クラウド・コンピューティングとは?特性やできること、課題をわかりやすく解説

クラウドは今や、単なるITインフラを超えて、企業の競争力を左右する「戦略資産」です。本ガイドでは、クラウド・コンピューティングの定義から、その特性、できること、課題、サービスの種類、そして今後の展望までを、わかりやすく丁寧に解説します。クラウド導入を検討している方、最新動向を押さえたい方に必読の内容です。

2025年6月9日更新

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クラウド・コンピューティングとは何か?

ガートナーでは、クラウド・コンピューティングを「スケーラブルかつ弾力性のあるITによる能力を、インターネット技術を利用し、サービスとして企業外もしくは企業内の顧客に提供するコンピューティング・スタイル」と定義しています。

  • スケーラブルで弾力性のあるIT:事業の成長や繁閑に応じて柔軟に拡張・縮小でき、障害発生時にも迅速に復旧できるインフラを意味します。これにより、ITリソースを安定的かつ効率的に活用できます。
  • インターネット技術を活用:クラウドのサービスは、社内外問わずどこからでもインターネット経由で利用可能であり、リモートワークやグローバル展開にも柔軟に対応できます。
  • サービスとしての提供(As-a-Service):企業は自社でサーバーやソフトウェアを保有・運用する必要がなく、必要なときに必要な分だけ利用・課金することで、初期投資や保守コストを抑えられます。

このように、クラウド・コンピューティングは「IT資源の効率的な調達・運用を可能にする新たなビジネス・インフラ」であり、企業の迅速な意思決定や競争力強化に直結するテクノロジです。

クラウド・コンピューティングの特性について

特性1: スケーラビリティと弾力性

クラウドは「スケーラブルかつ弾力性のあるITによる能力」をインターネット技術を通じて提供し、急激なワークロードの変化にも柔軟に対応できる点が特徴です。

特性2: サービスとしての提供

ITリソースやサービスを、必要な時に必要な分だけ、インターネットを介して企業内外にサービスとして提供します。

特性3: モジュール性と従量課金

必要な機能やリソースのみを利用でき、実際の利用量に応じて対価を支払う仕組み(従量課金)が特徴です。

特性4: 統合されたビューと管理

クラウド環境全体にわたる一貫した管理と可視化が可能です。

特性5: クラウド・ネイティブなアーキテクチャ

アプリケーションをクラウドに最適化し、コンテナやサーバレスなどのクラウド・ネイティブ技術を活用することで、俊敏性や自動化、コスト最適化が向上します。

特性6: 多様なサービス部品の集合体

サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、セキュリティ、AI、IoT、量子コンピュータなど、多様なサービスが統合されて提供されます。

特性7: デジタル変革(DX)の基盤

クラウドは単なる技術的な進化ではなく、デジタルを前提とする新しい産業やビジネスモデルを支える基盤として不可欠な存在です。

クラウド・コンピューティングで何ができるのか?

クラウド・コンピューティングを通じて、企業は「ビジネス成果の加速」や「デジタル時代の競争力強化」の実現が可能となります。具体的には、次のようなビジネス価値や成果の実現が想定されます。

  • レジリエンス、俊敏性の向上
    クラウド戦略を最適化することで、市場や顧客の変化に迅速かつ柔軟に対応し、ビジネスのスピードと回復力を高められます。

  • イノベーションの推進
    クラウドはビジネス課題の解決や新たな価値創出の基盤となり、AIや機械学習など最新技術の活用も容易にします。

  • コスト効率化と生産性向上
    従量課金やモジュール性により、無駄な投資を抑えつつ、必要なリソースを効率的に利用できます。

  • ガバナンスとセキュリティの強化
    クラウド環境全体を一貫して管理・可視化し、柔軟なガバナンスやセキュリティ対策を実現できます。

  • 業界特化型価値の創出
    業界クラウドプラットフォーム(ICP)など、特定業界のニーズに合わせたソリューションを活用し、競争優位性を高められます。

クラウド・コンピューティングにおける課題とは?

