2026年10月22日
2026年10月22日
クラウド・コスト管理ツールの導入率は6割以上である一方、コスト削減を達成できた企業は半数に満たない現状
ビジネスおよびテクノロジのインサイトを提供するガートナージャパン株式会社 (以下Gartner) は、国内企業のクラウド・コストに関する調査結果を発表しました。調査結果から、クラウド・コスト管理ツールの導入率は6割以上である一方で、コスト削減を達成できた企業は半数に満たない現状が浮き彫りになりました。
今日、クラウド利用の拡大に伴って、ITコストに占めるクラウド関連コストの割合が増大しています。Gartnerへの問い合わせにおいても、想定以上のコストが発生しているという声が多く寄せられています。
Gartnerが2026年4月に実施した日本国内の企業調査では、クラウド支出を把握するためのコスト管理ツールの導入率は65.8%に達していることが分かりました。こうしたツールを導入した企業に対し、解決できた課題を尋ねたところ、回答者の60.5%が、コストの「可視化」を実現できたことが明らかになりました。一方、コスト削減を達成できたと回答した割合は49.8%と半数未満でした (図1参照)。
出典:Gartner (2026年10月)
調査結果からは、コスト管理ツールを導入し、最適化につながる成果を出せた企業もありますが、そうでない企業も多いことがうかがえます。
ディレクター アナリストの山本 琢磨は次のように述べています。「クラウド・コスト管理は、請求総額を抑えるための経費削減策ではなく、AIインフラやデータ活用など、さらに有意義な成長投資へとつなげるための経営課題です。業界を問わず、さまざまな用途でクラウド利用が進んでおり、IT予算に占めるクラウド・コストの割合は上昇しています。無駄や非効率な利用を放置すれば、クラウドのコスト効率は改善されず、将来の成長投資や事業競争力を圧迫する恐れがあります」
6割近くの企業はほぼすべてのクラウドの構築・運用を外部に依存
本調査では、クラウドの構築や運用の現状についても尋ねました。「自社がスキルを有しておらず、すべてを外部ITベンダーに依頼している」(12.4%) ならびに「自社でスキルを獲得しつつあるが、ほぼすべてを外部ITベンダーに依頼している」(45.9%) と回答した企業の割合を合計すると58.3%の企業は、概ねすべての構築・運用を外部ITベンダーに依存している現状が明らかになりました。また、IaaS構築と運用を一部でも外部ITベンダーに依頼している割合は8割超である一方、すべてを自社で実施もしくは部署横断的なチームで推進している割合は約1割にとどまる現状も浮き彫りになりました (図2参照)。
出典:Gartner (2026年10月)
山本は次のように述べています。「外部ITベンダーを利用して効率的なシステム構築や運用をしている企業もあるものの、内製化を推進するスキルが不足している企業では、過度に高額なサービスの利用を避けられない状況が見受けられます。クラウドはユーザー企業が自ら使う (構築し、運用していく) ことによって効果が出ます。まずは自らがコントロールすべきところから、内製化を進めるべきです」
インフラストラクチャおよびオペレーション (I&O) の統括責任者は、クラウドを自立して運用するためのスキルを獲得し、強化する必要があります。そして、ITベンダーのサービスを適切に利用し、徐々に内製化を進めることで、自立したクラウド運用の実現、運用コストの最適化を目指すことが肝要です。
Gartnerは、クラウド・コストの最適化を目指す取り組みの1つとして、財務、開発、事業の各部門が連携してクラウドの価値を最大化する「FinOps」のフレームワークの導入が有効であるとみています。FinOpsを組織的に実践する企業は、非導入企業に比べてクラウド・コストを30%多く削減できると予測しています。
山本は次のように述べています。「クラウド・コストの最適化と同時に、クラウドのコスト効果を実際に測定していくことも必要です。その際、クラウド・コストそのものを評価するのではなく、ビジネスへの貢献に対するコストとしてクラウドの価値を評価する視点へ転換することが重要です」
Gartnerのサービスをご利用のお客様は、クラウド・プラットフォームのコスト問題を成長投資へ転換するで関連する内容をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products
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