2024年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド

2024年2月4日

要旨

今後3年間に、組織のビジネスに影響とメリットを及ぼすテクノロジ・トレンドを紹介します

  1. AI TRiSM (AIの信頼性/リスク/セキュリティ・マネジメント)
  2. 継続的な脅威エクスポージャ管理 (CTEM)
  3. 持続可能なテクノロジ
  4. プラットフォーム・エンジニアリング
  5. AI拡張型開発
  6. インダストリ・クラウド・プラットフォーム
  7. インテリジェント・アプリケーション
  8. 生成AIの民主化
  9. 拡張コネクテッド・ワークフォース
  10. マシン・カスタマー

2024年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドは、「投資の保護」(既存および将来の投資を保護/保全する)、「ビルダーの台頭」(適切なステークホルダー向けに、適切なソリューションを、適切なタイミングで構築する)、「価値のデリバー」(社内外の顧客の環境変化に応じて価値を提供する) という3つの包括的なビジネス・テーマの1つまたは複数に関連します。

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テーマ1:投資の保護

投資を保全し、過去および将来の戦略的テクノロジに関する意思決定から確実にメリットを得て、それを永続的なものにします。

実行すべきアクション:

  • 計画:指示が不十分で、コントロールされていない試みはすべて中止する。取り組みは、明確な意図を必要とし、日常的に利用できる健全な成果を生み出すものでなければならない 
  • 現実:必要な保護措置を最初から組み込んで、プロジェクトのROIを計算する
  • 先見:自社の権利 (知的財産権、創作物の所有権など) と、将来の確固たる立場を確保しながら、再利用を念頭に置いて開発を行い、イノベーションを調整する 

本テーマに分類されるITトレンド:

2026年までに、生成AIによって、新規Webアプリケーション/モバイル・アプリの設計/開発作業の70%が大きく変わる

出典:ガートナー

テーマ2:ビルダーの台頭

適切なテクノロジを適切な機能に使用することで、創造力を解き放ちます。

実行すべきアクション:

  • 自社の業界、組織における特定のニーズ、専任スタッフに適合するテクノロジを利用する
  • 専任スタッフ以外の従業員でも作成できるようにするために、ロードマップを策定する
  • ビジネス部門のステークホルダーと緊密に連携して、実行範囲と必要となる能力を決定する

本テーマに分類されるITトレンド:

2027年までに、CIOの80%は、IT組織のサステナビリティに結び付いたパフォーマンス評価指標を使用するようになる

出典:ガートナー

テーマ3:価値のデリバー

永続的なオペレーショナル・エクセレンスに基づく価値の最適化を絶えず改善し、加速させます。

実行すべきアクション:

  • 社内外の顧客の要求に合わせて継続的に調整を行うことで、価値の確定および提供を可能にし、好循環を生み出す
  • 急速に影響力を増しているアルゴリズム・ベースの顧客に対応するためのアプローチを組み込む
  • 生成AI、従業員のスキル習得/移行など、拡張と自動化の機会に関連した、急速に進化するデジタル・ツールへのアクセスを管理しやすくする

本テーマに分類されるITトレンド:

CEOとCIOの2024年以降の目標を達成するために、戦略的テクノロジをどのように活用すべきか

  • 自社の具体的な状況に照らしてトレンドの可能性を検討し、今後数年間の戦略プランに織り込み、ビジネスモデルとオペレーションを適切に調整する
  • トレンドは相互に補強し合うものであり、孤立して起こる現象ではない。自社の戦略、変革の意図、メリットに適合する形でテクノロジを組み合わせる

  • プラスの成果としては、レジリエンスの強化、データから得られる価値の最大、人材の獲得と定着、環境/社会/ガバナンス (ESG) 目標の達成、成長の促進、デジタル・ビジネスの加速などが挙げられる

アナリストによる本リサーチについてのコメント

Bart Willemsen, Gartner VP Analyst

「テクノロジのディスラプション (破壊) や社会経済の不確実性に直面する中、その場しのぎの対応に頼るのではなく、果敢に行動し、戦略的にレジリエンスを高めるという前向きな姿勢が必要とされます。ITリーダーは、想定内のリスクを受け入れなければならず、信頼でき長期的な投資を通じて社内外の価値創出を持続的に可能にする必要があります」

重要な3つのポイント

1

ガートナーが毎年発表している戦略的テクノロジのトップ・トレンドのリサーチは、AI時代においては特に、投資の優先順位付けに役立てることができる


2

2024年のトレンドは、「投資の保護」「ビルダーの台頭」「価値のデリバー」という主要テーマのいずれか1つ、または複数にわたって関連するメリットをもたらす


3

CEOとCIOの今後の目標を達成するために役立つ、適切なテクノロジの組み合わせを構想する

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Bart Willemsen
バイス プレジデント アナリスト

国際的なプライバシー関連のあらゆる課題、倫理、デジタル社会、AIを含む最新テクノロジとの関わり方に注力しています。さまざまな業界にわたる広く深い経験を有しています。世界的なプライバシーの課題に関する詳細な知識を有し、プライバシーとデータ保護の提唱者として、組織が戦略と戦術の両面で価値を生み出し、この分野の機会を捉えるための取り組みを積極的に支援しています。早くからFIP (Fellow of Information Privacy) に選出され、CIPP/E、CIPM、CISA、CISMのような認定資格を生かして、多くの専門分野にわたる広範な実績あるベスト・プラクティスを顧客企業に提供しています。

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