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2018年5月28日

ガートナー、CDOはビジネス価値を創出し、デジタル・トランスフォーメーションを実現させる役割であるとの見解を発表

2021年までに、テクノロジに関連するあらゆる経営幹部の中で、CDOは最も多様性の高い役職に

米国コネチカット州スタンフォード発 - 2017年12月6日 - 企業における最高データ責任者 (CDO) の重要性が増す中、先頃ガートナーが実施したサーベイにおいて、データとアナリティクスのリーダーであるCDOはデジタル・トランスフォーメーションの要となっていることが明らかになりました。

2017年7~9月にかけて、ガートナーは世界各国のCDO、最高アナリティクス責任者 (CAO)、その他のデータとアナリティクスの上級リーダー287人を対象に、第3回目となるガートナー CDOサーベイを実施しました。

ガートナーのリサーチ ディレクター、バレリー・ローガン (Valerie Logan) は次のように述べています。

「CDOが登場した当初、彼らはデータ・ガバナンス、データ品質、各種の規制に注力していましたが、今日のCDOは目に見えるビジネス価値を提供するとともに、データ主導の企業文化を実現しています。このような焦点のシフトに伴って、今回のサーベイではCEOやCOO、CFO、社長/オーナー、役員会/株主といった企業トップに直属するCDOが、そうでないCDOを初めて上回り、過半数に達しました。2021年までに、大企業の75%で、CDOオフィスはITやオペレーション、人事、財務に匹敵するミッション・クリティカルな部署になるでしょう」

今回のサーベイからは、CDOやCDOオフィスに相当する責任者や組織を、社内に必要とする機運が世界的に高まっていることが明らかになっています。正式なCDOの役職に就いているとした回答者は全体の過半数に上り、2016年の50%から着実に増加して2017年には57%となっています。CDOオフィスを設置している企業の割合も2016年の23% (正式な組織として設置) から増加し、2017年は47% (公式/非公式の両方) となっています。

ガートナーのリサーチ ディレクター、マイケル・モラン (Michael Moran) は次のように述べています。

「CDOオフィスが着実に成熟しつつあることは、CDOの役割が幅広く理解され、受け入れられるようになっていると同時に、CDOがもたらすインパクトと価値が認識されている現状を明示しています。CDOの責任が重くなり、使える予算が増え、経営幹部として積極的なエンゲージメントをするようになっているのは、企業にとってCDOの果たす役割の重要性がますます高まっていることの証です」

本サーベイの結果では、CDOオフィスの平均予算は800万ドルであり、2016年の650万ドルから23%増え、右肩上がりで推移しています。同予算が2,000万ドルを超える企業は全体の15%に上り、2016年の7%から大幅に増加しています。このような成長をより如実に示しているのがCDOオフィスの規模です。2016年のCDOサーベイにおいて、フルタイムのスタッフ総数は平均38人でしたが (直属のスタッフと間接的なスタッフの区別はなし)、本サーベイでは平均54人と、規模の拡大が見て取れます。このことは、CDOオフィスがさまざまな部署の連携から成り立つ組織であるという特性を表しています。

「守り」から「攻め」へ - デジタル・トランスフォーメーションを促進するCDOの変化

CDOの成功を測る重要な基準として、回答者の3分の1以上が「収益の増加」を挙げており、価値の創出がリスクの軽減を上回るという傾向が明確になりつつあります。本サーベイでは、CDOが時間をどのように使っているかという点についても尋ねています。その結果CDOは、平均45%の時間を価値の創出か収益の生成 (またはその両方) に、28%をコストの節減と効率の改善に、27%をリスクの軽減に充てていました。

ガートナーのマネージング バイス プレジデント、マリオ・ファリア (Mario Faria) は次のように述べています。

「CDOおよびすべてのデータとアナリティクスのリーダーは、データ・ガバナンスとアナリティクスの原則を、責任を持ってデジタルの課題に適用しなければなりません。彼ら彼女らには、これを実行する権利、そして義務があります」

