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2020年2月3日

ガートナー、8割以上の企業がアプリケーション開発の現場において人員/スキルが不足しているとの調査結果を発表

企業のITリーダーは、アプリケーション刷新の目的を見極め、人材の確保・育成に積極的に取り組むべき

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下ガートナー) は、エンタプライズ・アプリケーション開発において8割以上の企業が人員/スキルの不足に直面しているという調査結果を発表しました。

絶え間ない変革の時代において、デジタル・テクノロジによるビジネスモデルの変革、すなわちデジタル・ビジネス・トランスフォーメーションを進めることが、企業にとって喫緊の課題となっています。企業は、デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションを支援するために、デジタル化のトレンドに対応したアプリケーション環境を実現するよう求められています。一方、特に日本企業は、デジタル・ビジネスに対応する上で足かせになりつつあるレガシー・アプリケーションをどのように近代化するかという課題に直面しており、近代化の実現に必要な人員/スキルが不足している状況が見られます。

ガートナーが2019年5月に日本企業を対象に実施した調査において、エンタプライズ・アプリケーション開発における人員/スキル (人材) の過不足について尋ねたところ、8割以上の企業が人員 (81%)、スキル (83%) ともに不足していると認識している結果が示されました (図1参照)。この傾向は、業種別、従業員数規模別の側面から見てもおおむね同様でした。

図1. エンタプライズ・アプリケーション開発における人員/スキルの過不足

出典:ガートナー (2020年2月)

併せて、こうした不足に対応するための人材の確保や育成の施策について質問したところ、回答者の59%が外注に依存しており、研修やOJTでの育成、外部からの採用によって積極的な確保を図っている企業はいずれも20%超にとどまるという結果になりました (図2参照)。

図2. 人材確保・育成の施策 (複数選択可)

出典:ガートナー (2020年2月)

アナリストでシニア ディレクターの片山 治利は次のように述べています。「日本企業では人材確保・育成の施策として外注への依存率が高く、外部からの採用によってIT部門の人員を増やそうという意志が全般的にさほど強くない傾向が浮かび上がっています。従業員数の多い大企業は、外部から採用する割合が比較的大きい傾向 (40%半ば) にある一方、人材の積極的な確保・育成に取り組んでいない企業も一定数あり、既に取り組んでいる企業とそうでない企業の間では、今後のデジタル・ビジネス時代への適応力に差が付いてくるとみられます」

今回の調査では、ビジネスの阻害要因となっているアプリケーションの有無についても尋ねました。その結果、全体の51%の回答者が、阻害要因となっているアプリケーションが自社にあると回答しています。さらに、阻害要因となっているアプリケーションがあると答えた企業に対し、そのように感じる理由を尋ねたところ、「必要なタイミングですぐに変更できない (51%)」「ブラックボックス化 (49%)」「技術者不足 (38%)」の3項目が上位に挙げられました。

前出の片山は次のように述べています。

「これからアプリケーションの刷新に取り組む企業は、既存のアプリケーションがビジネスを阻害している要因を克服すべきです。阻害要因のトップに挙げられた『必要なタイミングですぐに変更ができない』については、アプリケーションの構造 (アーキテクチャ) に問題がある場合があり、アーキテクチャの見直しによって変更を容易にする必要があります。『ブラックボックス化』を解消するには、ドキュメント類の整備とともに、設計ツールや開発ツールの採用が有効です。『技術者不足』については、刷新後に必要となる人員やスキルを特定し、アプリケーションを内製/外製する場合の両面から人材確保の方針を検討する必要があります。人材の不足については、今後もIT技術者の獲得がますます困難になると予想されるため、早急に自社の課題克服に着手し、積極的な対応を進めていくことが求められます」

ガートナーのサービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「日本におけるアプリケーション開発に関する実態調査:人員/スキル確保が急務」(APP-20-09) で関連する内容をご覧いただけます。

ガートナーのサービスについては、こちらよりご参照ください。
https://www.gartner.com/jp/products

調査手法

本調査は、2019年5月に、全国の従業員数20人以上のITユーザー企業の情報システム部門の責任者を対象に実施しました。有効回答企業数は715社でした。

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