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2017年5月23日

ガートナー、データとアナリティクスの「欠乏」を「潤沢」に変える手法を解説

本日より開催の『ガートナー データ&アナリティクス サミット 2017』(5月23~24日、東京コンファレンスセンター・品川) において、知見を提供

ガートナー ジャパン株式会社 (所在地:東京都港区、代表取締役社長:日高 信彦) は、本日より開催される 『ガートナー データ&アナリティクス サミット 2017』の基調講演において、アナリティクスのリーダーシップの在り方について解説しました。

歴史は、サイエンスとテクノロジによって「欠乏」を「潤沢」へと変えてきた例であふれています。私たちは電気や電話、ラジオ、その他数多くのテクノロジが急速に普及していく様子を目にしてきました。これにより、ほとんどの人にとって経済的に豊かな世界がつくり出されてきました。

データおよびアナリティクスについても同じことが言えます。ほとんどの場合、データは潤沢にあるように見えます。しかし、これらのデータの信頼性ならびにこれらがもたらす価値と知見は欠乏しています。

本日、『ガートナー データ&アナリティクス サミット』の開会に当たり、ガートナー リサーチ部門バイス プレジデント 兼 ガートナーフェローのジェイミー・ポプキン (Jamie Popkin) とリサーチ部門 バイス プレジデントのカート・シュレーゲル (Kurt Schlegel) は、データおよびアナリティクスを担当するITリーダーやビジネス・リーダーの来場者に向けて、「このような状況を打開するために、データ中心型の組織を構築することに集中し、主要なトレンドおよび新たに出現するテクノロジを利用して、革新的なビジネスモデルの先駆けとなる成果を促進すべきです」と語りました。

ポプキンは次のように述べています。「データ/アナリティクス・アプリケーションが組織に幅広く浸透し、あらゆるビジネス・プロセスや意思決定で利用されている世界を想像することは難しいことではありません。しかし、これを現実のものにするためには、社内のあらゆる場所において、同僚たちがそれぞれの職務でデータを快適に活用できるように手助けをする必要があります」

ポプキンとシュレーゲルは、データおよびアナリティクスが潤沢な環境へ到達するための3つのステップを提示しました。

ステップ1:リーダーシップの再考 

企業は、まずデータ・オフィスの創設とともに最高データ責任者 (CDO: Chief Data Officer) の任命を検討するところから始めるべきです。先頃ガートナーがCDOを対象に実施した調査では、CDOが全社規模で担う主な責任はアナリティクス・イニシアティブの監督とデータ・ガバナンスの保持であり、これに次いで、自社のアナリティクス戦略の策定および情報の信頼性と価値の確保、すなわち情報ガバナンスの責任が続く結果となりました。

シュレーゲルは次のように述べています。「CDOという役割が増加していることは、データ駆動型のデジタル・ビジネスに対する明確なリーダーシップならびに、データ資産の価値を守ることへのニーズの高まりを反映したものです。ただし、CDOの役割は管理することよりも影響力をもたらすことであり、分散化した各部門が組織的な戦略の中でより大きな役割を果たせるよう支援することです」 

ステップ2:テクノロジの刷新

潤沢なアナリティクスを実現する上で、リーダーシップの次に重要なポイントとなるのが、利用可能なデータの規模と多様性への対処です。従来のデータ管理インフラストラクチャによるアプローチ (データウェアハウスやバッチ・データ・フロー、リレーショナル・データベースなど) だけでは、デジタル・ビジネスのさまざまな要件に対応しきれません。企業は、リアルタイムのデータ統合とアクセス・ニーズを満たすことができるデータ仮想化などのアーキテクチャとテクノロジを早急に採用しなければなりません。また、デジタル・ビジネスの要件を満たすデータ管理インフラストラクチャを実現するには、データを収集することに加えてデータに接続するという見方も必要です。データの収集・保持によって、ミッション・クリティカルなプロセスの信頼性を確保することができ、データへの接続によって、リアルタイム要件をサポートし、大規模環境と分散環境を取り扱い、俊敏な実験をサポートすることが可能になります。

ステップ3:ビジネスへの貢献度の最大化

ビジネスへの貢献度を最大化するとともに潤沢なコンピューティング・パワーと分析のノウハウを活用するための1つの鍵となるのが、データ・ガバナンスをビジネス・イネーブラへと変革することです。データ・ガバナンスは、一元化されたトップダウンの専断的なものから、コラボレーティブかつ俊敏で、柔軟かつビジネス駆動型のものへと変化する必要があります。同時に、データ/アナリティクス・リーダーは、マスタ・データ管理 (MDM) およびデータ品質イニシアティブのデータに対して、一貫性があり信頼できる共有ビューを実現しなければなりません。

ポプキンは次のように述べています。「ほとんどの企業はこれらの課題のいくつかに向き合うようになっていますが、データ/アナリティクス・リーダーは認知度をさらに高める必要があります。データ・ガバナンスの意思決定と責任は、社内でデータが生成され消費される現場により近いところになければなりません。これは、ブロックチェーンのような相互の信頼に基づくテクノロジの背景にあるアイデアの一部を成すものです。これにより、データ利用の際に責任と権限が与えられる一方で、一元化した単一の真実のソースに依存する必要性がなくなります」

コンテキスト駆動型のポリシーの徹底と、権限および責任の分散化を適切に実行する必要があります。これは、企業のリーダー層が検討し得るあらゆるユースケースをサポートするデータについて、信頼できる高価値な基盤を提供する上で不可欠です。

ガートナーは5月23~24日、『ガートナー データ&アナリティクス サミット 2017』を開催しています。本サミットでは、データおよびアナリティクスにおいてリーダーシップを取るために必要なトレンドに関して、ガートナーの国内外のアナリストがさまざまな知見を提供いたします。 本サミットの詳細については下記Webサイトをご覧ください。
http://www.gartner.co.jp/event/data/ 

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