  • コスト管理の難しさ
    クラウドの利用コストは予期せず急増する場合があり、コスト超過やコントロール不能に陥るリスクがあります。コスト急増は投資収益率(ROI)悪化やプロジェクト中断、予算調整の必要にもつながります。

  • ベンダーロックインのリスク
    特定のクラウド・プロバイダーに依存しすぎると、他社のサービスへの移行が困難かつ高コストになる「ロックイン」が発生します。特に大手クラウド事業者を利用し続けるケースでのリスクが該当します。

  • コントロールの制約
    クラウドにシステムを載せると、自社で完全にコントロールできなくなり、例えばデータベースの設定や運用管理面で制約が生じることがあります。

  • サービスの継続性や依存リスク
    クラウド・サービスは事業者が提供するものであり、サービス終了や障害発生時に自社で対応できない場合があります。

  • カスタマイズや既存システム連携の制限
    クラウド・サービスは標準化された枠組みの中で提供されるため、自社独自のカスタマイズや既存システムとの連携が難しい場合があります。

クラウド・コンピューティングとクラウド・サービスの主な種類とは?

クラウド・コンピューティングは、企業のITインフラをより柔軟かつ効率的に運用するための基盤技術です。従来、多くのアプリケーションは自社内(オンプレミス)で運用されてきましたが、現在は外部のクラウド基盤を活用するケースが多く、クラウドは「ITのアウトソーシング」として戦略的な選択肢となっています。

クラウド導入にあたっては、どの業務をどのクラウド環境に移行するかを、セキュリティ、コスト、可用性などの観点から見極めることが重要です。

主なクラウドの種類

  • プライベート・クラウド
    自社専用のクラウド環境。セキュリティや規制対応の厳しい業務に適していますが、構築・運用のコストが高くなりがちです。

  • パブリック・クラウド
    AmazonやMicrosoftなどの事業者が提供する共有型クラウド。コストや柔軟性の面で優れ、現在多くの企業が利用を拡大しています。

  • ハイブリッド・クラウド
    パブリックとプライベートを組み合わせて運用。業務内容やセキュリティ要件に応じて適切な環境を使い分けられます。

  • マルチクラウド
    複数のクラウド・ベンダーを併用し、特定の業務を適したサービスに分散。リスク分散や機能最適化が図れます。

  • 分散クラウド
    複数の物理拠点にまたがってサービスを提供するモデル。クラウドの利便性と、地理的要件やレイテンシ対策を両立します。

  • インダストリ・クラウド
    業種別に最適化されたクラウドで、金融、製造、医療などに特化した業務機能を提供。迅速な業務展開や差別化に貢献します。

  • ソブリン・クラウド
    データ・レジデンシ要件とクラウド運営の自律性を満たした管轄区域内で提供されるクラウド。データとインフラを外部の司法権による支配から解放し、外国政府によるアクセス (ガバメント・アクセス) から保護することが目的です。

主なクラウド・サービスの分類

  • IaaS(Infrastructure as a Service):サービスとしてのインフラストラクチャ
    サーバーやストレージなどのインフラ基盤を必要なときに利用できるモデル。物理設備を持たずにスケーラブルな運用が可能です。

    Amazon、Microsoft、Alibaba、Google、Huaweiといった主要プロバイダーは、「ハイパースケーラー」と呼ばれ、数千台の物理サーバと数百万台の仮想マシンにインフラストラクチャを分散させることで、需要に応じてより俊敏にサービスを増減できます。

    その一方で、市場で支配的な立場にあるため、クラウドの停止、重要インフラストラクチャにおける役割、影響力に対する社会的な懸念といったリスクを生む可能性があります。

  • PaaS(Platform as a Service):サービスとしてのプラットフォーム
    アプリケーション開発に必要な環境を一括で提供。開発効率を大幅に向上させるモデルで、保守・管理の負担を軽減できます。

    一般的な例としては、Google App EngineやAWS Elastic Beanstalkなどがあります。

  • SaaS(Software as a Service):サービスとしてのソフトウェア
    クラウド上で提供されるソフトウェアを利用するモデル。CRM、ERP、グループウェアなど、業務ごとに最適なサービスを導入可能です。サブスクリプション形式でサブスクリプション・ベースで、SaaSプロバイダーがホストするクラウド・サービスをリースで提供します。

多様なクラウド環境とサービスの選択肢が広がる中、自社のビジネス目標やリスク許容度に応じて、最適なクラウド運用モデルと信頼できるパートナーの選定が、今後の成長戦略における重要な鍵となります。

