2022年のインフラストラクチャとオペレーション (I&O) に影響を及ぼす6つのトップ・トレンド

2022年1月16日

2022年は、I&Oの価値提案を「保守」から「イノベーション」へと再定義すべきです。

I&O部門はこれまで、インフラストラクチャに関するプロジェクトの実施、データセンターの監督、レガシー・システムの継続稼働などを担ってきました。コストを削減する方法や、コストをかけずにサービス・デリバリのパフォーマンスを向上させる方法がないか検討することはあっても、I&Oにイノベーションを期待することはほぼありませんでした。

しかし、テクノロジの変化のスピードが増すにつれ、ITリーダーには、ビジネスの優先課題と整合させるための非常に大きな機会 (そしてプレッシャー) が生じています。加えて、I&O部門は、ビジネスに大きな変化が起こっている中で、存在意義を保つのに絶えず苦心しています。

詳細を見る (英語):Gartner IT Infrastructure, Operations & Cloud Strategies Conference

ここでは、今後12~18カ月以内にITリーダーに影響を及ぼし、さらにビジネスにおけるイノベーションの担い手になるのに役立つと思われる6つの主要なI&Oトレンドをご紹介します。

2022年のインフラストラクチャとオペレーション (I&O) に影響を及ぼす6つのトップ・トレンド

トレンド1:ジャスト・イン・タイムのインフラストラクチャ

ガートナーが最近行った調査によると、I&O部門は、より短期的な視点で考えるようになり、現在デプロイ中のすべてのテクノロジが今後6~18カ月以内に採用段階に達すると見ていることが明らかになりました。これは、ジャスト・イン・タイムのインフラストラクチャという大きなトレンドにつながります。つまり、可能な限り迅速にインフラストラクチャをデプロイすることが、パブリック・クラウドやデータセンターをはじめ、どのような場所であれ、適切な場所にインフラストラクチャをデプロイすることと同様に重要であるということです。

ガートナーがこれまでレビューしたサービス・プロバイダーとの購入契約の多くでは、デリバリに要する見込み期間が各項目に併記されており、ビジネス・ニーズや場所を問わないオペレーションへの対応力を高めるというI&Oリーダーの優先課題に役立っています。

プロバイダーを比較する際には、デプロイまでの期間を交渉材料として取り入れることで自社を優位に立たせることができますが、その一方で、ベンダーの選択肢や比較ポイントが複雑になり、現在のプロバイダーとの関係が変わる可能性もあります。

ガートナーの推奨事項:

  • デプロイまでの期間がビジネスに及ぼす影響を含めたビジネスケースを構築する。
  • プロバイダーとの交渉や契約において、デリバリ/実装にかかる時間を重視する。
  • 実現可能な場合は、プロバイダー・ソリューションの選択肢を広げる。

トレンド2:デジタル・ネイティブ

デジタル・ネイティブ企業とは、UberやDoorDashなどのように、最初からパブリック・クラウドを使用し、それをビジネスモデルの中心に据えている企業を指します。保険や小売りなどの業界では、デジタル機能をいち早く活用する企業がますます増えており、老舗のブランド企業にはイノベーションを起こして追い付くことが求められています。

2025年までに、イノベーションを軽視するI&Oリーダーの70%は取り残され、レガシー・システムのサポートのみに従事することになるでしょう。

ガートナーの推奨事項:

  • 非デジタル・ネイティブ組織の俊敏性とコスト効率を高め、効果的に競争するための計画を策定する。
  • デジタル・ネイティブな企業をうまく模倣し、運用コスト (OPEX) を重視した体制にシフトする。
  • 非デジタル・ネイティブ組織のカスタマー・エクスペリエンスを向上させるソリューションを実現する。

詳細を見る (英語):IT Budgets Are Growing. Hereʼs Where the Moneyʼs Going.

