AI TRiSM (AIのトラスト/リスク/セキュリティ・マネジメント) とは?

AIモデルやAIアプリケーションを何も対策せずに放置しておくと、重大なリスクが生じる可能性があります。AIのトラスト/リスク/セキュリティ・マネジメント (AI TRiSM) は、そうしたリスクを能動的に特定して軽減し、確実性、信頼性、セキュリティを確保するためのソリューションです。

2026年3月9日更新

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最新トレンドを反映したIT統制方針の立案に活用

サイバー攻撃や内部不正による情報漏洩リスクが高まる中、生成AIの普及により企業のデータ活用が加速しています。本Webinarでは、AI時代に求められる情報漏洩対策の現状と課題を整理し、セキュリティと利便性のバランスを取るための基本知識と最新トレンドを紹介します。

【重要ポイント】

  • 生成AIの導入が進む中、情報漏洩リスクへの対策がより重要です。
  • IT部門と事業部門の認識のズレが、セキュリティと利便性の調整を困難にします。
  • アクセス管理やデータ保護の基本と最新動向を理解し、対策を講じることが必要です。

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AI TRiSM (AIのトラスト/リスク/セキュリティ・マネジメント) の定義とは?

ガートナーのAI TRiSM(AI Trust, Risk, and Security Management)とは、AIのガバナンス(統制)、信頼性、公平性、信頼性、堅牢性、有効性、データ保護 を確保するためのフレームワークです。

ガートナーは、AIの導入において AIのガバナンス、信頼性、公平性、信頼性、データ保護を確保する手段として AI TRiSMを位置付けています。AI TRiSMは、AIに関連するリスクを特定し、軽減するためのプロアクティブな(事前対応型の)ソリューションを提供し、AIの信頼性・安全性を保証する仕組みです。

企業や組織でAIの活用が進む中で、AI TRiSMは 信頼性とセキュリティを確保し、ビジネス価値を最大化するための重要な要素 となります。

AIガバナンスの重要性、およびAIガバナンスの欠如によるリスクとは?

AIガバナンスは、AI投資の成果を最大化し、潜在的なリスクを最小限に抑えるために不可欠です。AIガバナンスを軽視すると、AIプロジェクトの管理不全やセキュリティの脆弱性にさらされるリスクが高まります。

AIガバナンスは、その複雑性や、準備が十分でない企業や組織も多い新しい領域であるという実状を踏まえると、極めて困難な取り組みに思われるかもしれないですが、AIリスク・マネジメントの一貫したプラクティスを採用した企業や組織は、プロジェクトの失敗を回避し、セキュリティ/財務/評判を損なう可能性を軽減できます。

企業や組織にリスクが存在するにもかかわらず、AIガバナンスとAIリスク・マネジメントは後回しのままになっていることが多く、企業や組織にとって重要な課題のひとつです。AIモデルやアプリケーションが本番環境で稼働していなければ、リスクの影響を考慮しないという企業や組織が多い、というのが実情となっています。

しかし、既存のAIワークフローに後からガバナンスを組み込むことは容易ではなく、潜在的なリスクや非効率なワークフローが生じかねません。

AIガバナンスの欠如が引き起こすリスクと具体例

1. AIイニシアティブの方向性のズレと潜在的リスク

企業や組織がAI戦略を適切に評価し、重要な課題を明確にできない場合、AIの導入が誤った方向に進み、リスクを招く可能性があります。

例: 企業が透明性の低いAIモデルを採用し、意図しないバイアスが組み込まれた意思決定を行ってしまう

2. セキュリティの脆弱性とオペレーション(運用)の混乱

AI技術の急速な導入は、企業や組織を多様なセキュリティ・リスクにさらします。適切なリスク管理が行われなければ、深刻な脆弱性が発生し、オペレーションに支障をきたす可能性があります。

