ビジネス成果を上げているテクノロジ製品担当のゼネラル・マネージャー (GM) が行っている4つの行動

2022年4月18日

今日、テクノロジ製品ポートフォリオのゼネラル・マネージャー (GM) として成功するには、過去の成功に頼るのではなく、顧客と製品の両方において、独自の方法で躍進する必要があります。

要約
  • テクノロジ製品を担当するゼネラル・マネージャー (GM) には、共通する目標や戦略が数多くあるが、ガートナーの調査によると、85%が最優先課題として「成長」を挙げている。
  • ゼネラル・マネージャー (GM) は、既存の顧客/製品によるコア・ビジネスから成長することを期待しており、新規顧客の獲得や新製品の発売にはあまり重点を置いていない。しかし、それでは2022年以降に成功を収めることができない。
  • 市場をリードする企業は、独自の競争優位性を確立することで、他社を凌駕する売り上げと利益を増やしている。

パンデミック期間中、比較的順調だったハイテク企業の多くは、今でも一般的な成長戦略に重点を置いたままです。その結果、多くの企業が同じような顧客をターゲットとし、同じような戦略で競争をしています。他社を模倣するというのは、そのやり方をほめていることかもしれませんが、成長戦略としては好ましくありません。

競合他社を凌駕し、より成功しているテクノロジ製品担当のゼネラル・マネージャー (GM) は、他とは違う行動を取っています。こうしたゼネラル・マネージャー (GM) がいる企業では、同業他社よりも急速な成長を遂げ、新たな収入源から売り上げを拡大するための差別化された戦略を持っていることから、ガートナーでは「Breakaways (先駆的な企業グループ)」と呼んでいます。

ガートナーでは、先駆的な企業グループを分析した結果 、現在の中核的なビジネスの既存の顧客/製品以外から成長機会を生み出そうとしていることが明らかになりました。こうした先駆的な企業のテクノロジ製品担当のゼネラル・マネージャー (GM) は、顧客の目に留まり、高く評価してもらえる方法で自社を差別化し、市場シェアを伸ばそうとしています。

これらは従来主流だったものと比べ、どのように異なるのでしょうか 。

先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) は他社よりどのようにして一歩先を進んでいるのか

先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) とは、収益の創出において同業他社よりも著しく効率的であったことを示している上位4分の1の企業のゼネラル・マネージャー (GM) を指します。優れたパフォーマンスを挙げているゼネラル・マネージャー (GM) を成功に導いたのは、差別化された行動です。彼らを際立たせている能力は数多くありますが、ここでは代表的なものを4つ紹介します。 

No. 1:過去の成功体験を利用して、中核となるビジネス以外で成長する

先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) は過去の実績に頼るのではなく、市場の勢いを利用して、さらなる成長を目指します。社内のつながりを強化しながら、社外で競争力のある明確な違いを生み出すことで、中核となるビジネスにおいて既存の顧客/製品以外での収益拡大を目指します。

No. 2:競争力のある違いを生み出す

ハイテク製品における競争力は、顧客の目に留まり、高く評価してもらえる方法で、他社製品との差別化ができるかどうかにかかっています。先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) は、さまざまな差別化要因によって、同業他社を上回る競争力を得ています。特に、以下のような差別化要因が挙げられます。

テクノロジ製品を担当する先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) が競争上重視していること
  • 高度なテクノロジの有効活用:先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) は、アナリティクスや人工知能 (AI) といった先進テクノロジを単に採用するだけではない。機能性を高めつつ、取得/総保有コストを抑えた方法で、テクノロジを採用する。「より優れたものをより低価格で 」という差別化要因により、競争の条件が自社に有利に働くようにしている。
  • 優れたセールス・エクスペリエンス:先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) であれば、カスタマー・エクスペリエンスはセールス・エクスペリエンスから始まると認識している。そのためには、製品以外の話題であっても積極的に営業チームに働きかける必要がある。 優れたエクスペリエンスを営業チームに提供することで、成功する確率が高まり、時間の経過とともに関係性を強めることができる。
  • 運用/保有の総コストが最小:先駆的なゼネラル・マネージャー (GM)は、初期取得コスト/総コストが低いほか、統合/カスタマイズしやすいソリューションなど、コスト面で同業他社よりも長期的に優位性があると確信している。
No. 3:市場シェアと利益を目標にする

先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) は、競争力のある差別化要因を活用して、コア・ビジネス以外で成長しながら、利益を拡大しています。平均的なゼネラル・マネージャー (GM) は、2022年の売り上げの43%が既存の顧客/製品から得られると想定しているのに対し、先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) はそのコア・ビジネス以外での成長を目指しています (32%)。つまり、ビジネスを拡大させるには、コア・ビジネス領域以外での成長が必要であると認識しているのです。

テクノロジ製品について、2022年に期待されている収益拡大のソース

先駆的な企業は、利益なき成長は自滅するだけであることを理解しています。新規顧客を引き付け、新製品の発売による成長を期待するだけでなく、こうした戦略を活用して利益を拡大しています。対照的に、残りの企業では、コア・ビジネスの売り上げ拡大に依存しているため、利益がますます圧迫されています。その証拠に、想定されている利益拡大の内訳として、社内でのコスト・カットが占める割合は、先に述べたような企業が18%あるのに対し、先駆的な企業はわずか4%です。

No. 4:社内外で効果的なつながりを持つ

市場で成功を収めるには、運以上のものが必要です。つまり、社外では顧客との、そして内部では組織全体との効果的なつながりが必要となります。他の企業グループから一歩先を進んでいる組織は、ゼネラル・マネージャー (GM) に対し、意思決定と行動を促すために必要な権限を与えています。こうした企業のゼネラル・マネージャー (GM) は、製品のプログラム管理を行いません。収益を上げるリーダーとして認められているのです。先駆的な企業は、権限という垣根を越えて、組織全体で売り上げ/利益目標を達成できるよう足並みをそろえています。こうした企業のゼネラル・マネージャー (GM) は、以下のような特性を備えています。

  • 売り上げと新規顧客獲得の間には、より強い関係性があることを理解している。そのため、既存顧客よりも新規顧客に優先順位を付けている。
  • 高度なテクノロジから製品開発/営業/サービスに至るまで、エンド・ツー・エンドのつながりを構築している。先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) は、個々の機能を最適化するのではなく、顧客サービスと利益との間に結び付きを生み出している。
  • 売り上げ拡大の手段として、製品/サービスでリーダーシップを発揮する。先駆的なゼネラル・マネージャー (GM) の仕事は、新製品の開発にとどまらない。顧客が購入する製品の販売以上の働きをする営業チームを介して、新製品の市場投入を促進している。

こうした特性を備えるには、顧客や市場のニーズだけでなく、製品、営業、財務などの領域をまとめて、そのような戦略を実施する社内の構造や関係にも対処する必要があります。

極めて有能なテクノロジ製品担当のゼネラル・マネージャー (GM) は、成功をもたらすのは製品ではなく、プロセスであると捉えています。そして、組織が新規顧客や新製品への投資を行うという好循環を生み出しています。この好循環は、「英雄的な偉業」ではなく、着実な成果に基づくものであり、有能な人材を引き付けて定着させます。その結果、さらに売り上げと利益が拡大し、競合他社に対する競争力がますます高まっていくのです。

【海外発の Gartner Articles】
本資料は、ガートナーが海外で発信している記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含め Gartner が英文で発表した記事に関する情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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