クラウドは単なるITインフラではなく、経営の俊敏性と競争力を支える戦略資産として位置づける必要があります。

クラウド戦略における重要なポイント

クラウド・コンピューティングを採用する前に、包括的なクラウド戦略を策定しておくことが最善だと言えますが、実際のところ、多くの組織がクラウドに関する経験を積んだ後で、クラウド戦略の策定に取りかかっています。ただし、できるだけ早い段階でクラウド戦略を確立すれば、より多くの問題を回避できる可能性が高まります。

クラウド戦略は、スピード、レジリエンス、俊敏性といったビジネス成果を実現できるように最適化されるべきです。また、クラウド戦略をうまく進めるためには、データ、セキュリティ、ガバナンス、アーキテクチャに関する戦略との整合性も見ていく必要があります。

次にクラウド戦略策定のために重要なポイントを取り上げます。

1. スピードとビジネス価値向上につながるクラウド戦略を策定する

まず、以下の企業ビジネス戦略の優先課題について、クラウド戦略でどのように対応できるかを検討します。

  1. 戦略とイノベーション:クラウド・サービスは、ビジネス課題の解決やイノベーションの推進にどのように役立つのか

  2. ガバナンスとセキュリティ:クラウドは、実装に関するさまざまな要件やリスク・プロファイルに対応が可能であり、柔軟で適応性のあるガバナンスの枠組みを実現できるか

  3. 結集と移行:クラウドは、デジタル変革(DX)などの企業の取り組みをどのように支援できるか

2. レジリエンスをアプリケーション・アーキテクチャに組み込む

クラウドのモデル、アーキテクチャ、サービス・プロバイダーは、運用モデルを構成する重要な要素であり、現在および将来のクラウド戦略をサポートできるという観点から選定する必要があります。クラウド戦略の一環として、能力、信頼性、俊敏性、自動化、効率、コスト最適化に関して、どのような主要な成果を期待できるかを検討します。「クラウド・コンピューティングとクラウド・サービスの主な種類とは?」の章を参照。

3. クラウドに関するスキルと人材を育成する

クラウド戦略は、その戦略を実行し進化させる準備ができているかどうかを見直すプロセスが必要です。例えば、クラウドのセンター・オブ・エクセレンスを率いるチーフ・クラウド・アーキテクトが必要かどうかを検討する必要もあるでしょう。パブリック・クラウドに移行する場合は、必要に応じて新しい人材の採用や現在の従業員のスキルアップを推進することで、クラウドに関するスキル不足を解消するようにします。

クラウド・コンピューティングの進化

クラウドへの本格的な移行が加速する中、クラウド関連分野はIT市場で最も急成長を遂げています。企業は、日常的な業務の遂行、デジタル基盤の構築、ITのモダナイゼーション(近代化)、そしてデジタル変革によるビジネス成果の実現にクラウドを活用しています。多くの先進的な企業が、クラウドを前提とした運用モデルを標準スタイルとして採用し始めています。

クラウドの価値を最大限に引き出すために、多くの企業は「クラウド・ネイティブ」なアプリケーション、アーキテクチャ、運用モデルへの投資を強化しています。こうした考え方は、IT刷新やクラウド戦略の意思決定にも大きな影響を与えています。クラウドは、IT運用管理、セキュリティ、ネットワークといった分野だけでなく、調達や購買といったビジネス部門にも広がりを見せており、クラウド・マーケットプレイスは今や一般的な調達チャネルのひとつです。

さらに、AI、IoT(モノのインターネット)、5Gを活用したテレコム・クラウド、エッジ・コンピューティングなど、クラウドを基盤とした先進テクノロジの導入も加速しています。クラウド経由で提供される量子コンピューティングなど、プロバイダー側のイノベーションも、企業の成長戦略を後押ししています。

クラウド・コンピューティングは成熟した技術であると同時に、信頼性の高いIT基盤としてその価値を確立しています。そして今や、すべてのビジネスに必要不可欠なイノベーションの土台となっています。

今後数年のうちに、競争力を維持したいと考えるすべての企業にとって、クラウドは不可欠な存在となります。ビジネス成果の成否は、クラウド・コンピューティング戦略をいかに実行できるかにかかっています。

クラウド・コンピューティングの未来を見据え、将来的な課題を乗り越える

クラウドは、もはや単なるIT基盤ではなく、テクノロジ革新の中核に位置づけられています。とりわけ生成AIの登場により、インフラおよび運用(I&O)リーダーは、クラウドの持つ可能性を最大限に活用しようとしています。しかし、メリットの裏には、次に挙げる複雑な課題も存在します。

