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2021年1月28日

Gartner、2021年の世界IT支出の成長率を6.2%と予測

デジタル・トランスフォーメーションの加速がCOVID-19によるIT支出の減速を緩和

米国コネチカット州スタンフォード発、2021年1月25日 — Gartner, Inc. (以下Gartner) は、2021年の世界のIT支出総額が、2020年から6.2%増の3.9兆ドルに達するという見通しを発表しました。2020年のIT総支出額は、2019年から3.2%減少しましたが、これはCIOがパンデミックの初期段階にミッション・クリティカルなテクノロジやサービスへの投資を優先したためです。

2020年は、リモートワーク、教育、社会的なニュー・ノーマルへの需要に応えるため、前例のないスピードでデジタル・トランスフォーメーションが加速しました。ロックダウンとソーシャル・ディスタンスへの対策は、2021年に向けたIT支出に対するパンデミックの負の影響を図らずも緩和する結果となりました。

ディスティングイッシュト バイス プレジデントのジョン・デイヴィッド・ラブロック (John-David Lovelock) は、次のように述べています。「CIOは2021年、キャッシュ・フローの維持とIT支出の拡大との間でバランスを取る必要があります。経済が確実な水準に戻りつつある今、企業は現在の収益レベルではなく、成長への期待に沿うIT投資を行っています。価値実現までの時間が短いITプロジェクトを中心に、デジタル・ビジネスは2021年に向けてより多くの資金と経営層からの注目を集めるでしょう」

IT支出は全セグメントにおいて、2021年に増加が見込まれています (表1参照)。エンタプライズ・ソフトウェアは、リモートワーク環境の拡大・改善に伴い、2021年には最も力強い回復が見込まれています (8.8%)。デバイスは2番目に高い成長を遂げ (8%)、その支出は7,054億ドルに達する見込みです。

表1. 全世界におけるIT支出予測 (単位:百万米ドル)

出典:Gartner (2021年1月)

注:それぞれの領域には以下が含まれます。

● データセンター・システム:サーバ、ストレージ、通信機器、ユニファイド・コミュニケーション・ツールなど
● エンタプライズ・ソフトウェア:業務アプリケーション、インフラストラクチャ・ソフトウェア、業種特化アプリケーション
● デバイス:PC、ドキュメント管理製品 (コピー機とプリンタ)、モバイル機器、タブレット
● ITサービス:コンサルティング、実装、マネージド・サービスおよびクラウド・インフラストラクチャ・サービス、
   ビジネス・プロセス・アウトソーシング
● 通信サービス:固定/モバイル通信サービス

ラブロックは次のように述べています。「デバイス・セグメントの高い成長要因はいくつか挙げられます。各国が2021年も遠隔教育を継続する中、学生向けのタブレット端末やノートPCの需要が見込まれます。同様に、企業は感染対策として従業員の在宅勤務を継続しており、従業員のリモートワークを制度化しつつあります。予算が安定化することで、CIOは2020年に注力したアセットへの再投資が可能となっています」

2024年まで、企業はリモートワークとデジタル・タッチポイントが恒久的に増加する新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 後の世界で存続するために、デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションを少なくとも5年以上は加速せざるを得なくなるでしょう。リモートワークに関連する世界のIT支出は2020年から4.9%増加し、2021年には3,329億ドルに達する見通しです。

「デジタル・ビジネスは2020年後半から2021年初頭にかけての主要なテクノロジ・トレンドであり、クラウド・コンピューティング、基幹ビジネス・アプリケーション、セキュリティ、カスタマー・エクスペリエンスなどの分野が最前線にあります。ハイパーオートメーションなどの最適化の取り組みは今後も継続され、キャッシュの還元と作業の排除がこれらのプロジェクトの焦点となることに変わりありませんが、最適化の対象はタスクだけではなくプロセスへと拡大するでしょう」(ラブロック)

COVID-19のワクチンが一部の国では利用可能になりましたが、政府の医療介入は2021年中も依然として必要となる見通しです。Brexitや米中経済摩擦などのCOVID-19以外の地政学的要因も、一部地域の回復を阻害するでしょう。

多くの国が早期に回復する可能性はあるものの、世界的なIT支出が2019年のレベルに戻るには2022年までかかるでしょう。飲食、旅行、エンタテインメントといった人が集まる産業は、長期的に低迷するでしょう。

ラブロックは次のように述べています。「COVID-19は多くの産業の「デジタル化の均衡点 (techquilibrium)」をシフトさせました。社内プロセス、サプライチェーン、顧客やパートナーとのやりとり、サービス提供のデジタル化が2021年にはさらに進み、ITがビジネスをサポートする側からビジネスそのものへと移行することが可能になります。2021年の最大の変化は、ITの資金がどのように調達されるかであり、必ずしもITの資金がどの程度調達されるかではありません」

世界のIT支出の展望については、以下の無料ウェビナーで詳細な分析をご確認いただけます。「IT Spending Forecast, 4Q20 Update: Recovery in 2021 but Recovered in 2022」

先進トレンド、CIOならびにITリーダーの次なる課題とアクションについてはGartner ebook「Top Priorities for IT: Leadership Vision for 2021」をご覧いただけます。

GartnerのIT支出予測は、IT製品およびサービスの全範囲にわたる、何千ものベンダーの売り上げに対する厳密な分析に基づいています。ガートナーは、一次調査の手法を二次的な調査資料によって補完することで、予測の基礎となる市場規模データの包括的データベースを構築します。

Gartnerが四半期ごとに発表しているIT支出予測は、ハードウェア、ソフトウェア、ITサービス、通信の各セグメントでのIT支出に関して独自の見解を提供します。このレポートは、Gartnerのお客様が市場機会と課題を把握する上で役立つものです。弊社のお客様は、最新のIT支出予測調査を「Gartner Market Databook, 4Q20 Update」でご覧いただけます。最新のIT支出に関連するレポート、ウェビナー、ブログ、プレスリリースなどへのリンクも紹介されています。

ガートナーのサービスについては、こちらをご参照ください。
https://www.gartner.com/jp/products

 

【海外発プレスリリース】
本資料は、Gartnerが海外で発信したプレスリリースを一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めGartnerが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/en/newsroom/

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