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2023年5月8日

Gartner、従業員のITリテラシーの向上のために企業が取り組むべき4つのアクションを発表

デジタルを前提としたワークプレースにおいては、従業員のITリテラシーの向上が不可欠に

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、デジタルを前提としたワークプレースにおける人材投資を企業戦略上の重要項目と位置付け、これに不可欠な従業員のITリテラシーの向上に向けて、企業が取り組むべき4つのアクションを発表しました。

デジタル・ワークプレースは、魅力的で柔軟性の高い職場環境を活用して、従業員のデジタル・デクステリティ (テクノロジを適用してビジネス能力を高めようとする意欲や能力) を高めるビジネス戦略を指します。2023年時点において、多くの企業では、リモートで働く人がいることを前提としたオフィスの在り方について本格的な検討が進み、ハイブリッド・ワークを当たり前のように受け入れ、働き方を根本的に再考する機会をもたらしています。それに加えて、リモートかオフィスかにとどまらず、人を中心とした働き方の在り方が議論され、従業員自身が自分にとって最も働きやすく、生産性の上がる場所や時間で働くことが求められます。

ディレクター アナリストの針生 恵理は次のように述べています。「従業員の働き方や働く環境を考え、人が集まる魅力的な企業となることは不可欠であり、企業におけるデジタル・ワークプレース変革への取り組みの重要性が増しています。企業は、デジタル・ワークプレースをオフィス中心ではなく人間中心に考えていくとともに、デジタル・デクステリティの向上を目指し、従業員のITリテラシー向上計画の策定に早期に取り組む必要があります」

企業が取り組むべき4つのアクションは以下になります。

従業員がITリテラシーを向上させられる機会を継続的に設ける

ITリテラシーの向上とは、ITスキルの習得だけでなく、それを使いこなす能力の向上も意味します。それには、PC操作などの基本的なITスキルにとどまらず、セキュリティやデータ活用など、より高いスキルも含まれます。企業は、従業員のITリテラシー向上のために、研修などの集合型トレーニングの実施、各ビジネス部門にITスキルを浸透させるための実践コミュニティ (CoP) の設置と推進、ワークショップの実施、それに従業員自ら学べるセルフ・トレーニングの機会を増やすなど複数のアプローチを組み合わせて推進することが重要です。

Gartnerは、2026年までに、企業の60%において、デジタル・ワークプレースを推進するCoPがビジネス部門に設置される​とみています。

ITスキルをビジネスと連動させ、目的に合わせて体系化する

さまざまなスキル向上の取り組みが行われていますが、やみくもに取り組んだ結果、どのスキルをどの従業員に身に付けさせるかが定まらず、漠然としたものになってしまっているケースが散見されます。身に付けるべきスキルを内容によって、1) コア・スキル (全社員が身に付けておくべきスキル)、2) ロール別スキル (職務にひも付くもので、現在持つべき、および将来に向けて持つべきスキル)、3) 差別化スキル (将来の企業競争力につながるスキル) の3つに分類し体系化します。

スキル・ロードマップを定期的に見直し、短期間で学べるアジャイルな方法を取り入れる

必要となるスキルは変化するため、定期的なスキル・ロードマップの見直しと、継続的にスキルをアップデートさせるアジャイルな仕組みが必要となります。例えば、ビジネス・ニーズの変化に応じて、必要なスキルを定義し、仕事のフローに学習を組み込む、各役職への昇進タイミングで必ず身に付けるべきスキルを定義し、キャリア・ロードマップとITスキルを連動させるなど、よりビジネスに寄り添った教育体系を作り上げることが求められます。特に差別化スキルは、企業のDX推進とひも付けることで目的に沿ったスキルを定義することができます

スキル向上の意義を周知する

スキルの獲得は、会社や組織のためだけではなく、自身のキャリアを向上させ、変化に対する将来の保証となり、自身の価値を高めるという意味を持ちます。スキルを身に付けた優秀な人材は条件のより良いところへ転職してしまう可能性もあることから、企業は従業員に対し、ラーニングの手段を提供するだけでなく、「この会社にいると自分が成長できる、元気になれる、新しいスキルを獲得してビジネスで活躍できる」といった意識付けを行うことが最も重要です。

針生は次のように述べています。「これからのデジタル・ワークプレースにおいて、デジタルに適応した人を育てることは必須となります。ビジネス部門を含むすべての従業員は、デジタル・デクステリティを高め、自分の仕事を時代変化に合わせて変えていく必要性が増しています。一方、これまでのIT教育は必ずしもこの変化にマッチしたものとは言えず、獲得すべきスキルの再定義や獲得のための新たなアプローチが求められています。企業は、人材投資を戦略上の最重要項目と位置付け、従業員のITリテラシー向上、ビジネス部門側のITリーダーの創出に取り組む必要があります」

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「クイック・アンサー:従業員のITリテラシー向上のために企業は何を行うか」ならびに「2023年の展望:新たなデジタル・ワークプレースに備える」で詳細をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

Gartnerは2023年8月29~30日に、ガートナー デジタル・ワークプレース サミットを東京コンファレンスセンター・品川にて開催します。本サミットでは、組織が働き方を変えてハイブリッド&フレキシブル・ワークにおいて成功を収めるために押さえておくべき最重要課題、最新トレンド、テクノロジに関する知見を提供します。コンファレンスのニュースと最新情報は、Twitterでご覧いただけます (#GartnerDW)。

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Gartnerについて

Gartner, Inc. (NYSE: IT) は、お客様のミッション・クリティカルな課題について、より優れた意思決定と大きな成果へと導く実行可能かつ客観的な知見を提供します。詳細については下記Webサイトでご覧いただけます。

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