【ガートナーによる2022年最新調査結果】CEOが考えるビジネス優先課題のトップ・トレンドとは?

2022年7月3日

ワークフォース (従業員の定着などの人材関連) の問題は、ここ2年で大きな注目を集めるようになりました。そして、サステナビリティは主流のビジネス優先課題になっています。

ガートナーによる最新調査によれば、2022年および2023年に向けた世界のCEOおよび上級経営幹部の主要な課題として挙げられているのは、人材、パーパス (目的)、価格、生産性です。これは、CEOおよび上級経営幹部のサステナビリティ (持続可能性)、ワークフォース (人材)、インフレ (物価上昇) に対するマインドセットが、恒常的に変化したことを表している可能性が高いと考えられます。また、このことは過去15年間には見られなかったビジネス優先課題の抜本的なシフトを反映しています。

ガートナーのアナリストでディスティングイッシュト バイス プレジデントのマーク・ラスキーノ (Mark Raskino) は、次のように述べています。「過去において、ビジネス・リーダーにとってのビジネス最優先課題がここまで急変したのは、金融危機が勃発した2009年から2010年にかけてのことでした。ガートナーの2022年CEO/上級経営陣向けサーベイによると、複数のマクロ・トレンドと経済要因に突き動かされる形で、ビジネス・リーダーは企業のパーパスと経営上の重点課題の主要領域の優先度を見直しています。

ガートナーは、世界の400人以上のCEOおよび上級経営幹部を対象に、2022年から2023年にかけてのビジネス優先課題とテクノロジ関連の考え方を調査しました (調査対象組織には、テクノロジ組織や営利追求組織以外の組織も含まれています)。

リーダーにおける主要な思考のトレンド

CEOの2022年/2023年の戦略的なビジネス優先課題のトップ10

2022年の調査におけるビジネス優先課題のトップ10から、主要なトレンドを紹介します。

  • 「成長」は引き続き、最大数 (51%) が言及したビジネス優先課題ですが、2022年はその割合が若干減少しています。ガートナーは、この原因がサプライチェーン問題の影響にあると分析しています。CEOは、供給ができないのであれば、積極的な需要拡大へと動かないことが考えられます。
  • デジタル化、E-Commerce、サイバーセキュリティといったテクノロジ関連の問題が第2位 (34%) のビジネス優先課題です。CEOにとっては、今回のパンデミックを契機にリモートワーク、E-Commerceなどのデジタルなメカニズムの価値が浮き彫りになりました。CEOは、テクノロジ重視の姿勢を維持する構えです。
  • 従業員の定着、雇用、DEI (ダイバーシティ [多様性]、エクイティ [公平性]、インクルージョン [包摂性]) という従業員関連の問題の優先度は2年連続で大幅に上昇して第2位に僅差の第3位 (31%) となり、「財務」問題 (収益性、キャッシュフロー、資金調達など) や「企業」イニシアティブ (M&A、戦略変更、再構築など) の順位を大きく引き離しました。
  • 環境問題は9位に浮上し、回答者の9%が上位3項目の1つに挙げました。絶対数としては少ないかもしれませんが、「環境」カテゴリがトップ10に入るのは初めてであり、CEOの関心の大幅な高まりを反映しています (3年前は14位、7年前は20位)。ビジネス・リーダーは、環境サステナビリティに対してさらなるアクションを求める顧客、投資家、規制当局、従業員からプレッシャーを感じていますが、サステナブルなビジネスは、ビジネスの効率化と売り上げ拡大を促進する機会と捉えています。
  • 多くのCEOにとって、インフレは突発的な問題です。2021年第4四半期の調査では、62%が、インフレは持続的または長期的な懸案事項になると回答しています。当時のインフレの原因は、パンデミックによるサプライチェーンの不足と、ロックダウンや一時帰休の間の社会保障給付でした。その後、事態を悪化させているのは、ロシアによるウクライナ侵攻と、それに伴う経済制裁です。当該地域からの一次産品 (石油、ガス、穀物、ネオンなど) の供給混乱は、飲食業界から半導体業界に至る幅広い業界で、価格急騰を引き起こすでしょう

「従業員」関連の問題がポスト・パンデミックの重点領域として浮上

DEIを巡る社会的動向と、パンデミックによる社会風潮への影響が重なり、従業員関連の一連の問題は、CEOの高い関心を引き付けるまでに重要となりました。人材の誘引と定着は本領域の主たる懸案であり、これを上位3つの懸案事項の1つとして回答した上級経営幹部の割合は、2021年の8%から上昇して15%になりました。

テクノロジ関連の任務を担う人材は、人材育成戦略を検証するための重要なセグメントになる可能性があります。ITスタッフとビジネス・テクノロジストは、募集して定着させるのが最も難しい従業員領域です。したがって、まずはこのグループを対象に貴社の最先端のタレント・マネジメント案を試行し、発展させると良いでしょう。

最大の行動変容だと捉えられているのは、ハイブリッドワークとリモートワーク

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックにより、従業員関連には多数の問題があることが判明しました。前出のラスキーノは次のように述べています。「自由回答形式で人材一般について尋ねたところ、驚きの結果となりました。CEOの考えなければならない優先課題は顧客関連の問題で占められていると思っていたのですが、実は従業員にあったのです」

この質問に対する最多の回答 (55%) は、ほかの全回答の合計を上回って、リモートワークハイブリッドワークとなりました。従業員はリモートワークとハイブリッドワークを熱望しており、CEOはこれがパンデミック後における最大の行動変容であると考えています。このうち、ハイブリッドワークに関するCEOの主な懸念点は、組織文化と生産性です。

ラスキーノはさらに次のように述べています。「CEOへのインタビューを通じて、CEOがこうした新しい働き方に戸惑い、実際にどう展開されるのかを懸念していることが分かりました。新しい働き方はパンデミックにより短期的に必要だったのかもしれませんが、これを常態化することに依然として消極的なCEOもいます」

2回の調査の間で順位が著しく上昇したのは、「従業員」に関する懸案でした。従業員の離職が重大な問題だと回答したのは、2021年第3四半期の34%から増え、2021年第4四半期では48%になりました。全体として、「ビジネスに必要な人材を見つけ、雇用することは非常に難しい」との記述にCEOの49%が合意しています。

【海外発の Gartner Articles】
本資料は、ガートナーが海外で発信している記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含め Gartner が英文で発表した記事に関する情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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