2025年5月21日
2025年5月21日
日本は企業文化や人材、海外はデータ、アナリティクス、AIによる成果の測定を最大の阻害要因に挙げる
ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は本日、開催中のガートナー データ&アナリティクス サミットにおいて、世界のデータ/アナリティクスのリーダーを対象にした「最高データ/アナリティクス責任者 (CDAO) サーベイ」から日本と海外のリーダーによる結果を発表しました。
GartnerはCDAOを、組織のデータとアナリティクス資産、およびデータとアナリティクスのエコシステムによる価値創造に対して責任を負うビジネス・リーダーであると定義しています。影響力のあるCDAOは、組織をAIに対応させながら、反復的かつ頻繁に成果を出しています。
本調査では、データ、アナリティクス、AIがビジネス価値提案や成果に対し、どの程度ポジティブで測定可能な影響を与えるかを尋ねました。回答した海外のCDAOは、与える影響が大きいと考える上位3つに、「従業員の生産性」(39%)、「顧客体験」(38%)、「コスト最適化」「競争優位/差別化」(37%) を挙げています。一方、日本のCDAOが上位に挙げたのは、「収益創出」(63%)、「顧客体験」(60%)、「競争優位/差別化」(57%) の3つでした。順位の違いはあるものの、すべての項目において影響があると回答した割合は日本のほうが高くなっています。すなわち、日本の方が海外に比べて、データ、アナリティクス、AIがビジネス価値提案や成果に与える影響を大きく見ていることを示しています (図1参照)。
出典:Gartner (2025年5月)
シニア ディレクター アナリストの一志 達也は、次のように述べています。「日本はD&AやAIがビジネス成果に与える直接的な影響を大きく見ており、収益創出に影響があると回答した割合 (63%) が海外の2倍以上 (30%) であったことは驚きです。それに対して海外では、生産性やAI活用といった間接的な価値に対して、より大きな影響があると見ていることがうかがえます」
一方、D&Aチームの成功を阻む要因についても尋ねたところ、海外で最も多かったのは「ビジネス成果への影響が測定不能」(31%) で、次に「D&Aのための資金不足」「現場におけるD&Aの理解が不十分」「企業文化がデータ・ドリブンではない」の3つが同じ28%で続きました。対して、日本は、「企業文化がデータ・ドリブンではない」が64%と最も多く、次に「人材が集まらない」(45%)、「企業文化が変化を受け入れない」(43%) が続きました。海外は成果測定と理解の獲得が主な阻害要因であるのに対し、日本は文化と人材が主な阻害要因として挙げられていることが明らかになりました。
一志は次のように述べています。「今回の比較からは、日本はAIに対する現実感が乏しいことも判明しています。Gartnerは、2027年までに、AIによる組織の成功に不可欠な戦略的パートナーとしての地位を確立していないCDAOの75%は、Cレベルの地位を失うことになるとみています。CDAOは、人間とAIが共生する時代を生き抜くために、組織の期待に応える成果を上げ、D&AやAIを活用して仕事を変えるなど、積極的にAI共生時代をリードすることが求められます」
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products
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5月22日までグランドニッコー東京 台場にて開催中の「ガートナー データ&アナリティクス サミット」では、「好奇心をくすぐり、成果獲得へと導け」をテーマに、D&Aリーダーが押さえておくべき最新トレンド、ベスト・プラクティス、重要課題の解決に向けた知見やガイダンスを提供しています。コンファレンスのニュースと最新情報は、X、LinkedIn、Facebookでご覧いただけます (#GartnerDA)。
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