していく、いわば相互に連携し互いにメリットを享受していく戦略顧客を指している。つまり、同社のRemedy ITSM製品の少なくとも一部を導入しているか、あるいは今後活用する方向にあるユーザーである。今回は、EDSジャパン、伊藤忠テクノソリューションズ (CTC)、東芝ITサービスが、BSMを推進するデータセンター・ユーザーとして紹介された。 このうちCTCの事例では、ITインフラストラクチャ・ライブラリ (ITIL) に準拠したBSMソリューションを同社のデータセンターに展開し、CTCとデータセンターのインフラを実際に使用しているエンドユーザーの間でRemedy ITSMの出力を共有しているとBMCは述べている。アウトソーシングを行っているユーザーが、実際のデータセンターの稼働状況をリアルタイムに確認できるほか、プロアクティブな運用が可能となる。月報レベルの稼働状況報告では満足できないユーザーに向けてこのソリューションは有効であり、またこのことがCTCの差別化要素にもなる点が紹介された。 ガートナーの分析 BMC日本法人のこれまでの活動は、少数ではあるが日本で最先端を走ろうとしているデータセンター・ユーザーと、米本社のテクノロジ、日本でのパートナー/コンサルタントを緊密に結び付けることで、Win-Winの関係を構築することに注力するものであった。 ユーザーやパートナーにとって同社と連携するメリットは、単に導入するツールの機能性のみではなく、BMC米本社の開発担当者や戦略策定を行うキー・パーソンとの有効なディスカッションから得られる知見やアドバイスを、自社のITオペレーション戦略やビジネス戦略に有効に生かすことができる点にもある。特に先進的なテクノロジをユーザーに販売する場合に、ベンダーがユーザーとの深い連携を進める方向を目指すことは珍しくないが、同社はこのモデルをスムーズに構築し、実際にビジネスを拡げつつある。 さらに同社の日本法人は、BSM領域において、この価値連鎖を1つのモデルとし、日本市場での実績を上げ、その成功例の横展開を図ることを目指すであろう。同社が有する、より幅広いユーザー層に対しても、新しいテクノロジのメリットを早期に展開していくことで市場をリードするシナリオを推進しているとガートナーではみている。 ガートナーでは、ITオペレーションを改善していく上で「人・組織」「プロセス」「テクノロジ」の3つが共に重要であると考えている。例えば、運用プロセスについての標準化が十分でなく、ドキュメント化もされておらず、人がそれを理解していない状態で、機能が豊富なツールのみを導入してもかえって混乱を招く要因となりかねない。同社はBSMに関して「成功要因の90%が人にある」と述べた。これはITオペレーションを改善していく上で「人」という要素がいかに重要となるかを示唆するものであるが、同時にこの言葉には、同社が短期的な視野でツールの拡販を目指すのではなく、真にユーザーの成功を目指すこと、それが自社のビジネス拡大にもつながるとの理解をしていることが表れたものである。 推奨事項 BMCは世界のビッグ4の一角を占めるベンダーであると述べた。しかし、日本ではBMC製品を活用するユーザーはまだ少なく、ブランドも米国に比べれば弱い。同社が日本のBSM領域でどのようなポジションを得るのかは、現在のBSMソリューションを導入している先進ユーザーの満足度や今後のビジネス展開にかかっている。また、本社による日本法人への十分な投資が継続的に行われていくことがビジネス拡大の必須要件となる。 ITオペレーションの効率化や、ビジネスの視点からのITインフラ運用を今後進めようとしているユーザーは、まず「人・組織」「プロセス」「ツール」の3つの側面から自社のオペレーション改善のロードマップを構築すべきである。ツールの選定に当たっては、自社のオペレーションの成熟度に適合するもののみを導入し、不要な投資を行わないよう留意すべきである。ただし、実際に導入しないとしても、ITオペレーション業界の動向については理解を進めておく必要がある。テクノロジの動向は、自社の求めるべき組織体系やプロセスの在り方にも影響を及ぼしていく可能性がある。
Topics: ITオペレーション、データセンター、ランブック自動化、CMDB 本記事は著作権法により保護されています。無断転載、複製、複写は損害賠償の対象となることがあります。本記事の内容は信頼し得る情報源によるものですが、事象・出来事の極めて初動段階にあるものが含まれています。このため、結論、予測、推薦などにつきましては、ガートナーの初期分析に相当します。したがい、本記事における見解は、その後の情報収集や詳細な分析により調整や変更が生じることがあります。ガートナーの解釈、分析に基づいて表現されたものですが、その正確度・完璧性に関しては免責とさせていただきます。なお、本報告書に記載されている会社名および製品名は、各社の商標もしくは登録商標です。
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