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SAMPLE RESEARCH

サンプル・リサーチ

イメージ 2013年の展望:BIとアナリティクスは、データ・ソースの爆発的な増加に対応するスケールアップを必要とする
アプリケーション (APP) /APP-13-44
Research Note
D. Yuen, B. Gassman, D. Laney, R. Sallam
掲載日:2013年4月16日/発行日:2013年4月5日

本リサーチ分析レポートのテーマに関心をお持ちの方は、2013年5月27日(月)・5月28日(火)に開催する 「ガートナー ビジネス・インテリジェンス&情報活用 サミット 2013」 のページを是非ご覧ください。
本サミットでは、ビジネス・インテリジェンスに加え、マーケティングにおける意思決定のためのアナリティクス、ソーシャル技術を活用した意思決定支援など、さまざまな領域での意思決定の在り方、多様なテクノロジによる情報の活用の方法を検討します。
(イベント終了後も開催実績としてご覧いただけます)

 

ビジネス・インテリジェンス (BI) チームのリーダーは、多様化し続ける情報資産を受け入れ、組織のために役立てる必要がある。本リサーチノートは、主流へと向かう構造化/非構造化データ・ソースのアナリティクス、Hadoop組み込みのパッケージ型分析アプリケーション、モバイルBI向けの音声対応機能について述べる。

要約

主要な所見

    ● ポイント・ソリューションのプロバイダーは、高度なアナリティクスを備えるパッケージ化されたアプリケーション内に、専用のHadoopベースのアナリティクス機能を組み込む。

    ● 利用者が音声でクエリを発行したり、音声で回答を得たりすることを可能にする基盤テクノロジが急速に発展しており、こうした市場ニーズに押されて、BI/アナリティクス・ベンダーは、これまでひどく、そして驚くほどなおざりにしてきた音声対応のBIアプリケーションを提供することになる。

    ● 企業は次第に、新しく多彩な構造化/非構造化データ・ソースからインサイト (知見) を獲得することで、成長、効率性、差別化、革新の新たな機会を生かそうとしている。 

推奨事項

    ● BIチームは、ビジネス部門のユーザーに利用されている分析機能を調査し、高いビジネス価値を伴う社内Hadoopプロジェクトを特定する。ビジネス部門のマネージャーは、Hadoopベースのアナリティクスがもたらす新たなインサイトから得た分析に基づいて、より迅速で目標が設定された行動のきっかけとなる新たなビジネス・プロセスを開発する。

    ● BIチームのリーダーは、現行ベンダーが必要な機能を開発できるように、音声対応のBIのユースケースや対話形式の特定に着手する。

    ● 単一データ・ソースにアクセスする専門ベンダーのBI/アナリティクス・ツールに投資する前に、自社に存在する主流のBIとアナリティクス、データベース、データ統合ツールから得られる接続性オプションやロードマップを検証する。


目次
    戦略的プランニングの仮説事項

    分析
     要旨
     戦略的プランニングの仮説事項
     過去の予測

    推奨リサーチ

戦略的プランニングの仮説事項

    ● 2015年までに、高度なアナリティクス機能を備えるパッケージ型分析アプリケーションの65%が、Hadoopを組み込むようになる。

    ● 2016年までに、主要なBIベンダーの70%は、自然言語や音声に対応する機能を搭載する。

    ● 2015年までに、アナリティクスのプロジェクトの30%以上は、構造化/非構造化双方のデータに基づくインサイトを提供する。


分析

要旨
より多くのデータを行動につながるインサイトへ変換することで得られる主なメリットとは、新しいビジネス・インサイトや、優れた策による意思決定の改善である。これらのデータが、ますます多様化する社内のデータ・ソースから得られたものであるか、あるいは、今日提供されている巨大なデータ・リソースなどの、多様な社外のデータ・ソースから得られたものであるかは問わない。さまざまなテクノロジ・ベンダー (特に特定市場指向型ベンダー) が、この大規模な情報基盤を利用して、より堅実な戦略上の意思決定やより迅速な業務上の意思決定を下せる機能を企業に提供することを目指し、急速に市場に参入している。BI投資のほかの領域と同じく、主流のベンダーやアプリケーション・プロバイダーは、自社開発または買収によって、これらの機能を自社の製品/サービスに即座に搭載するようになる。

