2025年5月26日

Gartner、エンジニアリング・リーダーの77%がアプリへのAI統合を大きな課題と認識しているとの調査結果を発表

エンジニアリング・リーダーは、アプリの機能と性能向上のためにAIの能力に注目している一方で、重大な問題に直面している

 

米国コネチカット州スタンフォード発、2025年5月22日 — Gartner, Inc. (以下Gartner) は、エンジニアリング・リーダーの77%が、アプリケーションにAIの能力を組み込んで機能と性能を向上させることを、重大または中程度の課題と認識しているとの調査結果を発表しました。同調査では、ソフトウェア・エンジニアリングのワークフローを拡張する目的でAIツールを利用することが2番目に大きな課題に挙げられており、エンジニアリング・リーダーの71%がこれを重大または中程度の課題と考えていることも明らかになりました。

この調査は2024年10〜12月に、米国と英国の400人のソフトウェア・エンジニアリング/アプリケーション開発リーダーを対象に実施されました。

バイス プレジデント アナリストのジム・シャイブメア (Jim Scheibmeir) は、次のように述べています。「CEOがAIを自社の業界に最も大きな影響を与えるテクノロジと認識していることから、AIエージェントのようなサービスへの関心が非常に高くなっています。ビジネス・リーダーもこのテクノロジに注目し、期待が高まっているにもかかわらず、実行に移すことは容易ではありません」

新興ベンダーと既存ハイパースケーラーは、企業が抱える課題を解決するためにそれぞれプラットフォームを開発し、その機能を強化し続けています。この市場では、新旧問わず多くのベンダーが事業を展開し、イノベーションに取り組んでいます。Gartnerでは、AIアプリケーション開発プラットフォームの現在の市場規模を52億ドルと推定しています。

シャイブメアは次のように述べています。「エンジニアリング・リーダーは、異なるベンダー、大規模言語モデル (LLM)、AIサービスを組み合わせるのではなく、AIアプリケーション開発プラットフォームや最良のエコシステムを備えたプラットフォームを選ぶべきです。それによって、まだ非常に新しいテクノロジやソフトウェア・エンジニアリングの領域であっても、拡張、再利用、一貫性の確保が可能となります」

AIアシスタントやAIエージェントはソフトウェア・エンジニアリングの人材にも影響を及ぼす

現在、AIエージェントソフトウェア・エンジニアの学習パートナーとして機能し、エンジニアがソフトウェア・エンジニアリングの複雑かつ創造的な部分に集中できるようになっています。それにより、従来型のコンピュータ・サイエンス分野の経験がなくてもエンジニアリング職に就く人の増加につながっています。

プリンシパル アナリストのニティッシュ・ティアギ (Nitish Tyagi) は、次のように述べています。「デザイン、心理学、芸術など、サイエンス、テクノロジ、数学以外の経歴を有する人材をチーム・メンバーに迎え入れることで、新たな視点や創造的な問題解決アプローチを導入できるようになります。こうした多様性は、より革新的なソリューションや、より豊かで包括的なユーザー・エクスペリエンスの提供にもつながります」

2028年までに、生成AIによって、ソフトウェア・チーム・メンバーの40%が、従来型のソフトウェア・エンジニアリングやテクノロジ以外の学歴を持つ人材になるとGartnerでは仮説を立てています (現在の20%から増加)。

AIがすべてのソフトウェア・エンジニアリング・タスクを代替できるわけではないため、少なくとも短期的には、組織はAIを活用したツールからのアウトプットのレビューに注力する必要があります。そのため、ロジックの構築やアルゴリズムの開発など、優れた基礎スキルを備えたエンジニアを採用することが求められます。デザイン、芸術、哲学といったテクノロジ以外の分野の経験を持つ人材は、AIを活用して論理的な問題を解決するための新しい創造的な方法をもたらすでしょう。

ティアギは次のように述べています。「将来的には、技術系・非技術系、双方の学歴の出身者からなる、ソフトウェア・エンジニア、UXデザイナー、プロダクト・マネージャー、さらにはデータ・サイエンティストで構成されるコンポーザブル型またはフュージョン型のプロダクト・チームが主流になるでしょう」

学歴に関係なく生成AIのスキルを持つ適切な候補者を採用することは、極めて重要になります。これを実現するため、組織は純粋な履歴書や学歴に頼るのではなく、スキル・ベースの人材採用アプローチへと急速に移行しつつあります。そうした組織では、適切な候補者を評価する手段として、スキル評価や面接プラットフォームを活用しています。

さらに、新入社員/既存社員に向けて、個別に調整した学習パスを設計するために、AI手法やスキル・データを活用することもあります。調査では、回答者の38%が、新しいスキルの習得にはAIを活用することが最も効果的な手法であると考えていることも明らかになりました。

Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート"Market Guide for AI Application Development Platforms and Predicts 2025: Navigating the Rise of AI in Software Engineering" (英語) で詳細をご覧いただけます。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

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