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2017年2月1日

ガートナー速報 - 2016年もSamsungとAppleが世界の半導体消費を牽引

半導体ベンダーは顧客ベースの多様化を進め、変化するエレクトロニクス市場の力学を活用する必要があるとの見解を発表

東京発 - 2017年2月1日 - ガートナーは本日、2016年の主要電子機器メーカーの半導体需要に関する調査結果を発表しました。


Samsung ElectronicsとAppleは2016年に、半導体ベンダーにとって最大の顧客としての地位を堅持し、両社の半導体需要の合計は世界全体の18.2%を占めました (表1参照)。SamsungとAppleの2社を合わせた需要は、2015年に比べて4億ドル増加し、合計で617億ドルに相当する半導体を消費しました。

ガートナーのリサーチ主席アナリスト、山地 正恒は次のように述べています。「SamsungとAppleが半導体消費のトップ企業となるのは、今回で6年連続となります。両社ともに、より幅広い半導体業界の技術および価格のトレンドに、引き続き大きな影響力を及ぼしていますが、今後の成長への期待が薄くなっていることから両社のインパクトは小さくなってきています」 

Samsungは、2016年を通じてスマートフォンや液晶テレビ、液晶パネルなどの多様な市場で中国の電子機器メーカーとの激しい競争を経験しましたが、同社の半導体消費 (注:デザインTAM [Total Available Market] 分析に基づく) は増加し、2016年はシェア9.3%で、半導体消費企業の世界トップの座に返り咲きました。Appleの2016年の半導体消費は、ガートナーがデザインTAMのリサーチを開始した2007年以来初めて減少し、8.8%のシェアにとどまりました。Appleは2016年のiPadの販売が振るわず、PC市場におけるシェアも失っています。

2015年の上位10社中9社は、2016年も上位10社に残りました。上位10社のランクから外れたのはCisco Systemsで、同社に代わり、2016年に急成長した中国のスマートフォン・メーカーであるBBK Electronicsがランクインしました。上位10社の国別の内訳は、4社が米国企業、3社が中国企業、2社が韓国企業、1社が日本企業となっています。上位10社に中国企業が3社ランクインしたのは初めてです。これは、中国のマクロ経済環境は減速しているものの、中国エレクトロニクス市場の重要性が高まっていることを証明しています。

「最も有力な電子機器メーカー上位2社の半導体業界に対する影響力が弱まりつつあるとはいえ、上位10社を合わせた2016年の半導体消費は、半導体市場全体の平均成長率を上回っています。ただし、市場シェアの変化が大幅に加速している昨今、半導体ベンダーはもはや数社の有力な顧客に頼ってビジネスを確保することはできません。2016年、BBK Electronicsは急成長を遂げて半導体消費も増加しましたが、その異常な急成長ぶりは、中国のビジネスがいかに変化しやすいかということを如実に物語っています。半導体ベンダー各社のハイテク製品マーケティング・リーダーは、自社の大手顧客のリスクを考慮するとともに、顧客ベースの多様化を常に図るよう努める必要があります」と山地は述べています。 

ガートナー・サービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「Market Insight: Top 10 Semiconductor Chip Buyers, Worldwide, 2016 (Preliminary)」で詳細をご覧いただけます。

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