例: AIを活用したカスタマーサポート・システムが攻撃を受け、不正な情報が顧客に提供される

3. 財務リスクと企業の評判リスク

リスク管理が不十分なAIシステムの導入は、企業の評判を損ない、経済的損失や制裁を招く可能性があります。

例: AIの誤判断による不適切なローン審査が発覚し、企業が訴訟や罰金を受ける。

4. 倫理的問題と業務の非効率性

適切なAIガバナンスが確立されていない場合、AIイニシアティブの誤運用が発生し、倫理的問題や業務の非効率性を引き起こす可能性があります。

例: AIが人材採用プロセスで性別や年齢による差別を助長し、企業の倫理的責任が問われる。

5. 法規制違反と法的トラブル

データ/アナリティクス(D&A、データ分析)とAIの価値をリスク管理と適切にバランスできない場合、法的問題に発展する可能性があります。

例: GDPR(EU一般データ保護規則)に準拠していないAIシステムを導入し、高額な制裁金が科される。

6. AI戦略全体の崩壊

企業や組織がAIリスクを体系的に管理できなければ、倫理問題、セキュリティ・リスク、ビジネスとの方向性のズレが生じ、AI戦略全体が機能しなくなる恐れがあります。

例: AI導入計画のガバナンスが不十分であり、途中でプロジェクトが頓挫する。

7. AIの誤用とオペレーション上の問題

AIリテラシー教育が不足していると、組織内でAIシステムの誤用が発生し、倫理的・運用上の問題を引き起こす可能性があります。

例: 社員がAI生成コンテンツを適切に管理できず、誤った情報が社内外に広まる。

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AIリスクを理解して、ガバナンス戦略を策定する

上で述べたリスクを回避するために、企業や組織は 効果的なAIガバナンス・フレームワーク を構築する必要があります。具体的には、以下のアクションが求められます。

  1. AIガバナンス委員会・評議会の設置
    企業全体でAIの方針を統括する専門チームを設け、戦略的な意思決定を行う
  2. 基盤となるセキュリティ対策の確立
    AIシステムを安全に運用するための基盤を構築し、データ管理ポリシーを整備する
  3. AI固有の統制を実装
    AIの利用に伴うリスクを軽減するため、説明可能性や透明性を確保する
  4. AIアプリケーションのセキュリティ確保
    AIを利用するアプリケーションのアクセス制御や不正利用対策を強化する
  5. セキュリティ制御の導入・監視
    AIシステムの運用中に発生するリスクを継続的に監視し、改善策を講じる

AIガバナンスを実現するAI TRiSM(AIのトラスト/リスク/セキュリティ・マネジメント)の重要性

AI TRiSMは、AIガバナンスを実現し、投資の価値を最大化し、潜在的なリスクを軽減するために極めて重要な役割を果たします。以下にAI TRiSMが企業や組織にとって重要な理由を取り上げます。

  • リスクの存在
    AIモデルやアプリケーションは、適切な管理が行われないと、良くない行動につながる望ましくない出力やデータの漏洩・改ざんなど、重大なリスクを引き起こす可能性があります。
    例:企業の顧客情報や機密データが、適切な対策なくして扱われると、不正利用のリスクが高まる
  • 価値実現のための必須要件
    効果的な AI ガバナンス、信頼、リスク管理は、AI投資から真の価値を引き出すために不可欠です。
  • 潜在的なリスクの軽減
    AI TRiSM は、ガバナンス、信頼性、公平性、安定性、堅牢性、有効性、およびデータ保護を確保します。
  • 競争優位性
    堅牢な AI ガバナンスと TRiSM の機能は、AI製品/サービスにおける大きな差別化要因となります。

AI TRiSMがAIガバナンスを支える仕組み

AIの展開におけるガバナンスを確保するフレームワーク「AI TRiSM」には以下のような主要な機能があります。

• AIランタイム・インスペクション/エンフォースメントとAIガバナンス:
実際に動作しているAIシステムを監視し、ルール違反があった場合に自動的に制御を行う機能です。例として、各アプリケーションの動作をリアルタイムにチェックし、不正な動作が検出された場合にその動作を停止させる仕組みが挙げられます。

• 情報ガバナンスとインフラストラクチャ/スタック:
AI環境だけでなく、非AI環境もサポートするために用いられ、従来の技術保護機能も含んでいます。 たとえば、企業内のネットワーク・インフラやサーバー群全体の管理/保護もこの範疇に入ります。