1. 生成AIとクラウドの関係性

クラウド、特にパブリック・クラウドは、生成AIの本格展開を支える最適な基盤です。大規模な計算リソースと共有サービスモデルにより、生成AIを活用したアプリケーションや汎用的な基盤モデル(ファウンデーションモデル)の構築が現実的になっています。

ただし、技術的な実装だけでは不十分であり、データの取り扱いや規制対応といった非技術的課題にも向き合う必要があります。

2. データ・レジデンシと規制対応

生成AIの中核を成すファウンデーションモデルや大規模言語モデルは、飛躍的な技術進化をもたらしていますが、その裏でデータの所在、保護、規制遵守のコストが増大しています。

  • データの所在を国・地域ごとに管理する「データ・ソブリンティ(主権)」対応が重要
  • ランサムウェア検知、脆弱性管理、データ保護の強化が不可欠

3. SaaSとコンポーザビリティの進化

AIツールは、ビジネスの意思決定とデジタル体験を直接つなぐ役割を担います。

クラウドのスケーラビリティと柔軟性、そしてコンポーザブル(部品化された)なアプリケーション構造との相性により、より俊敏なビジネス展開が可能になります。

今後は、AIによって生成されたSaaSアプリケーションが、事前構築された部品の組み合わせ(モジュール型)として提供される時代が到来します。すでに主要なプラットフォーム・ベンダーは、生成AIによるコード生成機能をエンタープライズ開発者に提供しています。

4. GreenOpsと持続可能性への対応

投資家・顧客・規制当局・政府からの要請により、企業にはIT領域におけるカーボン排出の最適化が求められています。

  • クラウド・ワークロードにおけるエネルギー使用量と排出量を可視化・最適化するためのプロセスとツールが必要

  • 今後は「環境負荷の低さ」や「デジタル主権の確保」が、クラウド選定の基準として加わっていきます

5. デジタル主権と地域最適型クラウドの台頭

クラウド運用を多拠点・多用途に展開する企業にとっては、どこにデータを保管し、どこで処理するかをコントロールできることが不可欠です。

そのために、以下のような専門性の高いクラウド・サービスの採用が進んでいます:

  • 地域特化型クラウドやエッジ環境向けクラウド

  • 非x86環境やAI/ML特化型プラットフォーム

  • 開発者向けの専用機能を持つプロバイダー

これらは、データの所在、セキュリティ、プライバシー、規制要件への対応が主な導入への動機となります。

6. クラウド・コストの管理とビジネス価値の整合

パブリック・クラウドの利用コストは、企業IT予算の中でも大きな割合を占めるようになっており、今後ますます厳しい監視の対象となるでしょう。クラウドの価値を最大化するには、新たなコスト管理アプローチへの移行が不可欠です。

  • クラウドにかかるコストと、そこから得られるビジネス価値の整合性が、クラウド投資成功の鍵となります

  • 従来の「容量ベース」の財務管理モデルは、消費ベースで課金されるクラウド環境には適しません

自社に合ったクラウド運用モデルを確立する

SaaSアプリケーションの導入や一部ワークロードのIaaS/PaaS移行など、クラウドを断片的・場当たり的に導入してしまった場合、初期段階では管理可能に見えても、このような非体系的な導入は、次第に以下のような問題を引き起こします:

  • 拡張性に乏しい(スケールしない)

  • 統制が取れず、ガバナンス不全を招く

  • 全体最適が難しく、コストが肥大化する

このような課題を回避するために、クラウド導入前、あるいは早期の段階で「クラウド運用モデル」を構築することが重要です。

クラウド運用モデルとは、組織構造、プロセス、能力、関係性を整備し、クラウド活用を全社的に支える枠組みです。すべての企業に当てはまる「正解」はなく、自社のニーズや成長段階に応じてモデルは進化させていくことが前提となります。

