今こそアプリケーションの組織を改革すべき

2021年5月2日

アプリケーション・リーダーが、これからコンポーザブル・ビジネスで成功するためには、組織の構造、ガバナンス、文化、リーダーシップ・スタイルを変える必要があります。

チャールズ・ダーウィンの言葉*を借りれば、「生き残る種とは、最も強いものでも、最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである」

企業がソフトウェアを構築し、利用するというやり方に、根本的な変化が訪れています。コンポーザブル・ビジネスには、将来的に組み立て、再構築、拡張が簡単にできるアプリケーションが必要になります。

* チャールズ・ダーウィンが残した言葉ではないという説もあります。

「コンポーザブル・ビジネスに移行する際にアプリケーション・リーダーが直面する最大の課題は、組織の文化を変えることです」

「アプリケーションは、コンポーザブル・ビジネスの中核を成すものです。ところが現在のアプリケーションチームは、このコンポーザブル・ビジネスに対応するための体制が整っていません。アプリケーション・チームは、多くの場合、組織が階層構造になっているため、処理が遅く、サポートしているビジネス部門とは断絶しています」と、ガートナーのディスティングイッシュト バイスプレジデント, アナリストであるマシュー・ホトル (Matthew Hotle) は述べています。

ただし、こういった組織内での断絶は、アプリケーション・リーダーにとって、将来のコンポーザブル・ビジネスに向けた組織の変革に乗り出す機会ともなり得ます。ここでは、アプリケーション・リーダーが、ガバナンス、資金調達、文化、組織設計に適応したアプローチを構築する方法をご紹介します。

アプリケーションのある場所へ

多くの企業は、ガバナンスの欠如やコントロールを失うことを恐れて、アプリケーションの開発と提供を分散することを推奨しません。しかし、このような分散は、組織がコントロール重視の構造の境界を再定義し、コンポーザブル・ビジネスへと移行していくのに役立ちます。

アプリケーション・リーダーはCIOやビジネス部門のリーダーと積極的に協力し、アプリケーション開発と提供が最も適切な場所で行われるようにすべきです。

部門横断チームを通じてソフトウェアを提供する

コンポーザブル・ビジネスへの移行を開始した企業では、ソフトウェアの提供を、多くの場合「アジャイル」または「フュージョン」チームが行います。これらのチームには、テクノロジとビジネスの両方のスキルセットを持つ人材が配置されており、個人的にも経歴的にも多様なバックグラウンドを持ったメンバーで構成されていることが特徴です。

ガートナーの調査によると、このようなチームは、他のチームよりも20%早くビジネス成果を上げていることがわかりました。このような多くの専門分野にまたがるアプローチは、柔軟で適応可能な組織の構造を促進します。

組織構造のフラット化

コンポーザブル・ビジネスへの移行は、チームがより自律的に行動できるようになることで、複数の層による管理体制を変える機会となります。すでにこのような移行を開始している先進的な企業では、正式な報告関係だけでなく、柔軟で流動的な管理体制に基づくチームを編成しています。

しかし、多くの企業では、既存の階層構造を完全に見直す準備ができていません。このような企業では、自己管理を推進することに抵抗があり、チームの活動に対しては一人の人物が責任を負うことを求めてしまいます。

このような組織のアプリケーション・リーダーは、チームの自律性を高めることから始めなければなりません。適切なスキルセットと、適切な文化の両方を持つ個人が自律的に活動できるチームを試験的に作ることで、シニアリーダーとの信頼関係を築くことができます。

適応型ガバナンス・フレームワークの確立

分散アプリケーション機能は、エコシステムとして扱う必要があります。ガバナンスは、誰が特定のアプリケーションに責任を持つか、または誰が新しいアプリケーションを構築、購入、または構成する権利を持つかなど、決定権を持つ人を定義することにより、エコシステムが結合する組織を作り出します。

これにより、個々の貢献者は、自己の作業を最適化し、エコシステム全体に悪影響を及ぼすことがないようにします。未来のアプリケーションに移行する組織は、適応型ガバナンス・フレームワークを通じて、このような意思決定を民主化しなければなりません。このフレームワークによって、最も適切な場所で意思決定が行われるようになります。

アプリケーションと製品に対する資金の配分

コンポーザブル・ビジネスでは、各アプリケーション機能が独自の予算を持ち、ロードマップ提供の順序を決定します。また、ビジネスの成果と価値をどのように報告するかについても、各アプリケーション機能が決定します。

こういったことを実現するには、企業が、資金調達のプロセスを一元管理する「ガバナンス・ボード」から、プロダクト・ラインやプロダクト・マネージャーに資金を配分するプロセスへと変更する必要があります。そして、プロダクト・マネージャーは、これらの資金を使って、目標とするビジネス成果への達成に向けて意思決定を下すことができます。

ガバナンスと資金調達のプロセスを民主化することは、アプリケーション・エコシステムが適応性や柔軟性を持ち、ビジネス価値のより迅速な提供へと集中できるようにするために非常に重要です。

文化への理解と適応

コンポーザブル・ビジネスへの移行に伴い、アプリケーション・リーダーが直面する最大の課題は、組織の文化を変えることです。アプリケーション・リーダーは、CIOやその他のリーダーと協力して、まず現在の文化とは何かを確認し、将来あるべき姿のビジョンを作成し、模範を示し、新しい文化を形成する必要があります。

コンポーザブル・ビジネスに不可欠な強力なチーム体制には、次に取り上げる2つの重要な文化的原則が必要です。

  1. 信頼。リーダーシップ・モデルのほとんどは、組織の中で「高いレベル」にいればいるほど、自分の意思決定がより信頼できるものであるという前提に基づいています。意思決定プロセスを真に民主化するためには、このままではいけません。リーダーは従業員を信頼し、従業員はリーダーを信頼しなければなりません。
  2. 説明責任。信頼されるためには、説明責任を果たす必要があります。ビジネスのために正しいことを行うという信念を持たなければなりません。ここでの説明責任とは、トップダウン (「私はあなたに説明責任を果たしてもらいたい」) ではなく、組織を通じたものです (「私はあなたに説明責任を果たします」)。

このフレームワークを使用して、アプリケーション・リーダーは、シニアビジネス・リーダーと協力し、アプリケーション機能がビジネス成果をもたらす最高のエクスペリエンスを提供できるように集中します。そして、アプリケーション・リーダーは、業績を達成させるパフォーマンス力の高いチームを従業員が形成できるような環境を作らなければなりません。

【海外発 Smarter with Gartner】
本資料は、ガートナーが海外で発信している Smarter with Gartner の記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めGartnerが英文で発表した記事は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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