• 従来型のテクノロジ保護:
従来型のテクノロジ保護は、AIに特化しない、一般的なセキュリティ機能を表しています。たとえば、エンドポイント・セキュリティやネットワーク・セキュリティ、アイデンティティ・アクセス管理など、従来から利用されているテクノロジが含まれます。

もしAI TRiSMのようなAIガバナンスを確保するフレームワークがなければ、AIモデルやアプリケーションは大きなリスクをはらみ、望ましくない出力やデータ漏洩につながる可能性があります。効果的なAIガバナンスは、さまざまな側面において重要な疑問に対処できる能力に依存しており、企業や組織にとって、AIガバナンス・ポリシーを支援し、強化するためのテクノロジが必要とされています。

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AIガバナンス・フレームワークを構築し、AIリスクを軽減するために、企業や組織が実行すべきアクション

AIの利用に伴うリスクは主に2つあります。

  1. 過剰な共有、過剰なエクスポージャ (意図しない情報公開)、プライバシー/データ保護を維持するコントロールの欠如などによる「機密データの漏洩」です。
  2. 不正確性/違法性/ハルシネーション (もっともらしいが誤った回答) などを伴う「望ましくない出力」であり、すぐに阻止しなければ、企業や組織内のユーザーに悪影響が及ぶことになります。

そのため、企業や組織内で利用されるすべてのAIテクノロジを対象に、以下のアクションで強固なガバナンスを確保します。

  1. 倫理基準、規制コンプライアンス、リスク許容度に沿ったAIポリシーを定義する
  2. データの保護、分類、アクセス管理に重点を置きながら、AI情報ガバナンスを監査/強化する。これは、組織として、データ保護およびアクセス制御のベースラインを改善し、AIツールの導入準備を整えるための重要な前提条件である
  3. ポリシーを適用し、AI関連のリスクを軽減するために、AI TRiSMテクノロジを実装する
  4. 継続的なガバナンス/モニタリング/検証テスト/コンプライアンスのために、AI TRiSMを活用する

ガートナーは、AI導入からビジネス価値を創出するために必須となるAIガバナンス構築のための知見をご提供します

企業や組織が、効果的にAIガバナンス・フレームワークを構築するための知見をガートナーはご提供します。本記事にて取り上げた内容以外にも以下のような知見をご確認いただくことが可能です:

  • 具体的なAIリスクの一覧
  • AIポリシー強化を実現した組織のケーススタディ
  • データ侵害のベクトルと種類の一覧
  • AI TRiSMテクノロジのサンプル一覧
  • AI TRiSMに特化したベンダーのサンプル一覧

AIガバナンスおよびAI TRiSMフレームワークについての関連リサーチ

AIの応用:ガバナンスとリスク・マネジメント

AIプロジェクトを成功させ規模を拡大するために、リーダーは公正性、透明性、説明可能性、信頼性、プライバシー、セキュリティに関連する戦略と手法に取り組む必要があります。本リサーチノートでは、ガバナンス/トラスト/リスク/セキュリティ・マネジメントの課題に対して利用できるGartnerのAIリサーチを概説します。

Use TRiSM to Manage AI Governance, Trust, Risk and Security

組織は、AIガバナンス・ポリシーをサポートし、徹底するためのテクノロジを必要としています。ガートナーのAI TRiSMテクノロジ・スタックについて解説し、AIガバナンスを可能にし、安全で信頼性の高いAI運用を実現するために活用できるテクノロジ・スタックについての最新情報をご確認いただけます。

Pacing Yourself in the AI Races: 2024 IT Symposium/Xpo Keynote Insights

AIの成果を安全かつ大規模に生み出す競争に参戦しているCIOに向けて、ガートナーの2024 IT Symposium/Xpoの基調講演内容をご提供します。そうすることで、組織にとって望ましいビジネス、テクノロジ、アクション成果を生み出し、AI競争における適切なペースを保つのにお役立ていただけます。

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