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2022年8月22日

Gartner、ITベンダーに内在するリスクへの対策状況に関する調査結果を発表

ほとんどの国内企業が、取引先ITベンダーにおける「サステナビリティ・リスク」への 対策を十分に進めていないことが明らかに

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、国内企業の取引先ITベンダーに内在するリスクへの対策状況に関する調査結果を発表しました。

本調査では、サステナビリティを含む、取引先ITベンダーに内在する各種リスク (*) への国内企業の対策状況を尋ねました。その結果、ITベンダーの各種リスクへの対策の中で、サステナビリティ・リスクに関する対策を十分に講じている国内企業の割合は最も低い10%にとどまりました (図1参照)。

図1. ITベンダーの各種リスクへの対策を十分に講じている企業の割合

出典:Gartner (2022年8月)

(*) Gartnerは、ITベンダーに内在する主なリスクとして以下を挙げています。
・財務リスク:ITベンダーの倒産や経営悪化により、ベンダーの提供サービスが停止・劣化する。
・オペレーショナル・リスク:ITベンダーの稼働率低下や障害発生、事業継続計画 (BCP) の不備によりビジネスが止まる。
・サイバーセキュリティ・リスク:ITベンダーのセキュリティ脆弱性により、インシデント (障害、事故) が発生する。
・法規制/コンプライアンス・リスク:ITベンダーの法令や規制違反により、ユーザー企業も規制当局から罰せられる。
・戦略リスク:ITベンダーのビジネス戦略により強制的にサービスが終了される、あるいはロックインされてしまいサービスを止められなくなる。
・地政学リスク:ITベンダーがサービスを実施する国や地域の要因により、提供サービスが不安定化する。
・サステナビリティ・リスク:ITベンダーのサステナビリティの低下により、ユーザー企業の企業価値の低下ならびにビジネス継続に支障を来す。

アナリストでシニア ディレクターの土屋 隆一は次のように述べています。「国内企業では一般的にIT業務の外部依存率が高いため、取引するITベンダー側のサステナビリティへの取り組み状況によって、自社のサステナビリティは大きく影響を受けることを認識する必要があります。取引先のサステナビリティが低下することによって、自社のサプライチェーンへの対応が不十分と見なされ、結果的に企業価値の低下ならびに企業側のビジネス継続にも重大な支障を来す可能性があります」

ITベンダーのサステナビリティ・リスクへの対策が低迷している理由としては、以下が考えられます。1) ステークホルダーを意識した経営への優先度が低く、サステナビリティへの対応そのものを実施していない、2) 経営レベルではサステナビリティの重要性を認識しているものの、取り組み対象となるステークホルダーにITベンダーが含まれていない、3) サステナビリティ・リスクと他のリスク項目の管理内容に一部重複する部分があるため、他のリスクへの対策を取ることで充足させている。

土屋は次のように述べています。「ソーシング/調達/ベンダー管理を担うリーダーは、まずは自社のサステナビリティ・ガイドラインの存在の有無についての確認、ならびにステークホルダーの一員としてITベンダーを全社活動の対象に含めるなどの必要な対策を確認すべきです」

Gartnerは来る10月31日~11月2日にGartner IT Symposium/Xpo 2022 (グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール) を開催します。リーダーシップ、テクノロジ・イノベーション、ビジネス戦略に関する知見が結集する本コンファレンスでは、CIOやITエグゼクティブに対して、テクノロジの将来の方向性、IT戦略の策定/検証におけるベスト・プラクティス、主要イニシアティブの実行例について、知見や、エキスパートによるガイダンスを提供します。なお、本プレスリリースに関連する内容は、前出の土屋が「ベンダーのサステナビリティを評価する方法」(11月2日、16:20~16:50) で解説します。
コンファレンスのニュースと最新情報は、Twitterでご覧いただけます (#GartnerSYM)。

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「ITベンダーの『サステナビリティ』を追求せよ」で、詳細をご覧いただけます。また、「ビジネス上の混乱を避けるための『ベンダー・リスク管理』」で体系的なITベンダー・リスク管理についての解説をご確認いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

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