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平成23年8月24日
ガートナー ジャパン株式会社
広報室

ガートナー ジャパン
日本企業のグローバル・ソーシング利用、2011年は大手企業を中心に回復

ガートナー ジャパン株式会社 (所在地:東京都目黒区、代表取締役社長:日高信彦) のリサーチ部門は、2011年7月、日本企業のグローバル・ソーシング利用についての調査結果をまとめました。これによると、日本企業のうち年商1,000億円以上の大企業における2011年のアプリケーション開発のオフショアリング利用率は19.1%で、2010年に比べ3.9ポイント上昇しました (図1参照)。同利用率は、製造および金融におけるITプロジェクトの凍結と、ベンダーの国内センターの稼働重視による影響を受けて、2009年から2010年にかけて大幅に落ち込みましたが、2011年初頭に再び上昇したとガートナーでは分析しています。利用率が回復した主な理由としては、一部のITプロジェクトの再開に伴う技術者需要の増大、中国やインドなどのオフショア・ベンダーの技術力向上が挙げられます。

ロケーション別には、中国の利用が全体の88%と最も高く、次いでインドが12%を占めています (複数選択可)。そのほか、ベトナムやフィリピンなどのロケーションを利用する企業もありますが、比率としてはそれぞれ6%以下にとどまっています。中国においては、これまで人気の高かった大連、北京、上海に加え、西安、済南、天津などの新しいロケーションを利用する傾向が強まっています。これは、中国にオフショア・センターを構える各ベンダーが、物価や人件費の上昇、人材獲得競争の激化を敬遠して、内陸部に拠点を移しているためとガートナーでは分析しています。

2010年までは、日本企業のグローバル・ソーシングといえば、製造や証券、損保など一部の業種の企業が先行して利用する傾向がありました。しかしガートナーの調査によると、これまで利用に慎重であった銀行、流通などの業種でも取り組みが強まっています。また、従来、委託方法も国産ベンダーを経由した間接的なものが主流でしたが、オフショア・ベンダーとの直接取引を希望する日本企業が増えてきています。こうした新しい傾向について、ガートナーでソーシング分野のリサーチを担当する足立 祐子リサーチ・ディレクターは、「中国をはじめとしたアジア地域へのビジネス進出を計画している日本企業が、現地でのパートナーシップも視野に入れたグローバル・ソーシングを模索し始めていることが背景にある」と指摘しています。

また、同アナリストは今後の展望について、次のようにコメントしています。「日本におけるグローバル・ソーシングは大企業での利用率が20%近いレベルに達しているとはいえ、金額べースでは推計でアプリケーション開発/システム・インテグレーション (SI) 市場の4%程度にとどまっています。また、特に新興国のベンダーに目を向けると、これまで日本独特の契約や慣習が阻害要因となり、日本市場への参入に成功しているベンダーはほとんどありません。しかし、実際に日本国内でグローバル・ソーシングを利用している日本企業や、海外でインド系などのベンダーと取引している日系企業の間では、オフショア・ベンダーに対する評価は着実に高まっています。欧米でのグローバル・ソーシングの進展に比べるとスピードは遅いものの、日本においてもグローバル・ソーシングは止められない流れになっており、今後さらに広がると予想しています」。ガートナーでは、こうした潮流を見据えて国産ベンダー、インドや中国などのオフショア・ベンダー、日本企業のそれぞれが、より高品質で効果のあるグローバル・ソーシングの実現を目指して人材育成に投資することを推奨しています。さらに、日本企業のアジア進出に伴い、各ベンダーはシンガポール、マレーシア、フィリピンといった新しいロケーションも含めたグローバル・ソーシングの体制構築を検討すべきであると提言しています。

なお、本リリースに関する詳しい調査内容は、ガートナーITサービス・ジャパン発行の「2011年ITサービス・ユーザー調査:テーマ別動向分析 (PFST-J1-UW-1111)」でご覧いただけます。


1 オフショア・アプリケーション開発の利用率推移



図1

出典:ガートナー (2011年8月)


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