2026年8月27日
2026年8月27日
企業の62%がデジタル人材育成に積極的に取り組む一方、従業員の55%は教育に不満/AI時代は「学習」から「実践」への転換が必要
ビジネスおよびテクノロジのインサイトを提供するガートナージャパン株式会社 (以下Gartner) は、開催中のガートナー デジタル・ワークプレース サミットにおいて、AI共生時代に求められる従業員のデジタル人材育成に関する見解を発表しました。
生成AIの急速な普及を背景に、企業は従業員のAIリテラシー向上やデジタル人材育成への関心を高めています。しかしその一方で、Gartnerの調査から、多くの企業が教育施策に取り組んでいるものの、成果につなげられていない実態が明らかになりました。
Gartnerは、2026年4月に企業内個人を対象に自社のデジタル・スキル教育についての取り組みと満足度についての調査を実施しました。その結果、「積極的に取り組んでいる」と回答した従業員の割合は62.3%である一方で、55.1%は自社のデジタル・スキル教育に対して不満を感じていることが浮き彫りになりました (図1参照)。
出典:Gartner (2026年8月)
同調査では、デジタル・スキル教育の満足/不満足の理由についても尋ねていますが、満足している従業員は、「学ぶ機会や環境の提供」「研修方法が適切」「仕事に役立つ内容」を上位に挙げています。一方、不満足の理由では、「本業が忙しくて時間が取れない」「評価に十分反映されていない」「教育に対する上司・経営層の理解や支援が不足している」点が挙げられています。
ディレクター アナリストの針生 恵理は次のように述べています。「多くの企業は積極的に教育に取り組んでいますが、思ったほど成果が出せていません。それは教育と仕事が乖離しており、仕事で役に立つ内容になっていないからです。さらに、管理職の理解もなく、評価もされない。だからこそ、従業員は教育に時間を割きたくないのです。ここを変えていかなければ、企業は今後も同じ課題を抱えることになるでしょう」
AI共生時代のデジタル人材育成は「学習」から「実践と成果」へ
Gartnerは、AI共生時代のデジタル人材育成においては、従来型のE-learningなどの学習中心のアプローチだけでは不十分であるとみています。特に生成AIは、知識や操作を学ぶだけでなく、実際の業務の中で使いながら習得することが重要です。そのため企業は、研修と実際の業務を結び付ける実践型教育の導入、従業員のレベルにあわせたパーソナライズされたプログラムの採用、仕事へのインパクトや価値を測るといった取り組みを進める必要があります。
針生は次のように述べています。「AI共生時代の人材育成の目的は受講率を高めることではありません。従業員が実際に仕事の成果を生み出し、組織の競争力向上につなげられるかどうかが問われています。AI時代の人材育成では、知識を教えることよりも、業務の中で実践する機会を作り、成果につなげることが求められます。企業は『教育を提供したか』ではなく、『仕事がどう変わったか』を測る段階に入っています」
AI共生時代には管理職自身の変革が必要
これからのAIを含むデジタル・スキル教育を組織的に進めるには、管理職向けの教育が重要になります。管理職は、まず自らが生成AIを使いこなし、自分自身の仕事や働き方を変えていく、その上で、自分の組織をAIでどう変えていくかを考えることが求められます。
管理職向けのAI教育に取り組んでいる企業は、取り組んでいない企業と比べ、生成AIの利用率が高く、仕事の効率化で成果が出ていることに加え、ビジネス部門のAIに対する満足度も高いことが明らかになっています。
針生は次のように述べています。「AIは管理職という職そのものの在り方を再定義します。管理職には、自ら生成AIを使いこなし、AIがもたらす機会とリスクを理解するとともに、部下が安心してAIを活用できる環境を整え、組織変革をリードすることが求められます。そのためにも、それを支援する管理職向けのAI教育は今後ますます重要になるでしょう」
Gartnerのサービスをご利用のお客様は、AI共生時代における未来の働き方:4. 管理職編ならびにAI時代に日本企業が求めるデジタル・スキル教育とはで関連する内容をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products
Gartnerは、組織の経営幹部およびテクノロジ・プロバイダーにとって欠かせないパートナーとして、AI戦略の実行による重要なビジネス課題の解決を支援します。Gartnerのインサイトは独立性と客観性に基づいており、お客様が確信を持って意思決定を行い、AIの可能性を最大限に引き出すことを可能にします。経営層のお客様は、自社におけるAI活用の方向性を見極めるため、Gartner独自のAIツールAskGartnerを活用しています。Gartnerは、2,500人以上のビジネスおよびテクノロジ領域のエキスパートによるインサイト、6,000本を超えるリサーチ、ならびに4,000件以上のAIユースケースおよびケーススタディを有し、AIにおける世界的なインサイトを提供しています。詳細はこちらをご覧ください。
8月26~27日に開催中のガートナー デジタル・ワークプレース サミットでは、AI時代のコラボレーションならびにワークプレース・テクノロジに関する最新のトレンドと指針を解説しています。コンファレンスに関するニュースや最新情報は、XやLinkedInで#GartnerDWを使用してご覧いただけます。
Gartner, Inc. (NYSE: IT) は、お客様の重要な課題において、より優れた意思決定と大きな成果を創出し、実行可能かつ客観的なビジネスおよびテクノロジのインサイトを提供します。詳細については下記Webサイトでご覧いただけます。