クラウドおよびエッジ・インフラストラクチャの未来についての展望

2021年7月7日

エンタプライズ・インフラストラクチャは変化しており、インフラストラクチャとオペレーション (I&O) リーダーは新しいチャンスと脅威に直面しています。

デジタル化が進む世界で、エンタプライズ・インフラストラクチャは進化し、変化しています。このため、I&Oリーダーは、やるべきことに優先順位を付け、着実に実行していく必要があります。

「IT部門のリーダーは、クラウドのビジネス価値を最大化するために、包括的かつ将来を見据えた、一貫したクラウド戦略を策定する必要があります」

モノのインターネット (IoT) デバイスの数は5年ごとに倍増しており、これに伴うセキュリティ・リスクの軽減が必要になっています。クラウド・コンピューティングの利用も拡大しており、エンタプライズ・アプリケーションのパブリック・クラウドへの移行が進み、組織はクラウド・ネイティブな展開を行うようになっています。ハイパースケール・クラウド・プロバイダーが、自社のクラウド機能をよりエッジに近い場所に分散させるためのソリューションを開発しており、エッジ・コンピューティングの導入も加速しています。

場所を問わないオペレーションを適切に準備するために、I&Oリーダーが取るべき行動について、いくつかの核となる展望を説明します。

隔離またはセグメント化されたキャンパス・ネットワーク・デバイスのサイバー攻撃耐性が向上

ガートナーは2029年までに、エンタプライズ・インフラストラクチャに接続されたIoTデバイスが150億台を超えると予測しています。企業、ゲスト、信頼できるデバイス、信頼できないデバイスのすべてがいつどのように接続されるかを、I&Oリーダーが適切に調整しなければ、企業にとってのリスクとなります。IT部門が、インストールも、セキュリティ対策や管理も行っていないIoTデバイスを、自社のネットワーク上に見つけるのは珍しいことではありません。こうしたデバイスは3分もしない間にハッキングされ、侵害が発見されるまでに6か月以上かかる恐れがあります。

「デバイスをセグメント化、または隔離することで、企業はサイバー攻撃に対する脆弱性を低減できます」

デバイスの接続に関する共通のガバナンス構造について、全社的な合意を形成する必要があります。ガバナンス構造がないと、IT部門がネットワークの安全性を確保するためのコントロールを失う恐れがあります。全てのデバイスを対象とした認定プロセスを構築し、デバイスをエンタプライズ・ネットワークに接続する条件として、この認定プロセスに合格することを義務付けるべきです。このプロセスの運用はIT部門だけで行うのではなく、必ず部門を横断したチームも参加する必要があります。デバイスをセグメント化、または隔離することで、企業はサイバー攻撃に対する脆弱性を低減できます。実際に、2023年末まで、このような対策を講じた企業は、サイバー攻撃の被害件数が25%減少すると予想されています。

クラウドへのデプロイが加速

「2020 Gartner Cloud End-User Buying Behavior Survey」によると、ほぼすべての回答者は、自社が今後1年間に、クラウド・コンピューティングに関するIT支出を維持もしくは増加する予定であると回答しています。

クラウド・インフラストラクチャおよびプラットフォーム・サービス (CIPS) における急速なイノベーションにより、クラウドは新しいデジタル・サービスと既存の従来型ワークロードの両方を支える事実上のプラットフォームとなっています。そのため、2023年までにエンタプライズ・ワークロード全体の40%が、CIPSでデプロイされるようになると予想されています。2020年は、この割合は20%にすぎませんでした。

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の拡大に伴い、クラウド戦略の見直しが行われています。分散した安全な労働体制を実現するために、コラボレーション、モビリティ、仮想デスクトップが急速にクラウドへと移行しています。クラウドの弾力性を活かしたディザスタ・リカバリーやスケールアウト・アプリケーションのクラウドへの移行も、優先順位が高くなっています。

ガートナーのアナリストでシニア ディレクターのジョン・マッカーサー (John McArthur) は、「ITリーダーは、クラウドのビジネス価値を最大化するために、包括的かつ将来を見据えたクラウド戦略を策定する必要があります。クラウド・ネイティブなプラットフォームや分散クラウド・サービスといった分野における、業界の新しい動きも考慮しておく必要があります」と説明します。

今後5年間で大きく変わるエッジ・コンピューティング・ソリューション

エッジ・コンピューティング・プラットフォームは、エッジまたはエッジに近い場所でアプリケーションが動作しデータ処理が行われる、ゼロタッチで安全な分散コンピューティング・アーキテクチャを実現するソフトウェアとハードウェアで構成されます。

ハイパースケール・クラウド・プロバイダーは、クラウドによる一元管理と、一般的なクラウドおよびエッジの共通機能のポートフォリオを拡充しています。そのため、エッジに近い場所でのコンピューティングに関する幅広い要件に適切に対応できる体制が整っています。それでも、2023年末までに、ハイパースケール・クラウド・プロバイダーによって提供および管理されるエッジ・コンピューティング・プラットフォームの割合は20%にとどまると予想されています (2020年には、この割合は1%未満でした)。

「クラウドベースの分散ソリューションをデフォルトとし、将来を見据えたエッジ・ソリューションとして優先することが不可欠です」

エッジ・コンピューティングは、低遅延化、エッジで増大するデータの処理、ネットワークの中断に対するレジリエンス (回復力) のサポートなど、拡大する需要に対応します。

「エッジ・コンピューティングは非常に幅広いため、多くのサブマーケットをサポートします。しかし、何千ものカスタム・パターンをサポートする体制から、数十のみをサポートするように進化していくと考えられます。クラウド・プロバイダーがエッジに至るまで重要な役割を果たし、エッジ・ソリューションを補完するようになります。企業はシングル・ベンダー・アプローチではなく、パートナーシップやエコシステムを活用し、クラウドベースの分散ソリューションを将来性のあるデフォルトのエッジ・ソリューションとして優先することが不可欠です」と、マッカーサーは述べています。

【海外発 Smarter with Gartner】
本資料は、ガートナーが海外で発信している Smarter with Gartner の記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めGartnerが英文で発表した記事は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

ガートナーのサービスをご利用のお客様*にお勧めのレポート (英語):Predicts 2021: Cloud and Edge Infrastructure by John McArthur 他

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