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2019年2月5日

ガートナー速報 - 2018年、世界の半導体消費を牽引する上位10社に中国の電子機器メーカー4社がランクイン

電子機器メーカー上位10社の購買力は上昇し、Huaweiは第3位にランクアップ

米国コネチカット州スタンフォード発 - 2019年2月4日 - ガートナーは本日、2018年の主要電子機器メーカーの半導体需要に関する調査結果を発表しました。Samsung ElectronicsとAppleは2018年も半導体ベンダーにとって最大の顧客としての地位を堅持し、両社の半導体需要の合計は世界全体の17.9%を占めました。この割合は前年比で1.6%減少しましたが、電子機器メーカー上位10社の半導体需要は、2017年の39.4%から、2018年は40.2%に増加しました。

ガートナーのアナリストでシニア プリンシパルの山地 正恒は次のように述べています。「2017年に中国の電子機器メーカーは上位10社中、Huawei、Lenovo、BBK Electronicsの3社がランクインしていましたが、2018年はこれにXiaomiが加わり、4社を占めました。一方で、Samsung ElectronicsとAppleはいずれも、半導体消費の成長が大幅に減速しています。Huaweiは半導体消費を45.2%伸ばし、DellとLenovoを抑えて第3位に躍進しています」

2017年の上位10社中8社は2018年も上位10社に残り、LG Electronicsとソニーに替わって、Kingston TechnologyとXiaomiがランクインしました (表1参照)。Xiaomiの2018年の半導体消費は27億ドル増加し (前年比62.8%増)、ランクを8位上げて第10位となりました。 

表1. 世界の電子機器メーカー上位10社の2018年半導体需要 
(速報値、デザインTAMベース) (単位:百万ドル) 

TAM = Total Available Market (総市場規模)
*BBK ElectronicsにはVivoとOPPOが含まれます。 
注:四捨五入のため合計欄の値が個々の項目の合計値と異なる場合があります。 
出典:ガートナー (2019年2月) 

PCやスマートフォンの市場再編が続いていることが、半導体購入企業のランキングに大きく影響しています。特に、中国の大手スマートフォン・メーカーが、競合企業の排除や買収によって市場支配を拡大しています。結果として、電子機器メーカー上位10社の半導体消費は大幅に増加し、半導体市場全体に占めるシェアも、2017年の39.4%から2018年は40.2%に増加しました。この傾向は今後も続くと考えられるため、半導体ベンダーが高い利益率を維持することが難しくなるものと思われます。 

メモリ価格も市場に影響を及ぼしています。過去2年間、DRAM平均販売価格は高止まりしていましたが、現在は下落しています。ただし、電子機器メーカーはDRAM価格の下落に伴ってメモリの搭載量を増加させ、またプレミアム・モデルへの投資を進めるものと見込まれるため、影響は限定的です。ガートナーでは、半導体市場全体に占めるメモリチップ売り上げのシェアは、2019年に33%、2020年に34%となり、2017年の31%より拡大するものと予測しています。

前出の山地は次のように述べています。「半導体購入企業の上位10社による市場シェアはますます増加しており、半導体ベンダー各社のマーケティング責任者は、自社の人員の過半数を最も購買力のある上位10社の顧客に割り当てる必要があります。メモリ価格の下落によって利用可能となった未確定の予算をうまく活用し、顧客に高性能なチップの使用やメモリ搭載量の増加を働き掛けることが極めて重要になります」

ガートナー・サービスをご利用のお客様は、ガートナー・レポート「Market Insight: Top 10 Semiconductor Chip Buyers, Worldwide, 2018 (Preliminary)」で詳細をご覧いただけます。

【海外発プレスリリース】
本資料は、ガートナーが海外で発表したプレスリリースを一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めガートナーが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/en/newsroom/

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