2020年代を形成する7つのマクロ要因

2021年5月10日

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) によりビジネス環境は急変しましたが、経営者は、パンデミックの先を見据え、2020年代のビジネスを形成する他のグローバルな課題にも目を向けなければなりません。

COVID-19について、メディアが大きく取り上げていますが、COVID-19はこれから先の10年間にビジネスのあり方を再構築する7つの重要なマクロ要因のうちのひとつに過ぎません。世界的なパンデミックは、ビジネス界に長期的かつ広範囲に及ぶ影響をもたらすでしょう。しかし、組織的な不信感、国際関係の弱体化、気候変動など、マクロ・ビジネス環境分野におけるその他の変化も消え去ってはいません。

2020年代において、経営者は、多くの課題に取り組まなければなりませんが、こうした混乱の中から新たなビジネスチャンスも生まれるでしょう。

ガートナーのディスティングイッシュト バイス プレジデント, アナリストであるマーク・ラスキーノ (Mark Raskino) は、「COVID-19のパンデミックは、すでに経済が危機的状況だった時期に起こりました。実質的には、低金利融資や低コスト電力が生み出した10年間に及ぶ好景気が、高レバレッジ債券、国際的な提携の崩壊、そしてバブル時のような資産価格などの構造的ストレスを引き起こしました。これらはすでに清算のタイミングを逸していました」と述べています。

1. 世界的な感染拡大 (パンデミック)

COVID-19の影響は、パンデミックがどれだけ長く続くかによって大きく変わります。短期間で終息すれば、人々はより迅速に、パンデミック前の経営方法に戻っていくことでしょう。例えば、9.11の後では、人々が普通に飛行機に乗れるようになるまでに3年かかりました。パンデミックが長期間終息しなければ、社会的な影響が長く続く可能性も高くなります。例えば、世界大恐慌は数十年にわたって人々の食生活に影響を与えました。

詳細を見る (英語):Gartner Top 10 Strategic Predictions for 2021 and Beyond

パンデミックが個人の衛生意識や対人距離に関する基準、社会的な集まりや家族との交流、貯蓄率、消費者の購買習慣など、社会的行動にどのような影響を与えるかを考えてみる必要があります。

2. 株価下落と景気後退

COVID-19は、2020年の株価下落とその後の回復に対して目に見える触媒のような働きをしましたが、現実には、市場はすでに脆弱で不安定な状態でした。実際、ガートナーの調査によると、半数のCEOが2018年と2019年には景気の低迷を予測し、それに対して準備をしていたことが明らかになっています。今回の景気後退は、2002年から2003年にかけてと2009年のものは異なっています。しかし、COVID-19による深刻なダメージに加え、株価下落の後に、不安定な状態が長引くことについては誰も予想していませんでした。

デジタル・ビジネス・ジャーニーを加速するために、より良いインフラや目標への要求に向けた、リモートワークやデジタル・コマースの活用を進めるべきです。

3. 不信感の連鎖

COVID-19以前から、世界規模で消費者や市民の信頼感は過去最低の水準でした。現在では、国境の閉鎖、ワクチン争奪戦、マスクやルールに関する議論によって、かつては良好な関係を築いていた貿易相手であったとしても、「他者」への不信感と相まって、溝がさらに広がる恐れがあります。しかし長期的には、ウイルスという共通の敵が、共感、共通の目的、協力を呼び起こす可能性もあります。

一方で、経営者は、消費者が昔ながらのブランドに忠誠心を持ち続けるのか、あるいは限定品を供給しているブランドに乗り換えるのかを把握する必要があります。
CEOは、COVID-19に対応し、困難な意思決定を下す必要がありました。

このような行動が、ブランドに対する態度を決定的に変化させたかどうかを評価すべきです。顧客に対し、オープンで、偽りのない共感を呼ぶEメールを送るなど、個人的なつながりをより深める試みは、不信感を拭い去るのに役立つかもしれません。

4. 低迷する生産性

生産性の伸び悩みと、効率性・生産性への注力不足は、過去10年間の経済成長とは相反するものでした。COVID-19によって、企業運営は複雑になり、生産性はさらに低下しました。社会的距離を確保すべき状況において、経営コストは増加し、COVID-19以前の生産性に戻すためには抜本的な見直しを余儀なくされています。

生産性向上のための改革を進めるため、大胆な目標を設定します。

詳細を見る (英語):7 Traits of Highly Successful Digital Leaders

5. 環境問題

2020年の初頭、気候変動は長期的なビジネス戦略や計画を立案する上でも最重要課題となりました。COVID-19により一時的に影を落としたものの、依然として、気候変動が業界に影響を与える要因と見なしているCEOは半数にのぼります。

ロックダウンや出張の削減などから、一時的に環境が改善されたことに惑わされることなく、これらの結果に目を向けることで、これらの結果に目を向け、ビジネス戦略を見直すべきです。気候変動を緩和するために設計された大規模なインフラ・プロジェクトは、一部の地域では景気刺激対策への資金再配分のために遅れる可能性があり、代替となる二酸化炭素削減戦略を考案する必要があることに留意してください。

6. 人材不足

世界中で失業率が上昇しているにもかかわらず、人材不足が経営者を今後も悩ませるでしょう。COVID-19によって失業率と不完全雇用率が増加しましたが、新たに需要のある人材の確保はまだできていません。重要な人材が少しでも不足すれば、市場での地位に悪影響を及ぼしたり、その地位が失われたりすることがあります。

COVID-19後の世界では、どのようなスキルセットが必要になるかを再考し、この不況下にこそスキルの再教育プログラムを開始または強化します。アジャイル・ラーニングを経営の基本理念として導入し、リモートワークやギグ・エコノミーといった選択肢を見直すことで、人材の供給源を広げる方法を検討します。

詳細を見る (英語):Build the Workforce You Need Post-COVID-19

7. テクノロジの進化

テクノロジの進化は、当然ながら今後10年間に大きな影響をもたらすでしょう。AI、ブロックチェーン、量子コンピューティング、そしてマシン・カスタマー (人ではなく、機械により自動化された顧客) の大規模な到来によって、組織や社会の運営方法が変化するでしょう。市場の混乱がより頻繁に起こり、デジタルの次に何か新しいものが出現するでしょう。自律型ビジネス、これが、今後の10年間の状況を変化させるでしょう。

詳細を見る:ガートナー 2021年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド

【海外発 Smarter with Gartner】
本資料は、ガートナーが海外で発信している Smarter with Gartner の記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含めGartnerが英文で発表した記事は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

また本資料は、新しい出来事、状況、リサーチを反映するために、2020年7月27日付けオリジナル版から更新されています。

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