戦略的プランニングの仮説事項

2015年までに、高度なアナリティクス機能を備えるパッケージ型分析アプリケーションの65%が、Hadoopを組み込むようになる

分析:Bill Gassman

主要な所見:
2012年において、Hadoopシステムの配備には特殊なスキルが必要であったが、一方で企業は、Hadoopによって実現される分析がビッグ・データのプログラムにもたらす強みを認識した。このことは、構造化が不十分なデータやテキストの分析、振る舞い分析、時間ベースのクエリにおいて、特に当てはまる。今後数年間、IT部門は、特にHadoop対応のデータベース管理システム (DBMS) 製品やアプライアンスについて試行を重ねるが、アプリケーション・プロバイダーはさらに一歩進んで、パッケージ化されたアプリケーション内に、専用のHadoopベースの分析機能を搭載する。この動向は、これまでのところクラウド・ベースのパッケージ化されたアプリケーション・オファリング (AdobeやWebtrendsまたはGoogle Analyticsなど) において顕著であり、また今後もそうであろう。自社運用型ソリューションも登場し、これらは特にITリソースが限られている企業において、ビジネス部門内のテクノロジ購入担当者に直接販売される。

市場への影響:
Hadoopベースのアナリティクスを搭載するアプリケーションが市場で提供されることは、テクノロジ・プロバイダーと消費者の双方にメリットがある。以前から分析に対して強みを持つ専用のデータ・アナリティクスによって、新たなインサイトを得られるからである。新たなインサイトからメリットを得られる人々やプロセスを擁する企業は、競争優位を獲得する。また、パッケージ化されたテクノロジによって、運用コストとITスキルの要件を抑えられ、価値実現までの時間短縮が可能となる。テクノロジ・プロバイダーは、対象の役職に職務専用のアナリティクスを直接提供することでメリットを得て、社内開発されたリソースとの競合を回避する。

推奨事項:

    ● 調達チーム:Hadoopや他のビッグ・データのテクノロジに基づく、最新の分析手法のみが対処できる高度な分析機能を、ビジネス・アプリケーション、サービスとしてのソフトウェア (SaaS)、自社運用型のいずれかの形態の中で探す。

    ● データ管理チーム:データ管理アーキテクチャを近代化し、Hadoopベースのアプリケーションからの分析やクエリ結果を取り込めるようにする。

    ● BIチーム:ビジネス部門のユーザーに採用されている分析機能を探索し、高いビジネス価値を伴う社内Hadoopプロジェクトを特定する。

    ● ビジネス部門のマネージャー:Hadoopベースのアナリティクスがもたらす新たなインサイトから得た分析に基づいて、より迅速で目標が設定された行動のきっかけとなる新たなビジネス・プロセスを開発する。

    関連リサーチ:
    ・ 「Taxonomy, Definitions and Vendor Landscape for In-Memory Computing Technologies」
    ・ 「Top 10 Technology Trends Impacting Information Infrastructure, 2012」
    ・ 「Orbitz Worldwideによる、Hadoopを使用した『ビッグ・データ』からのビジネス価値の抽出」(APP-12-36、2012年4月20日付)
    ・ 「Information Innovation: The Art of the Possible」