クラウド運用モデル構築の5つのステップ

1. クラウド運用におけるアドバイザリ体制の整備

  • クラウド・センター・オブ・エクセレンス(CCOE)を設置し、クラウド活用全体を統括

  • 大企業の場合は、経営層によるクラウド戦略委員会の設置も検討

2. クラウド運用の優先事項整理とクラウド戦略の明確化

  • まだクラウド戦略が定まっていない場合は、CCOEと連携して基本方針を策定

  • 既に戦略がある場合は、現行のビジネス優先順位と整合性を確認

3. クラウド運用モデルの中核構築

  • 現在の運用体制と将来的な姿を描き、その間をどうつなぐかの道筋を明確にする

  • CCOEやクラウド・エンタープライズ・アーキテクチャ部門がモデルの中核を担う

4. クラウド・デリバリ機能の整備

  • 適切なクラウド運用手法を選定し、実行に着手

  • セキュリティ機能も同時に組み込み、業務部門の自律性とリスク管理のバランスを取る

5. クラウド運用における関連部門との連携

  • ITチームと、調達・財務・ベンダーマネジメント部門などを有機的に連携させる

  • 部門横断での知見共有を促す「クラウド実践コミュニティ」を形成し、組織全体のクラウド成熟度を高める

ガートナーは、お客様のクラウド戦略をご支援します

クラウド・コンピューティングは、単なるITコストではなく、ビジネス変革を支える戦略的資産です。
これからのクラウド戦略では、生成AI、サステナビリティ、データ主権、コスト最適化といった複雑な要素をバランス良く取り入れることが、企業の競争力と成長に直結します。

ガートナーは、年間50万以上の世界中の顧客との対話から得られた知見、および最新のリサーチに基づき、以下のような包括的な支援をご提供しています:

戦略立案の伴走支援

  • 経営戦略と整合するクラウド戦略ビジョンの策定

  • クラウド導入や移行に関する成熟度評価とロードマップ作成

  • 生成AIやインダストリ・クラウドなど新技術を取り込んだ未来志向の構想支

クラウド運用モデルと組織設計

  • Cloud Center of Excellence(CCOE)の設計とガバナンスモデルの構築支援

  • 業務部門・調達・セキュリティとの連携を前提とした運用体制の最適化

ベンダー選定・コスト最適化のガイダンス

  • クラウド・サービスプロバイダーの評価・比較
  • IaaS、SaaS、PaaSごとのコストと価値の整合性評価
  • GreenOpsやFinOpsを活用した継続的なコスト最適化

実行フェーズの意思決定支援

  • ベストプラクティスに基づくリスク管理、セキュリティ、オペレーション改善

  • 他社事例とのベンチマークや、アクションプランの策定支援

  • 経営層向けの意思決定資料・提案の作成支援(例:取締役会報告)

クラウド・コンピューティングについての関連リサーチ

2025年の展望:クラウドとAIの「スーパーパワー化」に備える

著者:亦賀 忠明, 青山 浩子

クラウドは「AI入りクラウド」となり、年間数兆円が投入されるハイパーAIスパコン、すなわち新たなスーパーパワーになります。このメガトレンドは、スーパーパワーを武器として使うユーザーとそうでないユーザーに圧倒的な競争上の差異をもたらし、企業や国の存亡を大きく左右するため、ITリーダーは経営者と共に今すぐ準備を開始すべきです。

「常態化」するソフトウェア/クラウド・サービスの値上げに日本企業が対抗するには

著者:弓 浩一郎

ソフトウェアやクラウド・サービスの値上げが続いています。ソーシング/調達/ベンダー管理のリーダーは、値上げを前提にして、日頃からその軽減や回避に向けた準備や対策を怠らない「常在戦場」の方針を取るべきです。

ビジネス部門によるクラウド調達のリスクとその処方箋

著者:土屋 隆一, 礒田 優一

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監訳:山本 琢磨/オリジナル・レポート:G00797768

企業におけるクラウドの利用が拡大するにつれて、リソースを監視および管理する能力が追い付かなくなる場合が多くなっています。本リサーチノートは、クラウドのコストをコントロールして消費を最適化するクラウド財務管理プラクティスの一環として、I&OリーダーがFinOpsに向けた企業の準備態勢を整えられるよう支援するものです。

クラウド移行コストの罠に注意

監訳:山本 琢磨/オリジナル・レポート:G00818020

クラウド・インフラストラクチャへの大規模移行を完了させたものの、新たなTCOが予想外に高いということがしばしばあります。本リサーチノートでは、技術面だけでなく財務面でもクラウドへの移行を確実に成功させる方法と、コスト削減という名目に隠れた罠を回避する方法を、インフラストラクチャ/オペレーションのリーダーに示します。

※Gartner のサービスをご利用のお客様は、上記レポートの詳細をご覧いただけます。契約されているサービスにより閲覧いただけないドキュメントもございますので、ご了承ください。

ITインフラストラクチャ、オペレーション & クラウド戦略コンファレンス

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