プラットフォーム・エンジニアリングとは何か?

2023年1月15日

ガートナーによる2023年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドのひとつ「プラットフォーム・ エンジニアリング」。
「プラットフォーム・エンジニアリング」とは、アプリケーションのデリバリとビジネス価値の創出を加速させるための、テクノロジに対する新しいアプローチです。

ポイント

  • プラットフォーム・エンジニアリングは、再利用可能なツールとセルフサービス機能を実装し、インフラストラクチャ・オペレーションを自動化することで、開発者のエクスペリエンスと生産性を向上させる
  • 新たなテクノロジのアプローチであるプラットフォーム・エンジニアリングは、アプリケーションの再利用可能で構成可能なコンポーネントとサービスを活用する
  • ユーザーにとっては、標準化されたツールとコンポーネント、そして自動化されたプロセスを利用できるというメリットがある

プラットフォーム・エンジニアリングは、インフラストラクチャ・オペレーションの自動化とセルフサービス機能により、開発者エクスペリエンスと生産性を向上させます。開発者エクスペリエンスを最適化し、プロダクト・チームによる顧客価値のデリバリを加速させることが期待できるため、大きく注目されています。

ガートナーのアナリストでバイス プレジデントのポール・デロリー (Paul Delory) は、次のように述べています。「プラットフォーム・エンジニアリングは、複雑化が進む近代的なソフトウェア・アーキテクチャに対応するために登場しました。今日では、エキスパートではないエンドユーザーに対しても、複雑で難解なサービスを組み立てて運用するよう求められることがよくあります。先進的で未来志向を持つ企業は、エンドユーザーをサポートし、価値の高い作業で生じる摩擦を減らすため、エンドユーザーと支援サービスの間に配置する運用プラットフォームの構築に着手しています」

プラットフォーム・エンジニアリングの仕組み

プラットフォーム・エンジニアリングは、特にデジタル・トランスフォーメーションに向けて、企業のソフトウェア・デリバリを近代化することを目的とした新しいトレンドです。エンジニアリング・プラットフォームは、専任のプロダクト・チームによって構築/保守されます。また、再利用可能な共通のツールや能力を提供し、複雑なインフラストラクチャのインタフェースとして機能することで、ソフトウェア開発者などのニーズをサポートするように設計されます。

エンジニアリング・プラットフォームが具体的にどのような能力を持つかは、エンドユーザーのニーズによって決まります。プラットフォームは、専任のエキスパート・チームが構築して、開発者/データ・サイエンティスト/エンドユーザーなどの顧客に提供されるプロダクトです。プラットフォーム・チームは、ユーザー・グループのニーズを理解し、作業に優先順位を付け、対象ユーザーにとって有益なプラットフォームを構築する必要があります。

プラットフォーム構築の初期段階は、最も成熟度の高い社内開発者ポータル (IDP) から開始することがほとんどです。IDPで提供されるツール、能力、プロセスは、領域専門家によって選定され、開発チームが利用しやすいようにパッケージ化された選りすぐりのセットとなります。プラットフォーム・チームは、サポート対象の開発者とよく相談しながら、状況に応じた最適なアプローチを見極める必要があります。

目標は、摩擦のないセルフサービス型の開発者エクスペリエンスを実現し、開発者などのユーザーが可能な限り最小限の負荷で価値の高いソフトウェアを作成できるように、適切な能力を提供することです。したがってプラットフォームには、開発者の生産性を高め、認知面での負担を軽減することが求められます。また、開発チームが必要とするものすべてを、チームが希望するワークフローに最も適した方法で提供することも必要です。

新世代のツールが開発されたことにより、DevOpsコミュニティではプラットフォーム・エンジニアリングが最も注目度の高い話題の1つになっています。そうしたツールの目的は、プラットフォームを構築/保守しやすくすることです。

プラットフォーム・エンジニアリングの用途

企業が異なれば、どのような開発プラットフォームを理想と考えるかも異なります。同じ企業内でも、開発チームによってニーズが全く異なる場合もあります。

エンジニアリング・プラットフォームの最大の目標は、開発者の生産性を向上させることです。組織にとっては、このようなプラットフォームによって一貫性と効率化が促進されます。開発者にとっては、デリバリのパイプラインや低レベルのインフラストラクチャの管理から解放されるというメリットがあります。

Paul Deloryは、Gartner for Technical Professionals (GTP) のリサーチ バイス プレジデントであり、「テクニカル・プロフェッショナルのためのデータセンター・インフラストラクチャ」と「テクニカル・プロフェッショナルのためのクラウド・コンピューティング」のアジェンダ マネージャーを務めています。システム管理者とそのサービス・ベンダーに深い技術的専門知識を提供しています。

【海外発の Gartner Articles】
本資料は、ガートナーが海外で発信している記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含め Gartner が英文で発表した記事に関する情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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