2016年までに、主要なBIベンダーの70%は、自然言語や音声に対応する機能を搭載する

分析:Douglas Laney

主要な所見:
BI/アナリティクス・ベンダーによる、言語や音声に対応するアプリケーションの提供は、依然として遅れている。自社アプリケーションのモバイルやタブレット・デバイスへの組み込みを急ぐ中で、BIベンダーは、ポイント・アンド・クリックやドラッグ・アンド・ドロップというBIの従来のユーザー・インタフェースをタッチ方式のインタフェースに適応させることだけに注力しがちであった。その過程で、これらのベンダーは、ユーザーによる音声クエリの発行や音声回答の受信を可能にする機会を、ひどく、そして驚くほどなおざりにしてきた。しかし、一般のモバイル市場においては、バーチャル・パーソナル・アシスタントが急速に発展し、普及が進められている。マルチプラットフォームのVlingoがその先駆けであったが、今ではAppleのSiri、MagnifisのRobin、BulletProofのEva、NuanceのAndroid向けDragon Mobile Assistantも加わった。概して、これらの製品はスマートフォンでアプリケーション操作を簡易化するか、あるいは非構造化データにアクセスできるように設計されている。エンタプライズ・アプリケーション分野については、コンテキストに適応でき、アプリケーションを組み込み可能なEasyAskのモバイル版Quiriが、BIやCRMメタデータを活用するように設計されている。Nuanceもモバイル版のカスタマー・サービス・アプリケーション向けにNinaを提供している。MicrosoftはWindowsの音声アシスタントをデスクトップ制御向けに提供しており、AT&Tは音声認識APIを提供している。IBMのWatsonは重量級で、音声認識機能も内蔵しているが、まだモバイルに対応しておらず、おそらく自然言語クエリ専用としては過分である。

市場への影響:
モバイル・ユーザーも、そうではないユーザーも、次第に音声対応のアプリケーションに慣れてきており、この機能に期待を寄せている。BIツールでのタップやクリックは、おそらく過去のものにはならないが、時代遅れになることは確かである。BIテクノロジのコンシューマライゼーションも問題である。BIの可用性や活用を、特に経営幹部や外勤ユーザーによる日常的な活用にまで広げたい企業は、トレーニングが必要な複雑なBIインタフェースにはもはや満足できなくなる。BIベンダーが、バーチャル・パーソナル・アシスタント市場に追い付こうと、素早く作戦を仕掛けることが予想される。まずBIベンダーは、基本的な音声命令に標準インタフェースで対応し、続いて音声またはテキスト入力によるSQLクエリの自然言語処理に対応する。最終的に、ユーザーの状況を理解し、双方向で対話し、(理想的には) 一連の会話の流れを記憶する「パーソナル・アナリティック・アシスタント」が登場する。こうした音声対応の分析機能は、BIベンダーや企業が自社で全面的に開発するのではなく、前述のテクノロジの多くを基盤として発展し得るし、またそうなるとガートナーは考える。

推奨事項:

    ● 外勤スタッフ、経営幹部、その他のモバイル・ワーカーは、BIベンダーに対し、アプリケーションを音声対応にするよう要請し、圧力をかける。現行の一連のPDAまたは音声認識テクノロジを、自身の手で既存のBIテクノロジに適応させようとすべきではない。

    ● BIチームのマネージャーは、現行ベンダーが必要な機能を開発できるよう、音声対応のBIのユースケースや対話形式の特定に着手する。

    ● BIベンダーは、音声対応のアナリティクスの基盤として、実績のある自然言語テクノロジを検討する。こうした機能は、BIユーザーの大多数がモバイル・デバイスへ移行するに従って、即座に市場での差別化要因になる。 

    ● 国際的な展開に携わるBIチームは、不具合に注意し、英語以外の言語や国によって異なる英語の方言について厳格にテストする。

    関連リサーチ:
    ・ 「Critical Capabilities for Mobile BI」
    ・ 「Innovation Insight: Mobile BI Innovation Expands Business Analytics Boundaries」
    ・ 「Deploy the Right Styles of Mobile BI to Fit the Organization's Needs」
    ・ 「Cool Vendors in Human-Machine Interface, 2012」
    ・ 「Siri and Watson Will Drive Desire For Deeper and Smarter Search」
    ・ 「Sherpa: The End of Search as You Know It for CRM」

