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2023年6月1日

Gartner、アプリケーションの近代化では正しいアーキテクチャの選択が重要との見解を発表

「ガートナー アプリケーション・イノベーション&ビジネス・ソリューション サミット」(6月13~14日) において、アナリストがアプリケーション/ソフトウェアに関する最新トレンドと指針を解説

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、アプリケーションの近代化では正しいアーキテクチャの選択が重要との見解を発表しました。

Gartnerの2023年CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイでは、2023年に日本企業の39%がアプリケーションの近代化への支出を、48%がクラウド・プラットフォームへの支出を増やす意向であることが示されています。また、33%の日本企業がレガシー・インフラストラクチャとデータセンター・テクノロジへの投資を減らし、近代的なテクノロジ・プラットフォームに移行すると回答しています。

シニア ディレクター アナリストの飯島 公彦は次のように述べています。「ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーエンタプライズ・アプリケーション・リーダーは、変化するビジネス・ニーズに上手く対応できるよう、さまざまなアプローチでアプリケーションの適合性と価値を継続的に改善する必要があります」

アプリケーションの近代化における6つの推進要因

Gartnerは、アプリケーションの近代化に関する6つの一般的な推進要因として、ビジネス上の推進要因3つとIT上の推進要因3つを定めています。

ビジネスの観点から見た、主な推進要因:

  • ビジネスへの適合性:アプリケーションが現在のビジネス要件に適合しなくなった。
  • イノベーション:アプリケーションによって、新たなビジネス機会の活用やディスラプション (破壊的影響) への対応が制限される。
  • アジリティ:アプリケーションとそれをサポートするエコシステムが変化のペースに追随できない、またはこうした変化に伴うコストやリスクのレベルが許容範囲を超えている。

ITの観点から見た、主な推進要因:

  • コスト:アプリケーションの運用/保守/変更にかかる総コストが、アプリケーションのビジネス価値に比べて高過ぎる。
  • 複雑性:アプリケーションにおける過度な複雑性がさまざまな問題を生み、変更の実装に伴う時間/コスト/リスクに影響を及ぼすため、保守性の主な阻害要因となっている。
  • リスク:アプリケーションにセキュリティ、コンプライアンス、サポート性、拡張性のリスクがある。旧式のアプリケーション・プラットフォームや言語では、スキル不足のリスクがしばしば大きな問題となる。

飯島は次のように述べています。「これらの6つの推進要因は、考えられる根本原因を示しています。つまり、コスト、複雑性、リスクに関する問題は、アプリケーションの構築とサポートに用いられるテクノロジが原因であり、ビジネスへの適合性とイノベーションのサポートに関する問題は、機能が原因であり、アジリティと複雑性に関する問題は、アプリケーションのアーキテクチャと構造が原因である可能性が高いと考えられます。アプリケーションの近代化は、それらの原因に基づいて、最適なアプローチを選択することが肝要です」

アプリケーションの近代化では、正しいアーキテクチャの選択が重要

2022年9月にGartnerが国内で実施したユーザー調査では、約7割がアプリケーションに従来と異なる何かが必要であると回答しています。理由としては、1位に、「アプリケーションのアーキテクチャが硬直的で、変化に迅速に対応できない」(43%)、2位に「現状業務と合致しなくなっている」(20%) を挙げています。また、変革が必要とする回答者が目指すアプリケーションとして最も多く挙げたのは、「変化や多様性に応じて容易に組み換えができるアプリケーション (コンポーザブル・アプリケーション)」(48%) でした。

一方、変革に実際に取り組んでいる回答者のアプリケーション変革の内容としては、「ビジネスモデルやビジネス・オペレーションの全体像の策定・見直し」(42%) が最も多く、「アーキテクチャの見直し」は、19%と少数派でした。これは、既存アプリケーションのアーキテクチャ変革が容易ではないことに加え、アーキテクチャのスキルセットを持つ人材そのものが日本企業において不足していることも背景として考えられます。実際、アーキテクチャ変革が必要とする回答者が「必要」としている項目に最も多く挙げたのが、アーキテクト人材でした。

飯島は次のように述べています。「日本企業にとって、アーキテクチャの変革が重要になってきていますが、『正しくアーキテクチャ変革を行う』だけでなく、『正しいアーキテクチャを目指した変革』に留意する必要があります。そのためには、オペレーションの見直しの中で、業務機能を細かい単位で吟味していくことで、正しいアプローチを選択し、その先に目指すコンポーザブル・アプリケーションの実現につなげていくことが重要です」

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「アプリケーションの近代化とクラウド移行に適したアプローチを選択する方法」および「変化に柔軟なアプリケーションをどのように構築すべきか」で詳細をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、以下よりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

2023年の日本企業の最優先化事項、テクノロジ、課題については、「インフォグラフィック:2023年の日本企業にとっての最優先事項、テクノロジ、課題」もご覧いただけます。

ガートナー アプリケーション・イノベーション&ビジネス・ソリューション サミットについて

2023年6月13~14日にウェスティンホテル東京にて開催するガートナー アプリケーション・イノベーション&ビジネス・ソリューション サミットでは、アプリケーション戦略、ソフトウェア・エンジニアリングのリーダーシップ、API戦略、開発プラットフォーム、先進テクノロジなどに関する最新の知見を共有します。コンファレンスのニュースと最新情報は、Twitterでご覧いただけます (#GartnerAPPS)。

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