米国コネチカット州スタンフォード発 - 2019年1月28日 — ガートナーは、2019年の世界のIT支出総額が、2018年から3.2%増の3.76兆ドルに達する見通しを発表しました。
ガートナーのアナリストでディスティングイッシュト バイス プレジデントのジョン・デイヴィッド・ラブロック (John-David Lovelock) は、次のように述べています。「景気後退の噂、英国のEU離脱、貿易戦争、関税引き上げによって不確実性が高まっているにもかかわらず、2019年のIT支出は拡大する可能性が高いでしょう。ただし、今後どのセグメントが成長を牽引するかについては、さまざまな動きから目が離せない状況です。携帯電話、PC、オンプレミスのデータセンター・インフラストラクチャといったセグメントへの支出が飽和状態となっている一方、クラウド・サービスやモノのインターネット (IoT) 機器への支出は伸びつつあります。特に、IoT機器はデバイスを補完するものになり始めています。デバイス市場は飽和状態ですが、IoT市場はそうではありません」
ラブロックは次のようにも述べています。「ITはもはや、ビジネス運営のための単なるプラットフォームではなく、それ自体がビジネスの原動力になりつつあります。デジタル・ビジネスとデジタル・ビジネス・エコシステムが進歩するにつれて、ITはビジネスを結び付けるものになっていくでしょう」
IT支出拡大の主要因であるクラウドへの移行が進めば、エンタプライズ・ソフトウェアは引き続き堅調に成長し、2019年の世界的なソフトウェア支出は対前年比で8.5%増加すると予想されます。2020年にはさらに8.2%増えて、総額4,660億ドルになるでしょう (表1参照)。企業は2019年のエンタプライズ・アプリケーション・ソフトウェアに対する予算額を増やしており、その多くがSaaSに移行すると見込まれます。