2015年までに、アナリティクスのプロジェクトの30%以上は、構造化/非構造化双方のデータに基づくインサイトを提供する

分析:Rita Sallam

主要な所見:
ビジネス・アナリティクスで主に重視されてきた要素とは、構造化データ (通常は企業のトランザクション・データ) の分析においてアクセス、管理、保存、モデル化、最適化を行うためのツール、テクノロジ、アプローチである。構造化データは、通常はリレーショナルDBMSに保存される、十分に定義されたスキーマを備えている。企業が後述のように新しい多様なデータ・ソースからインサイトを得ようとするに従って、この状況が変化している。企業は、テキストや電子メール、さらには増加するビデオやオーディオなどの、広範な社内のコンテンツ・リポジトリの中だけでなく、Facebook、Twitter、ブログ、Wikiなどの莫大な量のソーシャル・メディア、ビデオ・フィード、その他の社外で生成されたコンテンツの中にもインサイトを探して、新旧の分析プロセスやユースケースに結び付けようとしている。構造化/非構造化の両方の情報から得たインサイトの相関付け/分析/提示/組み込みを行うことで、企業はカスタマー・エクスペリエンスをより適切にパーソナライズし、成長、効率性、差別化、革新、さらには新たなビジネスモデルのために新しい機会を活用できる。例えば、以下のような例を想定することができる。

    ● 企業は、トランザクション・データ、コールセンターの対話、ソーシャル・メディア、サードパーティからのフィードなどの多彩な情報源を組み合わせ、分析してインサイトを抽出することで、営業や顧客の維持に影響する適切なコンテンツを取得し、さまざまなチャネルにわたって即座に顧客を理解し、ターゲットを定める必要がある。

    ● 臨床診断アプリケーションにおいて、電子カルテ、薬品情報、研究データ、その他の多彩な構造化/非構造化ソースにわたってアナリティクスを適用することにより、個々の患者に応じた最適な治療計画や事前対応的な症例管理を推奨する。

    ● 非構造化テキスト、位置や状況についての情報、ビデオや音声のコンテンツをトランザクションと関連付ける分析モデルを構築することができれば、保証請求分析、不正検出、フィールド・サービス・アプリケーション、マネー・ロンダリング防止の対応が強化される。

    ● 政治家、保険会社、投資家、疾病管理機関、気象予報機関、国際支援団体は、台頭しつつある注目の話題や動向をより適切に予測し注視できるため、地域的または世界的な問題に対する、より迅速な対処または回避が可能になる。

市場への影響:
新しく、未開拓のデータ源から得られるこれらのインサイトを利用し、それに基づいて行動することの潜在的なビジネス価値は、ビッグ・データをめぐる市場の多大なハイプもあって、既存の情報管理スタック・ベンダーにわたり、データの多様性に対処する新製品の開発を促した。また、多様なデータの関連付け/相関付け/管理/保存/インサイト発見のための、膨大な新しいアプローチの導入にも拍車を掛けた。

Attivio、HP Autonomy、Oracle Endecaなど、コンテンツ・アナリティクスを内蔵する検索ベースのデータ・ディスカバリ・ツールは、構造化/非構造化データを通じた関連付けやインサイト発見のための機能を提供する。ai-one、ThoughtWeb、IBM Watsonなどの生体アルゴリズム・ベンダーは、脳が多様な情報の断片を集計し、関連付ける方法をまねようとするアルゴリズムを実装している。Datameer、Karmasphere、Platforaをはじめとする新興企業が、日々市場へ参入しようとしている。これらの企業は、ベンダー独自のアナリティクス・ツールを使用して、Hadoopやその他のNoSQLデータ・ソースに独占的かつネイティブにアクセスし、探求し、多様なデータ・インサイトを提供すると公言している。新旧の多数のベンダーがテキスト、感情 (センチメント)、ビデオ、音声、ソーシャル・ネットワーク、その他のコンテンツ・アナリティクス向けの機能を提供している。同時に、主流のBI/アナリティクス・プラットフォーム・ベンダー、分析アプリケーション・ベンダー、データ統合ツール・ベンダー、データベース・ベンダー、データ接続性ツールの専門ベンダー (例:Simba) は、こうした新たなユースケースの市場の潜在力やビジネス価値を認識しており、自社独自の機能によって即座に対処した。これらのベンダーは、既存の従来的なデータ・ソースと併せ、Hadoopやその他のNoSQLの各種データ・ソース (例:Hive、Hbase、Cassandra、MongoDB、Google BigQuery) にアクセスし、分析が行えるコンテンツ・アナリティクスを保有していたり、そのために提携していたりするが、加えて、こうした新たなデータ・ソースのアナリティクス向けの直接のクエリのサポートを、企業が既に所有しているツールの一機能として付加しようとしている。2014年までに、構造化/非構造化にわたる多様なデータ・ソースに対するアナリティクスのサポートは、BIやアナリティクスのプラットフォームの80%において主流の機能になる。