単なるデータ・ガバナンスを超えるCDOの責任範囲

本サーベイでは、CDOが重点を置いている対象がデータだけではないことも示されています。CDOが責任を担う対象は、データ管理、アナリティクス、データ・サイエンス、倫理、デジタル・トランスフォーメーションと多岐にわたります。また、予想を上回る数の回答者が、損益に対する責任も負っているとしています (36%)。前出のローガンは、次のように述べています。「CDOの責任範囲が多岐にわたっているという調査結果には、社内の至る所に広がっていくデータとアナリティクスの本来的な特性、その重要性の高まり、またCDOの役割と責務の成熟が反映されています」

本サーベイにおいて、CDOの最も大きな責任は「自社のデータおよびアナリティクス戦略の策定」にあるとした回答者は、2016年の64%から86%に増加しています。デジタル・ビジネスという文脈を背景にデータと知見への依存が進む中、データおよびアナリティクス戦略の策定や刷新に対する必要性が高まっていることが、この結果に表れています。

データ主導への変革の推進に大きな影響力を持つCDO

今回の調査結果からは、CDOが自社の変革を推進するためにどのような活動を展開しているのかという点について、知見を得ることができます。2016年のサーベイと比較した場合、いくつかの分野におけるCDOの責任範囲に関し、特筆すべき変化が見られます。

  • デジタル・アドバイザーとしての役割:回答者の71%が、新たに出現しているデジタル・ビジネスの「旗振り役」として、デジタル・ビジネスに対する自社のビジョンの策定を支援しています。

  • 社外の客観的な視点をもたらすとともに調整役として機能:回答者の60%が、自社のビジネス戦略へのインプットとして社外の機会と脅威を評価しており、同75%が、自社のエコシステム全体を通じた外部との関係構築と維持に努めています。

  • 競争力強化のためのデータの活用:回答者の77%が、新たな手段で競争するために、データとアナリティクスの新しいソリューションを開発しています。


CDOは多様化し、社内の幅広い課題に対処しなければならない

ガートナーは、2021年までに、テクノロジに関連するあらゆる経営幹部の中で、CDO職は多様性が最も高くなると予測しており、今回の調査結果にはこれが反映されています。本サーベイで性別を記載した回答者に女性が占める割合は19%でしたが、大規模企業ではその割合がさらに高く、全世界での売上が10億ドルを超える企業では25%となっています。これは、2018年ガートナーCIOアジェンダ・サーベイで女性CIOの割合が13%であったのとは対照的です。また、CDOの年齢を見ると、回答者の29%が40歳以下でした。

本サーベイの回答者は、CDOは常に社内の課題に直面していると述べ、CDOオフィスにとって最大の障壁は「変化を受け入れようとしない企業文化」であるとしています。これに次ぐ課題として挙げられた「データ・リテラシの低さ」は、データ、アナリティクス、ビジネス成果について、全部門が共通の言葉を用い、円滑に活用できる環境を確立することがCDOの優先項目の1つだという事実を示すものです。また、他の経営幹部との連携について尋ねたところ、CIOおよびCTO (最高技術責任者) との関係が最も緊密であるとの回答が得られました。その次に緊密なものとして、経営幹部層全体にわたる、広範かつ健全で前向きな関係が挙げられています。

ガートナーは来る6月14~15日、『ガートナー データ&アナリティクス サミット 2018』を開催します。本サミットでは、前出のファリアのほか国内外のアナリストが、信頼のおけるデータ、頼れるアナリティクス、それらから得た知見に基づく大胆な意思決定によって、企業の未来を切り開くためのさまざまなコンテンツを提供いたします。

本サミットの詳細については下記Webサイトをご覧ください。
http://www.gartner.co.jp/event/data/

【海外発プレスリリース】
本資料は、ガートナーが海外で発表したプレスリリースを一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めガートナーが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/en/newsroom/

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