2026年4月30日
2026年4月30日
ビジネスおよびテクノロジのインサイトを提供するGartner, Inc.は、CEOの80%が、AIによって企業能力に中程度以上の高いレベルの変革が求められると予想しており、デジタル・ビジネスからAIエージェントを活用した自律型ビジネスに焦点が移りつつあるとの調査結果を発表しました。
ディスティングイッシュト バイスプレジデント アナリストのドン・シャイベンライフ (Don Scheibenreif) は次のように述べています。「自律型ビジネスとは、自己学習型のソフトウェア・エージェントやマシン・カスタマーが意思決定を下し、アクションを起こし、組織に新しいタイプの価値を創出する戦略です。CEOはこの変化を差し迫ったオペレーション上の目標と捉えています。デジタル・ビジネスが組織の『何をするか』に変化をもたらす一方で、自律型ビジネスは『どのようにするか』に変革をもたらします」
GartnerのCEO and Senior Business Executive Survey (CEO/上級経営陣向けサーベイ) は、世界中の469名のCEOおよびその他の上級経営陣を対象に、2025年第4四半期までの3四半期にわたり実施されました。
調査によると、54%のCEOが自動化は特定のタスクへの限定的な導入にとどまっていると回答しました。2028年末までこのレベルにとどまると予想するCEOはわずか13%でした。一方で、32%のCEOは、人間の意思決定を支援するために自己学習型かつ適応型のAIツールを導入する予定と回答しています。また、27%は、主に人間の介入なしで組織が運営されるようになると予想しており、自律型ビジネス・エコシステムへの移行が示唆されています (図1参照)。
出典:Gartner (2026年4月)
ディスティングイッシュト バイスプレジデント アナリストのデイヴィッド・ファーロンガー (David Furlonger) は次のように述べています。「CEOはAIが単なる自動化のレイヤーではなく、企業そのものを再構築する触媒であることに気づき始めています。自律型ビジネスへの移行には、仕事の進め方や価値提供の方法を優先するケイパビリティ・ファースト (能力優先) のマインドセットがCEOに求められます。自律性が高まる経済環境では、この視点がますます重要です」
自動化や自律型ビジネスは効率性の向上をもたらす一方で、競争上の脅威にもなり得ます。
収益はAIによるリスクに直面
一部のCEOは、AIが自社の利益モデルに悪影響を及ぼすと予想しています。調査対象のCEOの28%は、AIによって最もリスクになり得るのは収益だと回答しました。これは、AIエージェントにより、既存の仲介システムやリアルタイムで価格設定や交渉を行う手続きを迂回できるためです。
「AIエージェントが購買、価格設定、交渉を自動化することで、本来、取引手数料でカバーしていた余分な工程や非効率性が排除されます。その結果、CEOは利益モデルの見直し、利益損失を回避するために、継続性がある顧客成果ベースの収益モデルへの転換を迫られています」(ファーロンガー)
顧客基盤には大きな変化なし
AIによって顧客基盤に大きな変化があると予想するCEOはわずか17%であり、デジタル・ビジネス時代の39%と比べて大幅に低い結果となりました。その代わり、多くの経営者は主にAIを活用して既存顧客や、今後増加が見込まれるマシン・カスタマーとの関係を深めることに注力しています。
Gartnerは、2026年末まで急成長するマシン・カスタマー市場へのアクセスを目的とした専任事業部門や販売チャネルを持つ大企業の数が、2024年比で2倍になると予測しています。
CIOにとっては、人間とマシン双方の意思決定者を支えるシステムを構築する必要性が高まっています。その際、信頼性、正確性、データの完全性が重要になります。
「この不可避な未来に備えるため、CEOとCIOには組織のオペレーション基盤を再構築し、人材・資産・財務構造の再設計に取り組むリーダーシップが求められます」(シャイベンライフ)
なお、ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストの松本 良之は、日本企業に向けて次のように補足しています。
「日本企業のCIOが今、最優先で向き合うべきは『マシン・カスタマー』の出現です。2026年までに、マシン・カスタマー向け専門組織を持つ大企業は倍増しますが、日本企業の多くは人間顧客を前提とした設計にとどまっています。自律型ビジネスは、各現場にAIエージェントを実装し、機械同士が自律的に取引する基盤が整って初めて成立します。ここで日本企業の現場力が決定的に効いてきます。正確なオペレーション・データと品質管理の伝統は、マシン・カスタマーの基盤を世界最高水準で築く最大の資産となります。CIOは『システムを守る人』から『現場力をAI時代の競争力へと翻訳する人』へと、大きく転換していく必要があります」
Gartnerのサービスをご利用のお客様は、2026 CEO Watch: How CEOs Are Pivoting to AI-Driven Autonomous Business Models およびCEO Watch Entering 2026: Confidence Is Muted, Resolution Is Heightened で詳細をご覧いただけます。
※本プレスリリースは、グローバルで2026年4月23日 (現地時間) に発表したプレスリリースを基に日本向けに編集しています。原文はこちらを参照ください。
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