Datameer、Karmasphere、Platforaのように、単一データ・ソース (例:Hadoopディストリビューション・プラットフォーム) を基盤とするBI機能を備えて登場したベンダーは、自社がサポートするデータ・ソースの幅を広げ、アナリティクス機能の幅と奥行きを拡充し、機能的な対等性を獲得しない限り、次第に現行BIツールとの競合を困難に感じるようになる。現行BIツールは、成熟したアナリティクスとビジュアライゼーション機能に加え、こうした接続性をプラットフォームの一機能として提供するからである。検索ベースのデータ・ディスカバリ・ツールのように、これらのHadoopベースのデータ・ディスカバリ専門ベンダーは、自社の機能を改良しながら、データ統合や非構造化データのアナリティクス機能について、既存のBI/アナリティクスのプラットフォーム・ベンダーと提携する必要性を次第に認識する (おそらく最終的にはこれらのベンダーに利用されるか、買収される)。また特定の分野や業種向けに、Hadoopベースのアナリティクスおよび相関付けエンジンにかかわる分析アプリケーションを構築する独立系ソフトウェア・ベンダーとのOEMの機会を探る必要もある。

推奨事項:

    ● ビジネス部門のリーダーやアナリストと協力し、アナリティクスの戦略、ロードマップ、計画の一環として、社内の多様なデータを活用する新しい高度な分析ユースケースの価値を評価し、それらを実装する優先順位を決める。

    ● データ多様性の新しい要件をサポートする計画を策定し、データ管理における現行のアーキテクチャ、テクノロジ、プロセスの発展に向けた、新たなアプローチの選択肢を評価する。 

    ● 自社の既存のBIとアナリティクス、データベース、データ統合ツールが提供する接続性やコンテンツ・アナリティクスのオプション、またロードマップについて検証する。これは、Hadoopなどの単一データ・ソースにアクセスする、ベンダー独自のスタンドアロンのBI/アナリティクス・ツールに投資する前に行う。

    ● 特殊なクエリ、特に最も複雑なクエリについて概念実証 (PoC) を実施して、パフォーマンスの妥協点を評価し、またベンダーが提供するHadoop Distributed File Systemへの直接接続オプションと比較した場合の、Hiveの特殊なSQLに対するサポートの限界を確認する。

    関連リサーチ:
    ・ 「Magic Quadrant for Business Intelligence Platforms」
    ・ 「Spotlight on Big Data: Separating Fact From Fiction」

過去の予測
顧客からの要望に応え、今回ガートナーはこれまでの主要な予測を振り返ることにする。ここでは対極に位置する予測を意図的に選択している。すなわち、完全に (またはおおむね) 実現した予測と、実現しなかった予測である。

実現した予測:2010年の予測

2012年までは、企業の80%において、予測分析をめぐるハイプが、利用可能なスキルセットを上回る

この予測 (リサーチノート、APP-10-19、2010年2月25日付「2010年の展望:ビジネス・インテリジェンスとパフォーマンス管理は重要である」参照) は正しいことが判明した。さらにこの動向は少なくとも今後2年間は継続すると予測される。ビッグ・データを利用する、コスト効率の高いテクノロジの登場によって、ベンダーは引き続き、データの待ち時間を抑えつつ情報基盤を拡大するために、予測アナリティクス機能を製品に採用しようとするか、またはほかの製品をバンドルしたパッケージ化を行おうとする。こうして企業は予測機能を採用するようになる。

