米国コネチカット州スタンフォード発 - 2020年7月28日-ガートナーは、世界の5Gネットワーク・インフラストラクチャの支出が、2020年には2019年のほぼ倍となる81億ドルに達する見通しを発表しました。
2020年の世界の無線インフラストラクチャ支出総額は4.4%減の381億ドルに達すると予測されます。5Gネットワーク・インフラストラクチャへの支出は、2019年には通信サービス・プロバイダー (CSP) による無線インフラストラクチャ支出全体の10.4%を占めていました。2020年にはこの数字が21.3%に達する見通しです (表1参照)。
アナリストでシニア ディレクターの瀧石 浩生は次のように述べています。「無線インフラストラクチャへの投資は引き続き促進されていきます。LTEおよび4G投資の削減、ならびに無線周波数帯域、基地局、コア・ネットワーク、トランスポート・ネットワークなどの既存資産を再利用しながら、5Gプロジェクトを優先するCSPが増えています。先進国で5Gを早期に商用化したCSPの存在は、世界での5G競争を激化させています。それらに加えて、政府や規制当局はモバイル・ネットワークの開発を促進しており、モバイル・ネットワークが多くの業界で幅広い経済成長の『触媒』となることを期待しています」
CSP間の競争の激化は、5Gの導入ペースを加速させています。新しいO-RAN (Open Radio Access Network) とvRAN (仮想化無線アクセス・ネットワーク [RAN]) のエコシステムは、現在のベンダー・ロックインを打破し、将来的にはコスト効率が高く俊敏な5G製品を提供することで、5Gの採用をさらに促進する可能性があります。ガートナーは、中国 (中国、台湾、香港)、日本を含むアジア太平洋地域の成熟国、北米のCSPによる5Gの人口カバー率が、2023年までに95%に達すると予測しています。