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2022年4月7日

Gartner、日本企業のアプリケーションの近代化に関する調査結果を発表

近代化の推進理由はアプリケーションの複雑性の解消、期待する効果はコスト削減であることが明らかに

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、日本企業のアプリケーションの近代化に関する調査結果を発表しました。調査からは、多くの企業にとってアプリケーションの近代化の取り組みを推進する理由はアプリケーションの複雑性の解消、最も期待する効果はコスト削減であることが明らかになりました。2025年までに、日本企業におけるアプリケーション近代化に期待する主な効果は、コスト削減が最も多く、ビジネス成長に向けた近代化が改めて必要となるとGartnerは予測しています。

デジタル・トランスフォーメーション (DX) は、大きなターニング・ポイントを迎えています。デジタル・テクノロジの浸透による顧客・市場の変化に加え、長引く新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) や自然災害、世界情勢などによる不測の事態の影響は、ビジネスモデルのレベルにまで及んでいます。企業は、業務が複雑かつ高度になり、迅速で柔軟な対応を迫られる中、ビジネスの成長につながるDXに尽力しています。

アナリストでシニア ディレクターの飯島 公彦は次のように述べています。「DXを成功させるためには、新しい発想でテクノロジを駆使してビジネス価値を実現する必要があります。その際、ビジネスを支えるアプリケーションが、変化に迅速に対応できることが重要なのですが、日本企業が現在利用している業務アプリケーションの多くは、COVID-19をはじめとする度重なる想定外の変化に対応できていない状況です。ITリーダーは、ビジネス成長を支えるために、変化への対応力に優れたアプリケーション、すなわち、ビジネスの成長に寄与できるアプリケーションの近代化に注力すべきです」

Gartnerが2021年11月に実施した業務アプリケーションの近代化に関するユーザー調査の結果、俊敏性の足かせとなっているレガシー・アプリケーションの近代化に取り組む企業のほとんどでは、取り組みが道半ばであり、完了までに、さらに数年を要することが明らかになりました。また、同調査で近代化が必要になった理由として最も多くの企業が挙げた回答はアプリケーションの複雑性を解消することでした。

飯島は次のように述べています。「アプリケーションの複雑性を解消することは容易ではなく、時間がかかる上にコストも莫大となることから、多くの企業では、レガシー資産の近代化と新規アプリケーションの構築を並行して進める取り組みが加速しています」

同調査では、近代化に期待する効果についても尋ねています。最も多く挙げられた項目の上位3つは、「稼働環境/インフラ・コストの削減」(47.9%)、「業務コストの削減」(44.0%)、「アプリケーション保守コストの削減」(41.2%) で、いずれもコスト削減に関するものでした。

アプリケーションの近代化では、もっぱら既存コストを削減する手段として捉えられ、ビジネスの成長手段としての視点が盛り込まれていないケースが多く見られます。加えて、提供すべきビジネス価値が激しく変化する中で、ビジネスモデルや業務の前提が大きく変化しているにもかかわらず、多くの企業において、アプリケーションの近代化の取り組みが、業務の現状維持を前提として進められています。その結果、アプリケーションが根本的に目指すべき姿をビジネス視点で見直さず、本来必要であるはずのアーキテクチャの変革が行われないか、不十分なものとなっています。

飯島は次のように述べています。「近代化は1回で終わるものではなく、複数年にわたって継続的に取り組む必要があります。ITリーダーは、変化や状況を即座に正しく把握し、最適な意思決定を迅速に下す能力を備えるインテリジェント化、変化に応じて業務を迅速に変更できるコンポーザブル化に向けて、最適なアーキテクチャに基づくアプリケーション構築を、必要なところから段階的に進める取り組みを直ちに開始すべきです。そして、こうしたアプリケーションを実現・活用できる人材を、ビジネス部門にも増やす民主化も並行して推進することが重要です。このとき、アプリケーションの複雑性を解消するための多大な費用については、企業の収益増加や顧客満足度の向上、従業員のパフォーマンスや満足度の改善など、コスト削減にとどまらないビジネス価値を高めるシナリオを描いて説明していくことも必要です。今や、アプリケーションには、ビジネス成長を担うことが、かつてないほどに求められており、ITリーダーには、ビジネス成長を担う当事者として直接的に関わるという、大きな意識変革と行動が求められています」

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「2022年の展望:変化への対応力に優れたアプリケーションで成長を加速せよ」で詳細をご覧いただけます。

日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

Gartnerは来る6月16~17日に、ガートナー アプリケーション・イノベーション&ビジネス・ソリューション サミット 2022をバーチャル (オンライン) で開催します。本サミットでは、継続的な変化に迅速に対応しつつビジネスに貢献するアプリケーションの実現について、各種トレンド、コンセプト、テクノロジの最新情報を提供いたします。コンファレンスのニュースと最新情報は、Twitterでご覧いただけます (#GartnerAPPS)。

日本のITエグゼクティブ向けのニュースや最新情報は、GartnerのTwitterFacebookでも案内しています。最新のプレスリリースや記事、ウェビナー情報については、こちらよりご参照ください。

Gartnerについて

Gartner, Inc. (NYSE: IT) は、お客様のミッション・クリティカルな課題について、より優れた意思決定と大きな成果へと導く実行可能かつ客観的な知見を提供します。詳細については下記Webサイトでご覧いただけます。

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