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2023年4月27日

Gartner、世界のソフトウェア・エンジニアリング・リーダーを対象にした調査結果を発表―開発者エクスペリエンスの改善が、ソフトウェア・エンジニアリング・テクノロジの採用の主な推進要因であることが明らかに

ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーの58%は、開発者エクスペリエンスがCレベルの経営幹部にとって重要事項と回答

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、グローバルで実施した世界のソフトウェア・エンジニアリング・リーダーを対象とした調査結果を発表しました (グローバルでは2023年4月24日に発表しています)。

「質の高い開発者エクスペリエンス (※)」は、ソフトウェア・デリバリにおける重要な優先課題となっており、調査ではソフトウェア・エンジニアリング・リーダーの58%が、自社のCレベルの経営幹部にとって、開発者エクスペリエンスは「非常に重要」または「極めて重要」であると回答しています。開発者のエクスペリエンスや生産性の向上は、ソフトウェア開発ライフサイクルのテクノロジ/プラクティス (社内開発者ポータル、パフォーマンス・エンジニアリング、CI/CDツールチェーン、コンテナ管理など) の採用がもたらす最大の価値であり採用の推進要因です。

(※) 開発者エクスペリエンス:ソフトウェア製品/サービスを開発し、提供するために、開発者がツールや、プラットフォーム、プロセス、そして共に作業する人々との間で交わすあらゆるインタラクションを指す。

本調査は、2022年下期に、ソフトウェア・エンジニアリングの中核領域にある47のテクノロジに関するデプロイ計画、採用時期、価値、リスクについて把握するために実施され、北米、欧州・中東・アフリカ、アジア太平洋のあらゆる業種における大企業のソフトウェア・エンジニアリング・リーダー 142人から回答を得ました。調査結果は、ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーにとって、同業他社が実際にどの分野でビジネス上のリターンを得ているのか、またどの領域で重大なデプロイ・リスクに直面しているのかを理解するのに役立ちます。

シニア プリンシパル アナリストのフィリップ・ウォルシュ (Philip Walsh) は次のように述べています。「質の高い開発者エクスペリエンスは、生産性を向上させると同時に、ソフトウェア・エンジニアリング人材を引き付けて定着させるために重要であることが企業で認識されつつあります。開発者エクスペリエンスは、単なるコーディングにとどまりません。開発者エクスペリエンスに最も高い価値をもたらすとみられているテクノロジのいくつかは、仕事の引き継ぎによって価値提供の流れを中断しがちなプロセスを簡素化することに重点を置いています」

高いコストや予測不能なコストは、テクノロジの新規採用における主なリスク要因

ソフトウェア・エンジニアリング・テクノロジの採用における推進要因は多数あり、開発者エクスペリエンスの改善のほかに、コストの削減や優れたケイパビリティの提供なども挙げられます。一方で、高いコストや予測できないコストは最大のリスクであり、本調査の対象となった47のテクノロジ/プラクティスの68%の採用における主なリスク要因として挙げられています。

ウォルシュは次のように述べています。「ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーは、少ないリソースでより多くを達成しなければならない立場に置かれるケースが増えています。経済的な逆風や長引く雇用課題に直面する中、企業のミッション・クリティカルな優先課題において重要度が増すソフトウェア・エンジニアリングに対処するのは容易ではありません」

人材の確保は、テクノロジの採用において2番目に一般的なリスク要因であり、評価対象となったソフトウェア・エンジニアリングのテクノロジ/プラクティスの17%で主なリスク要因となっています。人材不足を解消するために、ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーは、在籍中の従業員や新入社員のスキルアップとリスキリングに注力すべきであるとGartnerは提言しています。需要が生じる前に、各従業員のスキルの習得を目指すことで、テクノロジが成熟して新たなテクノロジが導入されても、従業員がより幅広い役割を担い、技術的にチャレンジとなる新しい取り組みに貢献できるようになります。

コスト面での懸念はあるものの、企業は価値の高いプラットフォーム・テクノロジに投資

プラットフォームは、アプリケーションを構築/実行するための拡張性の高い安定した環境をもたらす基盤テクノロジです。ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーは、高いコストや予測不能なコストを最大のリスク要因に挙げながらも、API、統合、複雑なクラウド環境を管理するためのプラットフォーム・テクノロジをデプロイしています。

本調査では、企業は、複雑化するアプリケーション・アーキテクチャを管理するためのテクノロジの採用も優先させていることが明らかになりました。アーキテクチャと統合のカテゴリに分類されるテクノロジの67%は、2023年にデプロイが予定されており、調査回答者はビジネスや顧客への優れたケイパビリティの提供を、優れた価値をもたらす原動力として挙げています。

ウォルシュは次のように述べています。「企業がクラウド・ネイティブ、モジュール型、API中心のアプリケーション・アーキテクチャへと移行し続ける中、ソフトウェア・エンジニアリング・チームのワークフローやテクノロジ・ニーズは変化しています」

シニア ディレクター アナリストの片山 治利は次のように述べています。「日本企業は、これまでソフトウェア開発を外製に頼っていたという背景もあり、開発者のエクスペリエンスの向上が重要という認識はあまり強くはありませんでした。しかし、内製化への関心も高まりつつある今日、優秀なエンジニアを採用し、育成、定着を図るためには、開発者エクスペリエンスについて関心を示す必要があります」

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「2023 Technology Adoption Roadmap for Software Engineering」(英語) で詳細をご覧いただけます。ソフトウェア・エンジニアリング戦略の策定に関しては、eBook「Software Engineering Technology Roadmap」(英語) でご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、以下よりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

ガートナー アプリケーション・イノベーション&ビジネス・ソリューション サミットについて

2023年6月13~14日にウェスティンホテル東京にて開催するアプリケーション・イノベーション&ビジネス・ソリューション サミットでは、アプリケーション戦略、ソフトウェア・エンジニアリングのリーダーシップ、API戦略、開発プラットフォーム、先進テクノロジなどに関する最新の知見を共有します。コンファレンスのニュースと最新情報は、Twitterでご覧いただけます (#GartnerAPPS)。

Gartner for Software Engineering Leadersについて

Gartner for Software Engineering Leadersは、リーダーがステークホルダーとの連携を図り、チームを維持・最適化し、組織全体やそのパートナー、クライアントをサポートし貢献する革新的な製品を構築できるよう支援します。詳細は以下よりご参照ください。
https://www.gartner.com/en/software-engineering

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