2025年5月20日

Gartner、AI活用を拡大するためにデータ/アナリティクス・リーダーが重点を置くべき3つの領域を発表

「ガートナー データ&アナリティクス サミット」(5月20~22日) において、最高データ/アナリティクス責任者がAIへの取り組みを発展させるために注力すべき領域についてアナリストが解説

 

ガートナージャパン株式会社 (本社:東京都港区、以下Gartner) は、高度なアナリティクス (AIなど) の導入を妨げる要因として、データの質の低さが2025年を通じて最も頻繁に挙げられる課題の1つであり続けるという見解を発表しました。こうした状況に対応しながら企業がAIの取り組みを推進するために、データ/アナリティクス (D&A) リーダーは、ビジネス成果の実現、D&A能力の向上、行動の変容という相互に関連する3つの領域に重点を置く必要があります。

バイス プレジデント アナリストのカーリー・イドイン (Carlie Idoine) は、次のように述べています。「CEOの過半数は、今後3年間で業界に最も大きな影響を及ぼすテクノロジはAIであると考えており、そのため企業の戦略において無視できない存在となっています。この点を考慮すると、AIの活用に深く関与しているD&Aリーダーは、ビジネス成果に貢献できる特別な立場にあると言えます」

バイス プレジデント アナリストのアダム・ロンサール (Adam Ronthal) は次のように述べています。「AIが組織における主要な領域となっている今、D&Aリーダーは過度な期待に惑わされることなく、信頼、適応力、人への投資に注力しなければなりません」

ガートナー データ&アナリティクス サミットのステージで解説するアナリストのカーリー・イドインとアダム・ロンサール

 

本日から開催しているガートナー データ&アナリティクス サミットのオープニング基調講演において、D&AリーダーがAI活用を効果的に推進するための指針として、相互に関連する3つの取り組みについて解説しました。

ビジネス成果の実現を目指す取り組み

Gartnerは、AIがもたらす価値を示す上で、ビジネス成果を優先させることをD&Aリーダーに推奨しています。

イドインは次のように述べています。「AIの導入においては、依然として価値の証明が最大の障壁となっています。D&Aリーダーは、その価値を示す第一歩として、状況に応じた適切な信頼レベルの構築に注力する必要があります」

D&Aリーダーは、以下の行動を取ることで、ビジネス成果に最大の効果をもたらすことができます。

  • 信頼モデルを確立する:データ・ドリブンな企業となるためには、信頼できる高品質のデータを用いることが鍵となります。しかし、多くのAIの取り組みは、不十分なデータ品質が原因で成功に至っていません。信頼モデルは、データの価値とリスクに注目し、リネージ (来歴) とキュレーションに基づいた信頼度を示します。
  • 生産性向上を収益化に結び付ける:総コスト、複雑さ、リスクに関連する価値と競争上のインパクトを考慮します。
  • データ/アナリティクスの価値を伝える:データ管理、ガバナンス、変更管理など、すべてのコストを考慮します。

データ/アナリティクス能力の向上を目指す取り組み

AIのソリューションに関しては、さまざまなツールやテクノロジを使用してテクノロジ・スタックを構築することが重要です。

ロンサールは次のように述べています。「以前から、『スタックか、ベスト・オブ・ブリードか』という議論が繰り返されていますが、現在では、その意思決定を巡る状況が様変わりしました。D&Aリーダーには、最善のAIソリューションに対する要求に応えられるような、拡大可能で柔軟なエコシステムを構築することが求められています」

D&Aリーダーは、以下の行動を取ることで、この適応力を得られます。

  • モジュール型のオープンなアーキテクチャを構築する:新しい要件やテクノロジの急速な変化に対応するため、アーキテクチャのコンポーネントを更新またはリプレースします。
  • データをAI-Readyかつ再利用可能にする:テクノロジ・スタックから信頼スタックへと移行するため、FinOps、DataOps、PlatformOpsに「信頼」を組み込みます。
  • AIエージェントの可能性を探る:アクティブ・メタデータを使用するAI-Readyなデータ・エコシステムにより、変化に適応する動的なエージェントを活用します。

行動の変容を目指す取り組み

データ・ガバナンス、価値の伝達、アナリティクスの強化に注力することも重要ですが、AIを成功させるためには「人」に関連する問題への対処が欠かせません。

イドインは次のように述べています。「AIがあらゆるものを変革している中、人にも行動の変容が求められています。しかし、人は皆同じではなく、データやアナリティクスとの関わり方もそれぞれ異なっています」

D&Aリーダーは、以下のステップを踏むことで、AIの導入と活用から最大の効果を引き出す企業文化の基盤を確立できます。

  • 反復可能な習慣を確立する:データとAIリテラシーに重点を置いたトレーニングと教育を優先的に推進します。
  • 新しい役割とスキルを取り入れる:生成AIの変更管理要件への適応を円滑に進める役割を設置します。
  • 他のチームと協働する:シームレスな統合を実現するため、セキュリティやソフトウェア・エンジニアリングなどの多様なチームと連携します。

D&Aリーダーは、Gartner CDAO Effectiveness Diagnostic を使うことで、自身の有効性を評価する方法について詳しく把握できます。これは、最高データ/アナリティクス責任者 (CDAO) がリーダーとしての有効性を理解し、自身の強みと改善点を確認できる専用のアセスメント・ツールです。
日本で提供しているサービスについては、こちらよりご参照ください。https://www.gartner.co.jp/ja/products

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ガートナー データ&アナリティクス サミットについて

本日~5月22日までグランドニッコー東京 台場にて開催中の「ガートナー データ&アナリティクス サミット」では、「好奇心をくすぐり、成果獲得へと導け」をテーマに、D&Aリーダーが押さえておくべき最新トレンド、ベスト・プラクティス、重要課題の解決に向けた知見やガイダンスを提供しています。コンファレンスのニュースと最新情報は、XLinkedInFacebookでご覧いただけます (#GartnerDA)。

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