ガートナーの「AIのハイプ・サイクル:2021年」で注目すべき4つのトレンド

2021年11月16日

機械学習、コンピュータ・ビジョン、チャットボット、エッジAIの高度化が進み、導入が促進されている中、2021年版の本ハイプ・サイクルで主流となっている4つのトレンドをご紹介します。

自然言語処理 (NLP) や、ジェネレーティブAI、ナレッジ・グラフ、コンポジットAIといった先進テクノロジの利用を通じて、新製品の開発、既存製品の改良、顧客基盤の拡大のためにAIソリューションを活用する組織が増えています。

しかし、組織が最も重点を置いているのは、概念実証 (POC) を本稼働に移すスピードを加速することです。そのため、AIを取り巻く環境において2021年版では以下の4つのトレンドに集約されます。

  • AIイニシアティブの運用化
  • データ、モデル、コンピューティングの効率的な利用
  • 責任あるAI
  • AIのためのデータ

今すぐダウンロード (英語): Reinforce Your Artificial Intelligence (AI) Ecosystem

ガートナーの「AIのハイプ・サイクル:2021年」で注目すべき4つのトレンド

トレンド1:AIイニシアティブの運用化

大半の組織にとって、エンタプライズ・アプリケーションとビジネス・ワークフローでAIソリューションのデリバリと統合を継続的に行うことは、複雑な後付け作業になっています。

ガートナーのアナリストでシニア プリンシパルのシュバンギ・バシースト (Shubhangi Vashisth)  は、次のように述べています。「AIベースのモデルをビジネス・ワークフローに統合させ、目に見える価値を生み出せるようになるまで、平均して約8カ月かかりますが、AIプロジェクトの失敗を減らすために、組織はAIアーキテクチャを効率的に運用化する必要があります」

AIオーケストレーションのイニシアティブが急速に成熟していることから、2025年までに、70%の組織がAIアーキテクチャを運用化するようになるとガートナーでは予測しています。

AIソリューションを運用化するためには、AIモデルの運用化 (ModelOps) を検討する必要があります。ModelOpsは、原則に基づくアプローチによって成功率を確実に高め、AIモデルをパイロットから本稼働へ移行するまでの期間を短縮します。また、あらゆるAIモデル (グラフ、言語、ルールベース・システムなど) と意思決定モデルのガバナンスとライフサイクル管理のためのシステムを実現することも可能です。

トレンド2:データ、モデル、コンピューティングの効率的な利用

組織が継続的にAIのイノベーションを進めるのに伴い、データ、モデル、コンピューティングといったすべてのリソースを効率的に利用することも必要になります。

例えば、コンポジットAIでは現在、ディープ・ラーニングのような「コネクショニスト」のAIアプローチと、ルール・ベースの推論/グラフ分析/エージェント・ベースのモデリング/最適化手法のような「シンボリック」AIアプローチを組み合わせようとしています。とりわけ、これらの手法を組み合わせることで、より広範囲にわたるビジネス問題を効率的に解決するコンポジットAIシステムが実現します。

組織は、ジェネレーティブAIを適用して、オリジナルのメディア・コンテンツ、シンセティック・データ、物理的オブジェクトのモデルを作成できます。例えば、ジェネレーティブAIを使用して、強迫性障害 (OCD) の治療薬が12カ月足らずで開発されました。2025年までに、新薬や新材料の30%以上がジェネレーティブAI手法を用いて体系的に発見されるようになるとガートナーでは予測しています。

今すぐ聴く (英語): Behind the Research: The Gartner Hype Cycle

トレンド3:責任あるAI

AIが人間に代わって本格的に意思決定を下すようになればなるほど、その意思決定によるプラスとマイナスの影響が増大します。これを放置していると、AIベースのアプローチによってバイアスが残り、問題を引き起こしたり、生産性や売り上げの低下を招いたりする可能性があります。

アルゴリズムは、典型的な女性の名前や、支配的な人種層の郵便番号など、プロキシ・パラメータから性別や人種を推測することはできますが、潜在意識にあるバイアスを特定するのは困難です。例えば、Webサイトへのクリック数が年齢差別につながる可能性があることをデータ・サイエンティストは見逃しているかもしれません。AIは欧米の典型的な結婚式については完璧に分類しますが、その際、インドやアフリカにおける結婚式には目が向いていない可能性があります。

企業は今後、公平性と透明性を備えたAIシステムを開発および運用し、安全性、プライバシー、社会全体に配慮する必要があります。

トレンド4:AIのためのデータ

30%+

2025年までに、新薬や新材料の30%以上がジェネレーティブAI手法を用いて体系的に発見されるようになるでしょう。

 

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックのような混乱が起こると、過去の状況を反映している履歴データは瞬く間に陳腐化し、AI/MLの本稼働モデルの多くが崩壊します。

D&AリーダーやITリーダーは今、「スモール・データ」や「ワイド・データ」と呼ばれる新しいアナリティクス手法に目を向けています。こうした手法を組み合わせることで、大量のデータからではなく、構造化されていない多様なデータ・ソースから多くの価値を引き出し、利用可能なデータをより効果的に活用できるようになります。

2025年までに、70%の組織は、アナリティクスにより多くのコンテキストを与え、AIが必要とするデータ量を減らすために、ビッグ・データからスモール・データ、そしてワイド・データへの重点移行を余儀なくされるとガートナーでは予測しています。

 

【海外発の Gartner Articles】
本資料は、ガートナーが海外で発信している記事を一部編集して、和訳したものです。本資料の原文を含め Gartner が英文で発表した記事に関する情報は、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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