しかし、これらのテクノロジを最適に配備するためには、ビジネスを理解し、ビジネスの問題を創造的かつ数学的にモデル化できるとともに、データのクレンジングや統合の方法を知り、高度な分析手法を適用でき、また意思決定モデルをビジネス・プロセスに統合し、さらにそうした手法や所見について効果的に経営幹部に説明や報告を行えるスキルセットが必要となる。ガートナーは、こうした職種を「データ・サイエンティスト」と呼んでいるが、採用可能なデータ・サイエンティストの数は少ない。多くの企業が、テクノロジを通じて、利用可能なすべての情報基盤からインサイトを獲得することで競争優位性を高めようとしていることから、データ・サイエンティストのニーズは上昇傾向にある。企業において、こうした人材の優遇や、既存のBIアナリストや統計担当者をデータ・サイエンティストとして教育することが必要になる。Mu Sigma、Opera Solutions、Fractal Analyticsなどのサービス・プロバイダーや大手システム・インテグレーターが、この不足を解消しようとアウトソーシング・ソリューションの提供を急いでいる。クラウドによるアナリティクス・ソーシング・サービスの登場は、市場におけるこうしたスキルセットのニーズをさらに裏付けており、また言うまでもなく、こうしたスキル不足を埋めようと、多数の修士号やデータ・サイエンティスト認定プログラムが日常的に出現している。

実現しなかった予測:2011年の予測

2013年までに、BI導入の15%において、BIソフトウェア、コラボレーション・ソフトウェア、ソーシャル・ソフトウェアが統合されて意思決定環境が形成される

この予測 (リサーチノート、APP-11-15、2011年2月10日付「2011年の展望:新たな関係によってBIとアナリティクスが変化する」参照) は、やや楽観的であった。コラボレーション型意思決定は「Hype Cycle for Business Intelligence, 2012」において、2009年から現在に至るまで、依然として早期段階である「テクノロジの黎明期」のままである。なぜなら、このビジョンを包括的に実現する主要な製品やサービスは市場にまだ存在しないからである。

メガベンダーやピュアプレイ・ベンダーは継続的にコラボレーション型意思決定機能を自社のBI製品/サービスに付加しており、また専門ベンダーもコラボレーション型意思決定製品を提供している。一方で、ごく少数のBIベンダー (SAP、QlikTech、Lyza、Panorama) のみが、分析や共有ワークフローに、統合された一部分として、コラボレーションやソーシャル機能を先んじて提供している。見たところ、大半の場合、BI、コラボレーション・ソフトウェア、ソーシャル・アナリティクスは、社内において個別に実装されている。さらに、文化的な変革が必要とされ、依然として、それが広範な採用にとっての障壁になっている。コラボレーション型意思決定は、今後数年間、ベンダーがこのユースケースのサポートに必要なコンポーネントを統合するに従って、ハイプ・サイクルを上昇し続けるとガートナーは考える。しかし、コラボレーションやソーシャル機能との統合を特徴とするBIの配備の比率は、2011年の予測で述べたほど高くならない。


    推奨リサーチ
    ・ 「The 2012 To-Do List for Business Intelligence Leaders」
    ・ 「Emerging Role of the Data Scientist and the Art of Data Science」
    ・ 「Hype Cycle for Business Intelligence, 2012」

    用語

    バーチャル・アナリティック・アシスタント
    ユーザーが、音声またはテキストのコマンドによって、BIのクエリを発行したり、BIアプリケーションを制御したりできるアプリケーションまたはアプリケーション機能である。本機能は、バーチャル・アシスタント (またはバーチャル・パーソナル・アシスタント) アプリケーションの特殊なタイプである。

    自然言語処理
    自然言語処理 (NLP) とは、顧客が日常的な言語で提示する問い合わせを、言語ツール、検索エンジン、分類エンジン、その他の関連ツールやテクノロジを活用して、より正確に理解しようとすることである。

    (監訳:堀内 秀明)

APP: APP-13-44

※本レポートの無断転載を禁じます。

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