トレンド3:管理体制の統合

I&Oが「インフラストラクチャとオペレーション」から「インテグレーション (統合) とオペレーション」へと移行するのに伴い、さまざまな管理/モニタリングツールを1つの包括的なツールにまとめ、俊敏性とビジネス価値を向上させる必要があります。例えば、アプリケーション・パフォーマンス監視、デジタル・エクスペリエンス監視、ITサービス管理、人工知能 (AI) オペレーションなどのツールが挙げられます。

ガートナーのアナリストでバイス プレジデントのジェフリー・ヒューイット (Jeffrey Hewitt) は次のように述べています。「I&Oツールに関しては、真に一元的な可視化は不可能かもしれませんが、ベンダーのM&A活動が活発化して、可能な限り単一のツールに近づくようになるとガートナーでは予測しています」

包括的な管理ツールは、コスト全体を削減し、投資収益率を向上させるほか、ハイパーオートメーションを通じてI&Oの俊敏性を高めます。しかし、市場にある多様なツールのアウトプットを統合することは、さまざまな機能やステークホルダーが混在していることから、至難の業です。

ガートナーの推奨事項:

  • 現在の管理ツールを棚卸しする。
  • 活用可能なツールの共通部分を特定して、価値ある包括的なビューに落とし込む。
  • AIOps、DPC、VSMP、DEXソリューションなどの自動化ツールを使用して、管理と自動化を単一のダッシュボードに統合する。

トレンド4:データの急増

データの種類、速度、容量は、増殖し続けています。エッジで作成されたデータが「ジャンク」と判断されて即座に破棄される場合もあれば、生成されたデータが価値あるものと判断されて保存される場合もあります。いずれにしても、I&Oは企業全体にわたってデータの保存とアクセスをサポートする必要があります。

データ保持ポリシーは、I&Oが直接担う範囲には含まれないものの、リーダーは長期的計画の視点から、最適なデータ保持の優先順位付けを支援できます。

ガートナーの推奨事項:

  • 最高データ責任者 (CDO) との緊密な連携により、コスト効率を最大限に高めるデータ保持ポリシーになるよう影響力を発揮する。
  • ファイル分析ソフトウェアを使用して、データを最大限に活用し、未知のデータの潜在的リスクを特定する。
  • エンタプライズ情報アーカイブ (EIA) を利用して、潜在的なコンプライアンスや規制上のリスクを積極的に緩和する。

詳細を見る (英語):Cloud, AI and Software Are Top Investment Areas for Data and Analytics

トレンド5:ビジネスへの洞察力

I&Oの仕事や成果は、ビジネスのニーズや目標との関連性が明確でないことが多いため、リーダーはビジネスで使用される説得力のある言葉を用いて、イノベーションの可能性を位置付けることができません。そのため、新規採用のI&O担当者には、テクノロジ分野の経歴よりも、ビジネス・ベースのマインドセットが必要になります。こうしたマインドセットを持つことで、テクノロジのビジネス面でのメリットや、テクノロジが組織全体の目標にどう結び付くかに重点を置くことができるようになります。また、より包括的で効果的なビジネス上の意思決定を下すことも可能になります。

例えば、パブリック・クラウドとエッジのどちらを選ぶかという課題は、組織が両者のリスク・リターン比を計算するため、主にビジネス主導で判断されます。そして、ジャスト・イン・タイムのインフラストラクチャのビジネスケースを構築するには、ビジネスへの洞察力も必要となります。

こうした状況は、I&O担当者の従来の採用慣行に疑問を投げかけ、文化的な変容を必要とします。

ガートナーの推奨事項:

  • I&O担当者の新規採用に向けて、人事部と連携し、スキル要件、職務範囲、人材採用計画を策定する。
  • 人材採用プロセスにおいては、技術的なスキルよりも行動コンピテンシ (特性) を重視する。
  • 非技術分野のI&O担当者を採用し、インフラストラクチャ主導のイノベーションをビジネス・リーダーに示す役割につける。

トレンド6:キャリア・ラダー (梯子型) からキャリア・ラティス (格子型) へ

I&O分野におけるキャリア・アップは、作業負荷やレガシーな技術的スキルに応じて1つの領域のみを担当していくキャリア・ラダー (梯子型) から、複数のコンピテンシと学びの俊敏性を重視するキャリア・ラティス (格子型) へと移行しつつあります。これは、多くの企業が継続的に取り組んでいるコア・モダナイゼーションの影響を受けて進行しています。

I&O部門のメンバーにはより多くの機会が生まれ、従来の「縄張り意識」が最小限に抑えられる一方で、人事部との計画立案と連携の強化が必要となります。

ガートナーの推奨事項:

  • ここで紹介したI&Oのトップ・トレンドを利用し、さらにスキル連携クアドラントを活用して、組織内のスキル不足を特定する。
  • 人事部と協力して「キャリア・ラティス・パス」を作成する。
  • この新しいI&Oキャリア・パスをサポートするためのトレーニング/育成プログラムを提供する。

【海外発の Gartner Articles】
本資料は、ガートナーが海外で発信している記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含め Gartner が英文で発表した記事に関する情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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