データセンター・システムへの支出は、2021年には5.2%と2番目に高い成長を遂げる見込みです。これは、ハイパースケーラーがグローバル・データセンターの構築を加速するほか、一般組織もデータセンターの拡張計画を再開し、スタッフの物理的なオンサイトへの復帰を許可するためです。
組織がリモートワーク優先の環境にシフトしたことで、2020年のクラウド・アクティビティは増加しましたが、エンタプライズ・クラウドへの支出は複数のカテゴリに分類されるため、2021年まではベンダーの売り上げに反映されないでしょう。
ラブロックは次のように述べています。「今年の4~8月頃に生じた支出の減速は、クラウド・サービス・プロバイダーの『試用プログラム』とも相まって、2020年のクラウド関連の売り上げを減少させています。パンデミック期間を通じて、クラウドは機能すると実証されました。支出の増減はさておき、この2020年における需要の増減への柔軟な対応はクラウドの力を裏付けています。これにより、2022年までクラウドの普及が加速するでしょう」
「売り上げが不安定となり、キャッシュフローの重要性が一段と高まったことから、CIOは現在、価値実現までの時間が最も短いITプロジェクトを優先させています」(ラブロック)
またラブロックは次のように付け加えています。「企業が対応すべきIT課題は多いものの、そのために使用できる資金は少ないことから、携帯電話やプリンタの更新など、猶予のある領域から予算が削られており、デバイスや通信サービスといったセグメントの成長率が低くなっています。その代わりにCIOは、サービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS) やCRMソフトウェアなど、デジタル・ビジネスを加速する分野への支出を拡大しています」
ITの使命が成長ではなくビジネスの存続になっているため、今後のデジタル・トランスフォーメーションにおいて、投資を正当化する対象は、パンデミック前と同じものではなくなるでしょう。
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CIOをはじめとするITリーダーにとって世界で最も重要なコンファレンスである「Gartner IT Symposium/Xpo 2020」では、CIOのリーダーシップに関するさらなる分析や、テクノロジとビジネス戦略に対するアプローチを再構築する方法について紹介します。ITリーダーは、本コンファレンスに参加することにより、ビジネス課題の解決とオペレーションの効率化を目的としたIT活用法についての知見を得られます。
「Gartner IT Symposium/Xpo」(バーチャル開催) の今後の開催日時と地域は以下のとおりです。
10月27~29日:アジア太平洋
11月9~12日:欧州・中東・アフリカ
11月17~19日:日本
11月23~25日:インド
日本では、来る11月17~19日、「Gartner IT Symposium/Xpo 2020」をバーチャル (オンライン) で開催します。コンファレンスのニュースや最新情報はTwitterでもご覧いただけます (#GartnerSYM)。
【海外発プレスリリース】
本資料は、ガートナーが海外で発信したプレスリリースを一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めガートナーが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
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*内容を一部修正しました。
2020年のIT支出総額は、2019年から5.4%減の3.6兆円となる見込みです。
→2020年のIT支出総額は、2019年から5.4%減の3.6兆ドルとなる見込みです。