データはあらゆる組織で幅広く使用されています。すべてのデータがアナリティクスに使用されるわけではありませんが、データなしでアナリティクスを行うことは不可能です。データやそのすべてのユースケース、および当該データの分析に必要なテクノロジは、幅広く存在します。組織やベンダーごとに、「データ&アナリティクス」(または「データ・アナリティクス」) という言葉の用法が異なるのは、このためです。
「データ」と言及される場合、例えばビジネス・アプリケーション/システム (コア・バンキング、エンタプライズ・リソース・プランニング、顧客サービスなど) における、データの業務上の用途が含まれているはずです。「アナリティクス」(「データ・アナリティクス」と呼ばれる場合もある) は、トランザクションの発生後など下流で行われることの多い、データ分析のユースケースを指します。
前述のように、アナリティクスは以下の4つの手法で構成されています。
記述的アナリティクス
ビジネス・インテリジェンス (BI) ツール、データの可視化、ダッシュボードを用いて、「何が起こったか」あるいは「何が起こっているか」という問いに答えます。例えば調達部門は、「前四半期に商品Xにいくら支払ったか」「商品Yの最大のサプライヤーは誰か」といった問いに答えることができます。
診断的アナリティクス
「なぜXが起こったか」という問いに答えるために、深く掘り下げるデータマイニング能力を必要とします。例えば営業リーダーは診断を用いて、ノルマを順調に達成しそうな営業担当者の行動を特定できます。
予測的アナリティクス
一般的には発生確率を扱い、長期にわたる一連の成果の予測や、考え得る複数の成果に関連する不確実性の特定 (すなわちシミュレーション) に使用できます。予測的アナリティクスは、「何を期待すべきか」を明らかにし、「発生する確率が高いことは何か」という問いに対応します。しかし、「それに対して何をすべきか」というような問いには答えられません。
予測的アナリティクスは、予測的モデリング、回帰分析、予測、多変量解析、パターン・マッチング、機械学習 (ML) を活用します。
処方的アナリティクス
成果を達成するため、または成果に影響を及ぼすために最適な方法を推定し、アクションを促すことを目的とします。予測的アナリティクスと組み合わせることで、予測的な知見を自然に活用して拡張し、「何をすべきか」「所定の成果を達成するには何ができるか」といった問いに対応できます。
処方的アナリティクスには、ルール・ベースのアプローチ (構造的な方法で既知の知識を組み込む) と最適化手法 (オペレーション・リサーチ・グループによって従来使用されていた方法) の両方が含まれ、実行可能なアクション・プランを生成するために、制約内で最適な成果を目指します。処方的アナリティクスは、グラフ分析、シミュレーション、複合イベント処理、レコメンデーション・エンジンといった手法を活用します (「高度なアナリティクスとは?」参照)。
予測能力と処方能力を組み合わせることは、多くの場合、ビジネスの問題を解決し、よりスマートな意思決定を下すための重要な第一歩となります。さまざまなアナリティクス・タイプの潜在的ユースケースを理解することは、組織が本当の意味でデータ・ドリブンとなるために必要な役割、コンピテンシ、インフラストラクチャ、テクノロジを特定するために不可欠です。これは特に、4つの主なアナリティクス・タイプが、人工知能 (AI) による拡張と融合する場合に当てはまります。